ようやくあの酷い状態だった、Nikon 10cmED屈折赤道儀のピラー脚の再塗装作業が全て終わって綺麗に仕上がりました。一番難儀したパイプとフランジの部分は、パイプの再使用は諦めて新たな材料から作り直したので、綺麗になりました。パイプから外れなかったフランジは、パイプをカットしてから旋盤で残ったパイプ材を綺麗に取り除いてから表面の錆を全て削って落としました。パイプ以外の部品は、全て焼き付けして塗料を固着させたので、簡単には剥がれることは今後はありませんが、また屋外に長期間雨風にあてて放置すれば、元の状態に戻ってしまいます。
970mmのパイプは、塗装だけはしておいて、ジェットヒーターで焼き付けました。この焼き付け方法は、自動車などの焼き付けでも部分的に用いるものですが、きちんと温度を適正になるように配置などを考えないと、焼きすぎて塗料を荒れさせてしまうので注意が必要です。非接触式温度計で表面温度を測定しながら慎重に焼き付けて無事に仕上がりました。
元はこの状態からのスタートだったので、驚くほど綺麗に仕上がったと思います。仮にこの作業を中小の望遠鏡メーカーにやってもらったら、相当大きな費用を請求されるはずです。その費用を考えたら新たな中古品などを探した方が良さそうですが、同じピラーでないとせっかくの名機としての価値が損なわれるでしょう。いずれにせよ、時間と手間がかかった再塗装の作業がようやく終わって納品できるので、ご依頼された方も喜んでくれるでしょう。
今回の塗装作業のついでに作ったのは、このNikon 10cmED望遠鏡の鏡筒バンドに取り付けて他社製品の赤道儀に乗せて使うためのアダプターです。これがあれば、優秀なNikon 10cmED望遠鏡を他の赤道儀に乗せて使えます。ただし、鏡筒がF12と長いので、ある程度の赤道儀でないとマッチしません。
合わせて作ったのは、Nikon 10cm赤道儀の赤緯軸ヘッドに取り付けて、そこにアリガタサドルなどを取り付けて他社製品などの望遠鏡を取り付けて使用できるアダプターです。以前にも書きましたが、Nikonの赤道儀の追尾精度はとても高く、タカハシの上位機種並みに高いものがありますので、赤道儀だけを使った撮影などをするためには必要なアダプターだと考えて作りました。需要があるかどうか分かりませんが、ピラーの再塗装と合わせてご注文いただいたので余分に製作しました。
現在、当店にはNikon 10cmEDの赤道儀とピラー脚の販売できる中古品があります。ピラーは再塗装済みなので綺麗です。赤道儀はウェイトも綺麗になっています。ただしモータードライブは、先日売却してしまったのでありません。ご要望があれば、Nikonの赤道儀を自動導入化する改造ができますが、費用がそれなりにかかります。
今日のオーロラフォーキャストがKP-7と非常に高い数値になっています。これだと北海道でもオーロラが見られそうですが、さすがに今から行って撮影などできません。そんなことができるのは、KAGAYAさんくらいでしょう。多分、ニュージーランドで相当素晴らしいオーロラが出ていると思いますが、それも簡単ではないです。AirNew zealandから10万円のチケットが販売されていますが、対象期間は来年の5月以降です。例え安くてもそんな先の予定までは入られれないですし、来年は6年ぶりに行こうと思っていますが、行くなら3月くらいにしたいです。もう寒いNZは散々体験したので、温かい時期に行きたいと考えています。
ニュースでは、3日夜に太陽表面で大規模なフレアー爆発現象が確認されました。前回8月にオーロラが見られた時より、大きな太陽フレアで、今年最大です。オーロラフォーキャストでも、明日は、KP-7のとても高いアクティビティーレベルですので、5日(土)夜は、天気も良さそうなので、北海道でオーロラが見られる可能性があります。