おやじねこのテレスコ日記

ー八ヶ岳の登山口に住んでいる、テレスコ工作工房の店長のおやじねこが日々の出来事などをタイムリーに伝えています

Solar MaxII 90のFS-128Hα太陽望遠鏡仕様

2020-08-08 17:24:10 | Hα太陽望遠鏡関係


当店で買っていただいた「FS-128NZ仕様」を太陽望遠鏡仕様にするために、CORONADO Solar MaxII 90を取り付ける製作をしました。128mm口径を90mmまで絞ってしまうので、もったいないと考えられるかもしれませんが、星の観測と違って光のほとんどをカットしてHα光線だけを取り出して観測するので問題はありません。今までSolar Maxの取り付け製作は相当こなしましたが、FS-128は初めて作りました。



これまで作った多くのSolar Maxアダプターは、ほとんどがフードを外して対物セルにねじ込むタイプですが、これが最も確実で安心して使うことができます。海外品のようにフードに固定するタイプだと使用中に謝って落下させたりする危険性があるので、当店では可能な限り対物セルに固定する方法で作っています。対物セルに100mm以上のネジを切る必要があるので、この作業は熟練した職人でないと難しいので個人の製作所へ依頼されても一点物だと嫌がられます。海外ではフードに固定するタイプが多いのは汎用性が低く需要も少ないので、ネジを切る必要のないフード固定式を採用しているのだと思います。



今回は、対物アダプターだけでなく、ブロッキングフィルターBF30を装着して使うので、そのまま接眼部に装着しても合焦しないので、接眼部品に組み込むように部品製作をしました。この接眼部分はスケアリング調整機能を持たせてあります。中判ヘリコイドの平面性に不安があるので、撮影時を想定して部品製作をしています。



これで接眼部の部品製作は完了したので、後はご依頼者へお渡しするだけです。製作完了まで1ヶ月以上お待たせしましたが、こういう一点物は既製品ではないので、使われる方の機材環境なども考慮して作るのでかなり面倒です。うちに依頼されるほとんどの方は図面が無い状態で全てお任せで作っています。

CORONADOのSolar MaxII 90-BF15 Hα太陽望遠鏡ですが、実はもう一度入荷のチャンスがあります。今年の1月にMeadeの倒産騒動直後にある程度の数をホールドしてもらっていた最後の商品が今月中に入荷予定です。今回分が事実上最後のSolar MaxII 90になります。現在最後の検査待ちで、それが無事に終われば日本へ向けて出荷されます。これまで何度も最後と言っていましたが、今回が本当に最後です。販売価格も含めて米国での検査が終わって無事に出荷されたらショップにてお知らせ、販売致します。太陽面の活動が徐々に活発化してくるので、これからの太陽面は面白くなってくるでしょう。