待望のプラハ放送交響楽団のオール・チェコ・プログラムです。
フルートとクラリネットで始まる「モルダウ」。こんなに美しい出だしの「モルダウ」があったのか!と最初から感動で胸が熱くなりました。
演奏者と楽器が見える生きている音。CDとはまるで違います。これだからコンサートはたまりません。
プラハ放送交響楽団はチェコを代表するオーケストラのひとつ。音楽監督も兼ねる指揮者ペトル・ポペルカはスケール感たっぷの素晴らしい指揮者で、来年からはウィーン交響楽団の首席指揮者にも決まり、ヨーロッパで旋風を巻き起こしている有望株だとか。マエストロ、まだ若いのです。
男性の演奏者が全員燕尾服というのも驚きました。椅子からツバメのしっぽが垂れ下がる威厳と品格から演奏者の音楽に対する姿勢がしのばれました。
最も心に残る素晴らしい楽団のひとつです。指揮者と楽団に出会えたことに感謝しました。
もうひとつの「プラハ交響楽団」は以前に聴いたことがあります。チェコはいい!
チェコの街並みは旅行者もすんなり受け入れてくれる温かさがあり「また来れたらいいね」でした。
もう行くことはなくても、こうしてチェコと出会えることは嬉しいことです。
三浦さんのヴァイオリンも風格が備わって実力者の位置は不動。ドヴォルザークのヴァイオリン協奏曲は体力を必要とするようでしたが、そこはベテランという感じでした。
圧巻の「新世界」。親しみのある曲だけに、それを最高の音で聴けた聴衆のどよめきと歓声が全てを表していました。
妹と一緒でしたが、言わずとも2人とも感動を共有しているのがわかりました。
もしまたプラハ放送交響楽団を聴く機会があったら絶対に見逃しません。