11月3日に、今は亡き恩師の三回忌法要に参列させて頂きました。
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http://naniwa-yasai.blog.ocn.ne.jp/ryourinin/2006/11/index.html
今回は20名くらいのごく親しい方々で3回忌法要が行われ、その後移動してお墓参りに行きました。私自身は初めてのお墓参り。ようやく墓前で手を合わせる事が出来ました。生きている自分が頑張る事で、少しでも高橋さんが頑張って生きていた事を伝えたいと思っています。
「高橋さん、お久しぶりです。まだまだ力不足の自分ですが、この一年精一杯自分なりに頑張りましたよ。まだまだ多くの人には私が目指すものや大切にしたいことが本当に伝わって無いかもしれないけど、一年前と違って凄く理解をしてくれて、支えてくれる方々との出会いもありました。そう、皆さん不思議と高橋さんとご縁のあった方々ですよ。」
「今度毎日新聞の農にかける夢というテーマで、毎日農業記録賞の優良賞を頂くことになりました。もちろん、料理の腕を褒められることも嬉しいけど、高橋さんと出会いがあって初めて気がついた農業との繋がりの大切さ。その思いをだけぶつけたら、選んでもらえました。自分と農との関わり方や思いを、このように評価されることは本当に嬉しいです。」
「来年で私もいよいよ高橋さんが亡くなった36歳になります。どこまで高橋さんに近づくことが出来ましたか?せめて、あと一年だけは力を貸してくださいね。」合掌。
その後、帰りに高橋さんのおかげでお付き合い出来るようになった、料理人として、人として私が目標にさせてもらっている上野さんといろいろとお話しさせていただきました。今から考えると、わざわざご一緒してくださったのかもしれません。
ほんとたまになのですが料理の事や、生き方の事、自分では答えが出せなかったりした時にとても大きな助けになっています。今回も日本料理の献立の流れや調味料のことなど、ありがたくお話しさせて頂きました。会話はいつも具体的な話しと言うよりは、禅問答みたいな感じになります。こうやって自分の料理の考えや疑問を聞いて頂き、直接そのことについてお話ししてもらったことは、ほんと私の大切な財産です。
恩師も私のこれからのことを心配して下さっていました。
確かに、今はいろいろな事を行っています。普段の時間の大半は料理に従事していますが、それ以外に料理教室の講師や有能業運動や魚菜の会の運営に携わったり、生産者さんとの交流を深めたり・・。自分自身でも、本当にこれで良いのかと、自問自答を繰り返す日々です。
でも、これら全ては自分が料理人として、一生生きていくために必要な土台だと思っています。美味しい料理を作る事と同じくらい、生産者の思いや現状を伝える事、食の大切さを伝える事、今までの日本の食の文化や歩み、日本人にとっての和食の意義、もっというなら食の世界での料理人の存在について。。
ほんと生意気なことを書いていると思うのですが、数年前には考える事もしなかった事を、高橋さんとのご縁が切欠でたくさんの方々のご支援や叱咤激励で、考えることが出来るようになったのです。料理とは「ことわりをはかる」と書きますが、ことわりとは料理法だけに留まらず、人の繋がりに留まらず、食べる事を通じて感じる生命の循環のことわりなんじゃないかな、と少し考えるようになりました。だから、もっと謙虚に、もっと地道、もっと当たり前のことを大切に出来る人間になる必要があるのじゃないかと。
もちろん、料理を作る時には純粋に美味しく作りたい、喜んでもらえるものを作りたい、一心です。でも、このような考え方をもって、これからも料理人という生き方をまっとうしたいと思っています。まだまだやらないと行けない事、学ぶ事はたくさんあります。
秋の澄んだ空を見上げて、「出来る限り真摯に頑張ります、見守っていて下さいね。」