栄一は大隈重信に説得され大蔵省に入りますが、パリから帰国して以来、合本組織による民業を起こすことがずっと栄一の夢でした。
栄一は官を辞め民間への転身を決意しますが、栄一の大蔵省における葛藤と官への失望がもう少し詳しく描かれてもよかったのでは・・・とは私の感想です。
井上馨のもとで栄一は「入るを量って出ずるを為す」の財政健全化を目指しますが、西郷、大久保、江藤、大隈らと予算請求を巡り対立、衝突します。それを『雄気堂々』で詳しく読んだだけに、ドラマでの栄一の転身には少し物足りないものを感じました。
明治政府の藩閥の中で特に江藤新平との予算をめぐる対立など、新しく日本を作ろうと情熱をぶつけ合うさまは迫力がありました。
大蔵省の退職後は三野村からの三井への誘いを断り、とにかく合本組織で働くことを望みます。
三井組と小野組で合本組織の第一国立銀行をすでに作っていたし、栄一はこの夢に賭けようと銀行に入ります。

歩き始めた銀行は、仲の良くない三井組と小野組に出資させたから頭取も二人。一事が万事もめていて、それを取りまとめるのが総監役の栄一でした。和服姿の行員の中で、ただ一人洋服姿で颯爽と出勤しました。
そんな中、井上馨が「小野組が危ない」と情報をもたらしました。銀行の危機に繋がります。次回どうなるか・・・。
一方、アクの強い岩崎弥太郎が登場して大隈重信と結託します。
五代友厚が助言した『魑魅魍魎が跋扈する』商いの世界が広がっていきます。