村雨庵 茶の湯日記

日々是茶の湯

除夜釜 想望庵

2009-12-31 23:02:51 | 茶事 茶会 
15時半席入
少し早めに着くと
すでに いずみ様がいらしており
今日 急に欠席と伺っていただけに
驚き又嬉しき事 ひとしお
あと
松籟庵様 弟子の清秀庵と
客人は4名である

待合は 静
永平寺の山田霊林禅師
甘酒を頂き露地へ出ると間もなく
亭主の向付ありて席入
そろそろとにじり口を開けると正面に
無我の二文字
その大きな文字が
生き生きと大声を出しているかのようだ
立派な文字を書かれたのは
九州の大慈寺の泰嶺和尚
想望庵の叔父上との事
さすれど
我 無しとは なんと難しい事か

挨拶のあと すぐ前茶
おもあいで頂き初炭が始まる
真形の釜を上げ皆にて覗き込む炉中の
その種火の赤の美しさは言葉では言えない
香合は早 来年の干支 寅の香合
甲に虎の絵
蓋と身の回りに十二支の文字がぐるりと巡る
24年前の寅年に頂いたとの想望庵様の話し
京焼きで作者は不明
すぐさまお膳が出て
軽い茶会のつもりであったが
四つ碗の本懐石がはじまる様子
まあ ゆるゆると頂戴いたしませう

目出度い鯛の向付
煮物椀はいずみ様よりの10割そばの鴨南蛮
そばの香も芳しき 年越しそばであり うれし年越し
焼物に預けと次々とお腹に入り小吸物の後
牡蠣の佃煮と百合根の八寸
千鳥の盃にて最後まで省略なし
除夜に本懐石の客というのも
なんと変なると
いや風流なるものか
虎屋黒川の
幸寅というお菓子を頂いて中立
後座は手燭の交換で始まった
床は花に代わり
花入れは銅鐸
ドウタクとは珍し
以前に習っていた東池坊より手に入れたものと
花はあけぼの椿とキササゲ
除夜にぞ誠にふさわしい
手燭の明りが照らす光景は
幽玄の趣
夜話の茶事ならでは
水指は清朝の五彩の水指
茶入は伊勢崎淳
茶碗まだら唐津 茶杓は和敬の銘 橋本紹尚作
棗は青海波に千鳥文様の金蒔絵内梨地の大棗
薄茶の茶碗は大根絵
作者は京都の中村秋峰と
俵の形の茶碗であった

つづき薄茶で頂くが  
干菓子も寅 
香合と主菓子と薄茶の菓子で三つの寅が登場との想望庵様
いやいやと松籟庵様いわく
松籟庵様と私めも寅どしゆえ 
除夜の想望庵には 5寅が揃った 揃った
さすれば
来年はもう想望庵様には
恐いもの無しの事であろう が・・・
それは今以上にと言うことであろうか

まずは
何より 

どうぞ 
どうぞ来年も    お招きを
コメント
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