「九州市民大学」のチケット2枚が妹から回ってきました。講師はピアニスト仲道郁代氏、演題は「ショパン その人生と悲しみの旋律をひもといて」です。美しいタイトルが仲道さんの雰囲気とピッタリです。
ショパンというと私はなぜか青色をイメージしてしまいますが、仲道さんのドレスもシルクの陰影が美しい青色でした。
人気を反映してアクロスコンサートホールは2階までびっしりでしたが、運よく指の動きまで見える席をゲットしました。
ポーランド生まれのショパンの生い立ちから始まり、曲の技術的な説明ではピアノを弾きながら、ソフトで、メリハリのあるとてもわかり易い解説でした。
パワーポイントを操作しながら、楽譜、子供時代に書いた父親への手書きのカード、カリカチュア風の絵が映されて、その才能はピアノばかりではなかったことが証明されました。
ポーランド独立蜂起の版画、ジョルジュ・サンドの写真、親友ドラクロワが描いた肖像画も映しだされました。
①ポーランドの民族音楽、②一時期は失われてしまった祖国ポーランドへの思い、③パリでの、貴族や文化人との華やかなサロン生活、というキーワードをなくしては、ショパンの曲は語れないとのことでした。
それぞれのレクチャーごとにそれに合った曲が演奏され、①ではポロネーズ、マズルカ、②では革命、③ではノクターン、ワルツなどが演奏されました。
最初の作曲が7歳。まだ楽譜が書けなかっということで、父親が書いたものだそうですが、その演奏もありみんな溜息でした。
楽譜に隠れている音符のマジックで、メロディに深みと厚みと美しさが出てくるのを、曲の一つ一つに納得しながら聴くことができたのは貴重なことでした。
ショパンの人間像も作品も研究し尽くした仲道さん自身が、ショパンの手紙の朗読された時には、やはりとても胸を打つものがありました。
普通にはないとてもユニークなコンサートで、2時間ばかり音楽校生になったつもりでとても充実感がありました。
数年前に、平野啓一郎『葬送』(全4巻)を読みました。
ショパンのパリのサロン生活の華やかな面と暗い部分、恋人ジョルジュサンドとの生活と別れ、思わしくない体調、親友ドラクロワとの交流、当時の画壇事情、ブルジョワジーの抬頭、2月革命の混乱、イギリスへの逃避・・・を描いたものです。
結構難解で霧がかかったみたいでしたが、今度のレクチャーでその霧が晴れた感じです。それほど、整然とまとめられた解説がわかり易かったということです。
仲道さんは「弾く」能力ばかりでなく、「教える」能力も相当なものであることがわかりました。
表紙の写真は、ピアノの前に座ったショパンの肖像画の一部でドラクロワが描いたものです。その左には腕を組んだジュルジュサンドが立っていたそうですが、今は切り離されて別々になっています。
あれほどショパンに尽くしたジョルジュもショパンを見限って離れて行ってしまいました。サンドとの別れで、絵も同じように切り離されて別々に・・・。
ショパンのスポンサーであった貴族たちも革命のあと離れていき生活は困窮し、胸の病も悪化して39歳で亡くなりました。
若き日にポーランドを出て二度と帰ることはなかった祖国を、ショパンは生涯忘れたことはありませんでした。遺言に従って心臓は祖国ポーランドへ、遺体はパリに埋められています。
でも、随分前です。
確かにショパンについて時代別に、映像も使って説明しつつの演奏でした。
ショパン、普通の子が好きなんです。
くちこも、その影響で?好きですよ。
普通の子は、難易度の高いショパンの曲、独力で弾いていました。
子犬のワルツは、小五の時?発表会で弾きましたよ。
懐かしいなあ・・・
くちこも、指が見える席が好きです。
最近、ピアノの練習、ささやかながら再開しました。
アンダー・ザ・シー(ディズニー)のジャズバージョンを練習しています。
一日・・・・三分・・・へへ
ユニークなコンサートを色々企画されているようで。
私もショパン大好きです。
ユンディー・リーが華々しくデビューした時のコンサートが
とてもフレッシュでした。
それにしても普通の子さんは独力でショパンを・・・と聞いて
さすがだなと思っています。
ショパンにピアノ曲が多いのは、当時ブルジョアジーの台頭で
一家に一台のピアノがステイタスで、ピアノ曲が必要だったとか。
偶然と云うか、先週のサロンでショパンのノクターン(遺作)の観賞をしたところでした。
くちこのブログ、2011/11/14のブログ、ショパンが出てきそうなピアノ、載せています。
良かったら見て下さい。
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HTB,今月、5年間の会員期間が終わります。
延長はしなかったんです。
でも、今年また、行くかもです。
マジョルカ島でのショパンの生活は、病気の苦痛や島民
から受けた軋轢であまり幸せではなかったようです。
当時の乗り物、馬車での移動は相当に体力を消耗したようです。
◆tomokoさんへ◆
私も本当に音楽を聞き分けるってことはできません。
だからこんなレクチャーが大好きなんです。
レクチャーから伝わるその人の人格も含めて楽しめる音楽会は
音楽の裾野を広くすると思います。
ミュンヘンでのコンサート。リラックした服装で、本当に音楽を楽しむと
いう市民の姿勢に感銘を受けたことがあります。
演奏者と聴衆の距離感がとてもいいのです。
◆くちかずこさんへ◆
見ました過去ログ!その前後のブログが楽しくてo(^-^)o
HTBには5年間の会員があるんですね。
オープンの頃しか知らないので、ずいぶん様変わりをしていて
びっくりしました。素敵な場所になっています。
実は私も8月に行こうとネットで4人分のJRの切符を購入しているの
ですが、諸事情でまだ行けていません。
料金はとっくに引き落とされていますが、この分では行けそうにも
ありません。老夫婦2人のハウステンボスも淋しいような気がして。
指の記号が、どうして?と思うようなミステリアスなものだったり、同じ楽曲でも楽譜によって強弱の記号が真逆だったり・・・
ショパンのピアノ曲は、今の大ホールで演奏されるピアノでは表現できない繊細な部分もあると仰って、100年以上前の古いピアノで演奏する場面もありました。
「ショパン 愛と悲しみの・・・」の映画も観ましたが、悲しい晩年でしたね。
こういう解説のあるコンサートは嬉しいですね。
作曲家、楽曲への想いがより深まります。
歴史、旅、美術は大体番組チェックをしていますが、
漏れた時はとてもがっかりです。その番組も見逃しました。
ショパンは大ホールでの演奏がきらいで、たった2度しか開かな
かったようです。
そのうちのひとつは、チケットを売り出す前から「完売」という
圧倒的な人気があったようです。
いつもコンサートに行ったときは、しばらくは聞いた曲ばかりに
偏ってしまいますが、ショパンはいいですね~!
レクチャーも小さな子にもわかるような言葉ですし、本当の意味での
音楽の伝道師という気がします。
幸せなことですが、さらにわかり易いレクチャーもしてもらう
なんて、贅沢なコンサートでした。
芸術家のエピソード、大好きです。偉大な芸術家が身近に
感じることがあります。