高麗橋桜花 徒然日記ー料理人はどこまでできるのか ー

「高麗橋桜花」店主・「大阪食文化研究所」主宰森田龍彦のブログです。どうぞご贔屓にお願い申し上ます。

一年が過ぎました

2006-06-19 | 筆者の徒然なるままに

 私がこのブログを書き始めて、今日で1年になります。

 177回の書き込みは、2日に1度の更新になります。よく続いたものだと、自分でも思います。名も無い料理人がこのように厨房を離れて、いろいろな活動をしていることには賛否両論あるようです。応援してくれる人もいれば、もっと地に足つけなダメと批判されることもあります。私自身に迷いが無いかと言われれば嘘になるかもしれませんが、私は自分の選択を信じています。確かに以前と比べれば、厨房に入る時間は少なくなりましたが、より料理の事や食のことを考えるようになりました。そして、本当に自分がしたいと思うことも、少しずつですがつかみかけているような気がします。

 今までは、ひたす美味しい料理も求めて修行してきました。しかし、今は食べた人が食事の素晴らしさや大切さを感じてもらえるような料理を作りたいと思っています。そして、折角大阪で生まれ・育ったのだから、大阪の食文化も大切にしたいと思っています。出来れば、次の世代の人達に少しでも良い形で、伝えて行ければと思っています。そのためには、家庭の食事を大切にしてもらうことや、食育にも今のように携っていきたいと思っています。

 周りを見渡しても、こんなこと考えている料理人は見た事ありません。よほど、苦労が好きなようです。でも、必ず実現したいと思っています。どうせ一度の人生なら、自分のため・家族のため・人のためになるようなことを実現できる生き方をしたいと思うのです。

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食育推進全国大会のお知らせ

2006-06-16 | 農業・食育・食文化について

 今月の24日、ATCホールにて食育推進全国大会というイベントが行われます。

 今回、初めて行われる全国規模での食育のイベントが、大阪で開催されるというのは大変嬉しい事です。

 このような大規模なイベントに、大阪府農業会議さんのブースで、私も微力ですが参加させて頂きます。今回のブースでのテーマは、「農業と教育の連携に向けて」というもので、パネル展示・農産物展示・試食コーナーの設置して、来場者の方にメッセージを伝えていく予定です。

 今回、私が担当するのは試飲コーナーで、大阪府下の生産者さんが作ってくれた野菜を使ってすり流しを作ります。すり流しというのは、野菜などをすり鉢であたったものに、出汁を加えて汁物にした料理のことです。種類は時間ごとに菊菜・胡瓜・トマトの3種類を、少量ずつですが約200前ずつ用意することになっています。

 今回の一番の目的は、野菜の味を感じてもらうことなので、美味しいさももちろんですが、どこまで野菜達も持ち味を活かした料理を作りるかが大切になります。なので、出汁もかつおを使わないですし、調味料も塩や醤油などの基本的なものだけに留めておこうと思っています。しっかりとした下ごしらえと、野菜の組み合わせの妙で、飲んでいただいた方に野菜の味を楽しんでもらおうと思っています。

 折角、大阪で行われる食育のイベントですので、是非多くの方に足を運んで頂いて、食・食文化の大切さを実感してもらえたら、嬉しいです。

 また、当日のイベントのレポートを書きますので、お楽しみに。。

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中国の昆布

2006-06-12 | 農業・食育・食文化について

 出汁昆布を購入しに、こんぶ土居さんへ。

 土居さんについては以前にも書きましたが、天然の真昆布からはとても良い出汁が出て、料理の味の下支えになってくれます。特に、野菜などの繊細な味を活かしたいときには、とても重宝しますね。

 土居さんはつい最近、中国の養殖昆布の視察に行かれたそうです。(もちろん、土居さんがお店で扱うわけではありません。) 中国では昆布を食べる習慣は無いそうですが、見渡す限りの海面が続く広大な場所で、日本から持ち込まれた技術を使い、昆布の養殖は行われていたそうです。しかも人手のかかる作業も、地方の安い人件費を使って大々的に行われる。大資本のもと、多くの人手と・巨大な施設・豊満な自然環境から生み出される養殖の昆布は、日本のものにはまだ劣るかもしれませんが、その圧倒的なコストパフォーマンスは今後の日本の養殖昆布にとって大きな脅威になるに違いないと感じたそうです。

 これは、現在の日本の食糧事情の略図のようなものですね。日本での家族中心の零細な生産に対しての中国のスケールメリット、コストパフォーマンス、技術などの流出。この大きな流れによって、日本国内の食料生産は下降線を描く一方です。

 ほんとうに、これで良いのでしょうか??この問題を解決するような答えをすぐに導きだすことを私には出来ませんが、少しでも現状が決して良い方向に向かっている訳でないことを伝えていきたいと思うのです。私はそれを料理を通じて表現したいと思います。貴方は、どのような意思表示を行いますか。

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テレビ放映後。

2006-06-09 | メディア

 水曜日のムーブで、無事に浪速の伝統野菜の特集が放映されました。

 予想通り、私も一応映りましたが、コメント無しのほんの数秒間。撮影時にうまくコメント出来なくて、どのように放送されるのかドキドキしていたので、コメント無しに逆に少しホッとしました。今回は、伝統野菜とささゆりの里を取材してくれただけで、とても嬉しい事です。

 流石、会の代表の笹井さんは落ち着いていたし、いつも通りに話しておられました。ただ、毛馬胡瓜の生産者さんのコメントに、甘いとか・果実のような風味、みたいなことを言っていたけど、それは少し大袈裟だし、もっと別の毛馬胡瓜の特長があるだろうに、と思いました。

 伝統野菜にしても、有機栽培の野菜にしても、野菜は野菜なのです。作り手や保存方法、調理の仕方で、全然変わってきます。マスコミ向けに美辞麗句を並べることは簡単なのかもしれないけど、もっと本質的なことを伝える事が出来ないと意味ないです。

 前にも書きましたが、別に有名人になりたいとは思わないけど、正しい事はちゃんと知って欲しいと思います。私は、それが知りたくて自分の足を使っていろいろなところを訪ねたり、学んだりしています。そして、学ばねばならないことはまだまだあります。変な情報を流されるくらいなら、自分が伝えることをしたいと思っています。そして、その表現方法は、料理人の私にとっては「料理」なのです。

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親子料理教室と食育のイベント

2006-06-07 | 農業・食育・食文化について

 昨年もまんでい会の一員として参加させて頂いた親子料理教室のイベントが、今年も行われます。

 まだ、正式な発表や募集はまだのようですが、今年は10月1日に開催される予定となっています。まんでい会に入ったきっかけがこの親子料理教室だったので、私にとってとても感慨深いイベントなのです。初夏を迎えて、入会してからあっという間の1年で過ぎようとしています。

 今回も和食の料理人が集まって、何を作って頂くかいろいろと思案中です。確かに、無難で定番のお料理を作ってもらうと楽なのですが、はやり折角プロの料理人がそばで教えるのだから、何か驚きや感動のある料理を体感してもらいたい。そして、子供達が体験を通じて少しでも食に関心を持ってくれたらバンバンザイなのですが・・。さて、今年はどうなるでしょうか。

 

 今月24日に、大阪で第一回食育推進全国大会が行われす。

大阪でこのような全国規模の、しかも食育に関してのイベントが行われることはとても嬉しい事です。そして、光栄なことに、そのイベントに私もわずかながら参加させていただけることになりそうです。詳しい内容はまだ公開できませんが、ちゃんと告知できるようになったら、また書かせて頂きます。今のところ、大阪府下産の野菜を使って、何か料理を作る事になりそうです。

 ブームや流行でなくて、本当に文化として食や食育が多くの方に下支えしてもらえるように、料理人として出来る事を実践していきたいなと思っています。

 

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