新・遊歩道

日常の中で気づいたこと、感じたこと、心を打ったこと、旅の記録などを写真入りで書く日記です。

九州国立博物館 開館10周年特別展

2015年10月25日 | 美術館&博物館

九州国立博物館がこの秋に開館十周年を迎えました。今、開館当時と同じ「美の国日本」のタイトルで特別展が開催されています。
  

  (平成17年 開館当時のパンフレット)        (平成27年 開館10周年パンフレット)

開館時のパンフレットは、永徳の唐獅子の力強さや金文字のエネルギーからも感じ取れるように、一歩踏み出す強い意志が感じられます。そして開館7年後の2012年には入館者1000万人を達成しました。元旦も開館するほど常設展も企画展も意欲的に展開されています。そんな自信にあふれた10周年特別展でした。 

今回は、縄文~鎌倉までの至宝を展示して、日本と東アジアの交流史の中から日本の美の形成をみるものです。さらに蝦夷と琉球にも目を向けているところが新鮮です。

左は教科書でもお馴染みの「螺鈿紫檀五弦琵琶」です。「五弦琵琶」としては唯一世界に現存するものだそうです。正倉院でもめったに公開しない宝物を貸し出してくれたことに驚いています。この
螺鈿細工の技術は8世紀の日本では見られない高度な技術だとか。

光の加減で螺鈿模様の表情が様々に変化するのでため息が漏れます。その美しさに魅入って足が止まると「止まらないで下さい。進んで下さい」と係員が飛んできます。

「行列をつくり歩きながら見る」は、確かミロのヴィーナスが日本初公開の時からではないかしら?それ以来、話題作品の展示には大行列が恒例になりました。

8世紀の琵琶は欠損することもなくはるばるとシルクロードを渡って中国へ、中国から日本へもたらされました。当然「国宝」だと思い込んでいたのがノーマークとは腑に落ちません。家に帰って調べてみると、宮内庁管理の文化財は、国宝や重要文化財などの指定対象とはならないそうです。
とにかく『あれもこれもどれも名宝!』でした。特に先の曜変天目茶碗と螺鈿紫檀五弦琵琶を見られたことがこの秋の大収穫でした。

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常設展示室に、九国博所蔵の「油滴天目茶碗」が展示されています。曜変天目茶碗ほどではありませんが、静謐な趣の重要文化財です。

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