高麗橋桜花 徒然日記ー料理人はどこまでできるのか ー

「高麗橋桜花」店主・「大阪食文化研究所」主宰森田龍彦のブログです。どうぞご贔屓にお願い申し上ます。

板持まくわと毛馬胡瓜

2005-07-23 | 料理日記

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DSCN1041今日は浪速野菜の板持まくわと毛馬胡瓜の紹介です。まくわはにはいくらか種類があり、黄色のものや緑で楕円やかぼちゃのような形をしたものがあります。黄色のものは甘みが強く甘味として、緑のものは漬物に使われることが多いようです。 実際に板持まくわを切ってみるとメロンと同じ、甘い芳香が広がります。肉質はしっかりしていて、甘みメロンよりは抑え目です。全体的に今の果物は糖度がかなり高く、またそういう需要が多いので、その点からいうと少し物足りないかもしれません。その代わり、風味がしっかり感じることがのがまくわの良いところです。
  まくわの手前に見えるのが、熟した毛馬胡瓜です。これは半分の長さで、全長は30センチはあります。以前にも、料理の仕方は書いたので、よかったらご覧ください。前回の経験を生かして、今回は出汁にかつお節を加え、鶏肉もタナカファームさん の骨付の鶏肉を使用しました。毛馬胡瓜の味がしっかりしているので、出汁もしっかり作らないと美味しくなりません。風味が強いので、それをより活かすことが大切になってきます。

  大袈裟かもしれませんが、このような伝統野菜に接していると時代や野菜・嗜好の変化を凄く感じます。一度は姿を消しかけた伝統野菜は、今の野菜にはない風味やクセがあります。そこに何かノスタルジーを感じるのです。昔の野菜が何か忘れかけたものを、思い出させてくれるような気がします。浪速魚菜の会の笹井さんがおっしゃっていた「浪速野菜を通しての発見・成長」という言葉が思い出されます。

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まんでい会と遊山とわたし

2005-07-21 | 筆者の徒然なるままに

  きょうは「まんでい会」の集まりに参加しました。まんでい会はかの有名なドミニク・コルビ氏が代表を務め、「ながほり」の中村氏をはじめイタリアンやフレンチ・和食・中華など、大阪を代表する凄腕の料理人の集まりです。ほんとに凄すぎて、いつも緊張しっぱなしです。こんな凄いメンバーで何をしているかと申しますと、「食育」の活動なのです。びっくりでしょ。告知前なので詳しいことはあまりいえませんが、今度の9月にまんでい会が中心となって親子料理教室を行ないます。すこしでも「食」に対して興味をもってもらうことと子供の笑顔が見たいというのがこの会の趣旨です。私も和食の部門で参加させて頂きます。いつも緊張と感謝の気持ちでいっぱいのまんでい会です。また、レポートしますのでお楽しみに。
  
 さて、このまんでい会でも縁を強く感じることがありました。初めて参加させて頂いたまんでい会に、私が料理人の道を歩む大きなきっかけを作っていただいた方がおられました。その方こそ遊山のマスターです。マスターは私が卸の肉屋に勤めていたころの得意先様だったのです。もうずいぶん前の話ですが、そのころから焼肉屋というジャンルを飛び越えた、焼肉の本場生野でもひと際光った存在でした。勿論、仕入れていた素材も一級品ばかり。(たぶん、肉の質は大阪で指折りの良さだと私は確信してます) そのマスターに紹介していただいた修行の場が、マネーの虎で有名になった小林社長の「庵」でした。(マスターご自身もこちらで腕を振るっていたそうです)
 最初はほんとにキツかったです。地位が上がれば、倍しんどかったです。でも、あの時のしんどい経験や仲間との切磋琢磨がなければ、絶対に今の自分は無いと思っています。また、のちに私は本格的に和食の道に進むのだけれど、創作という名の下に集まったいろいろなジャンルの腕利きの料理の先輩と一緒に仕事できたのは、私の大きな財産となっています。こんな「虎の穴」の放り込んで頂いたマスターには、ほんとに今でも深く感謝しています。あの時も紹介してもらったマスターに恥をかかせたくないと思って頑張りました。今回のまんでい会もその気持ちでいっぱいです。まわりの偉大な先輩に少しで近づけるようにがんばります。

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浪速野菜と自然卵養鶏の農家を訪ねる

2005-07-20 | 生産者訪問

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 この日は長男と二人でお出かけです。大阪有機農業研究会主催の勉強会に参加しました。場所は大阪府南河内郡河南町上河内 葛城山麓です。午前中は、浪速野菜を栽培している森口農園さんを訪問しました。森口さんの野菜は漬物屋さんとの契約栽培で、毛馬胡瓜・天王寺蕪・玉造黒門越瓜・勝間南京を作ってらっしゃるそうです。残念ながら契約栽培・収穫直後ということもあり蕪などは実際に見ることが出来なかったのですが、勝間南京など実際になっているところを見れて、よかったです。また、契約栽培とは別に栽培している胡瓜や甘長唐を食べさせて頂きました。大切に育てられた、新鮮な野菜はすごく瑞々しくて、風味豊かでした。
 その後,タナカファームへ移動し、昼食を取りながらタナカファームの田中氏や大阪有機農業研究会代表の尾崎氏から養鶏や有機などについてのレクチャーをうけました。タナカファームのHPをご覧いただければ、そのこだわりを感じていただけると思います。一番、感じたのが臭いです。平飼いなので、鶏達は自由に飛びまわり、糞もしているのですが悪臭は一切ありません。糞も実際ににおわして頂いたのですが、全然臭くなかったです。 皆さんは、有精卵ってどんな卵か知っていますか?ほとんどの卵の場合は狭いゲージの中で飼われ、雌は自力で卵を産みます。有精卵は雄との行為により、産まれた卵です。100羽強の雌を、6羽ほどの雄で対応しているそうです。餌を食べるときも雄は雌から先に食べさすそうです。人間とえらいちがいです。 また、出産率の悪い鶏は他の鶏からいじめられ、最悪の場合は死に至る事もあるそうです。もちろん、そうならないように田中さんはこのような鶏ばかりを別の場所に移し、回復するまで隔離しておくそうです。養鶏とはいえかなりシビアなものがあります。でも、これも本来の自然に中では当然のことなのでしょう。 更に、田中さんは平飼いとゲージの中で育ったものの両方を裁いて、比べて見せてくださいました。 外観で大きく違うのは鶏冠です。ゲージのものは大きくブヨッとした感じですが、平飼いのほうは小さいながらも張りがありました。肉質もゲージのほうは、色もぼやけた感じで、脂もかなり固まってついており、においもキツかったです。 笹身の食べ比べをさせて頂きましたが、噛み応えや味の濃さは比較になりませんでしたね。

  今回、このようにとても貴重な出会い・経験をさせていただいて、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。尾崎氏や田中氏のように、こだわりを持ちながら物を作るというのは、本当に至難なことだと改めて思いました。ただ、今の食文化が過渡期を向かえているのは疑いのない事実です。今の有機農法が只の流行やブームで終わらないよう、また次世代の子供たちに少しでよい環境を残してあげたいという気持ちはより一層強くなりました。

 最後に尾崎様・田中様をはじめ、乗車させて頂いた植木様、世話人の木村様ほか温かく迎えてくださった皆様には本当に感謝しております。本当にありがとうございました。

  

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ベジフル 「この後の農業とは」

2005-07-18 | 農業・食育・食文化について
  16日は今度担当させて頂くベジフルの「大阪地野菜の浪速のパワーで夏バテをとばそう!」の打ち合わせの後、福井理事長の講演会に参加しました。 今回は「マーケティング型農業」です。 
 今の日本の食べ物の自給率は40%くらいしかありません。農水省の統計によると、2001年度の田畑の生産者さんは300万世帯ですが、2010年には170世帯に減少するそうです。しかも、数字は75歳まで働くと仮定したものです。確かに高齢になられても頑張ってらっしゃる生産者さんを知っていますが・・。しかも、現在でも50%以上が60歳を超えるという状況にあるそうです。 福井理事長は、このような状況とともに、生産者さんのハイリスク・ローリターン(天候不順による損害はすべて生産者が被り、輸入品の増大による価格低下による売値の低下)の解消を強く望んでおられるのです。その解消の方法の一つとして、生販一体(生産者さんに合わせてマーケット)の形つくりを考え、その一つの形として立ち上げたのが以前にも紹介した「野菜ソムリエの店 EF:(エフ)」です。福井理事長は、自身の目標・課題の一つである「次世代に農業を継承する」についての現状や問題点を講演してくださいました。
 続いて、今回は特別にベジフル協会のシニアパートナーの松野貞文氏のお話を聞くことに恵まれました。限られた時間の中、松野氏からは長野県川上町でのレタスへの取り組みを一つの例にあげて、「子供・孫にも安心して食べてもらえる野菜」の流通への取り組みを語って頂きました。

  ベジフル協会では、「野菜」に関して多方面からのアプローチが行なわれいます。ただ、資格を取るだけでなく、このような取り組みに少しでもお役にたてれば、と思いました。  「食」の自立ー本質の追求を決してブームだけで終わらせないようにし、次世代に繋げていきたいと強く思うのです。

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夏の野菜ジュース

2005-07-17 | 料理日記

 前回に引き続き、野菜ジュースです。 今回は冷え対策です。

夏の冷房に負けないかぼちゃのジュース‐かぼちゃ120g・人参100g・りんご150g・しょうが少々・レモン汁1/2分
 
 作り方  かぼちゃ・人参は皮を剥いて、レンジで温めて柔らかくした後、冷ましておく。りんごは小さめに切っておく。材料をすべて入れて、ミキサーにかけてなめらかになれば完成です。 前回に続き、これまた簡単ですよね。。

 少しこだわる  しょうがはチューブではなく、ちゃんとおろし金ですってくださいね。少し時間のあるときに、まとめてすり、薄くのばして凍らせてください。こうすれば、必要な量だけ割って使えます。香りもチューブなどよりもかなり良いです。このジュースに牛乳や豆乳などを入れると舌ざらりも良くなり、栄養価も高まります。このレシピは、あくまで基本です。人により好みが異なりますので、自分好みにアレンジするのが一番のこだわりかもしれません。

 栄養  かぼちゃは冷えで崩れたバランスを整えるためのビタミンEが豊富で、人参もカロテン・ビタミンCが多く含まれています。しょうがには殺菌作用のあるジンゲロンが含まれてます。このジュースに牛乳や豆乳などを入れると飲みこしも良くなり、栄養価も高まります。

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