新・遊歩道

日常の中で気づいたこと、感じたこと、心を打ったこと、旅の記録などを写真入りで書く日記です。

《チョ・ソンジン》 ピアノリサイタル

2024年06月06日 | 音楽
チョ・ソンジンの名前を知ったのは、2015年ショパンコンクールの優勝で。韓国の音楽水準は高いと言われていましたが、やはり優勝者が出ました。

それより前の2000年のコンクールでは優勝者が中国のユンディ・リ。18歳という若さ、過去10年ぶりに優勝者が出たこと、アルゲリッチの絶讚、で話題は世界を駆け巡りました。日本でも「ピアノ界のキムタク」として盛り上がりました。
私もその風に乗って、翌年のソロ・リサイタルを福岡の地で聴いています。

今回のチケットは4ヶ月前に購入していましたが、その後でソンジンさんが、ベルリン・フィルの「アーティスト・イン・レジデンス(常駐音楽家)」になったことを知りました

アジア人で初めてベルリン・フィルの常駐音楽家になったのは内田光子さん。それに続く史上2人目がソンジンさん。それほど大変なことのようです。《ちなみに、2025年にHIMARIさん(12歳)がヴァイオリンで定期公演出演。指揮者・山田和樹さんの客演は、佐渡さん以来の14年ぶりとか》

ソンジンさんは、それほど難しいベルリン・フィルとの共演の条件を満たしているのです。
リサイタルの期待と楽しみが膨らみました。
プログラムはオールラヴェル。ラヴェルは難曲が多いです。
YouTube で務川慧悟さんや亀井聖矢さんのラヴェルを聴き馴染んではいましたが、ライブのソンジンさんのピアノの美しさは何と表現していいか・・・。16分音符や装飾音府の連続音が、1音1音歌うように美しい!

プログラムは「グロテスクなセレナード」「蛾」「絞首台」「クープランの墓」と、何となくおどろおどろしいのですが、私が聴きながらイメージするときに浮かんでくるのは、ドイツでなくやはりフランスでした。不協和音もどことなく洒落た感じがします。
どれも難曲中の難曲といわれるだけに、これが弾ける年齢は限られてくるのでは・・・と思ってしまいました。

若い男性も多く、スタンディングオベイションがすごかった!
アンコール曲は「亡き王女のためのパヴァーヌ」。
テレビでもよく流れる美しいメロディーです。最後は観客へのサービスかな。

会場に入ってドサッと手渡されたチラシの中に、ブーニンさんのリサイタルが入っていました。これは取れにくくなると思って、ずっと先の12月だけど、その場でチケットゲット!

帰りのバスの中でも、あの美しいピアノのタッチが、耳にしっかりこびりついていました。素敵な夜でした。




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