古稀の青春・喜寿傘寿の青春

「青春は人生のある時期でなく心の持ち方である。
信念とともに若く疑惑とともに老いる」を座右の銘に書き続けます。

これから世界はどうなるか

2016-11-11 | 読書
米国の大統領選挙意味するものは何か。今年6月の英国のEC離脱も世界を驚かせましたが、それ以上の衝撃を世界に与えているようです。米国は世界のリーダーの座を去ろうとしています。
トランプの発言を聞いていると、経済のグローバル化に賛同していない。英国のEC離脱もグローバル化への抵抗でした。
一体世界はどうなるか?考えてみようと、孫崎亨著『これから世界はどうなるか』(ちくま新書2013年4月)を大学図書館で借りてきて、読んでみました。
最初、目を惹いたのは以下の2012年7月の孫崎さんのツイッターです。
 『アフガニスタンを除いて今外国軍に一番駐留されている国はどこですか。日本です。米軍海外基地(財産価値で)の3分の1以上が日本にあります。
 外国軍に一番貢いでいる国はどこですか。日本です。米軍の全海外基地の接受国負担は日本が半分以上です。
 外国軍のために自国の首都上空を自由に使えない国はどこですか。日本です。
 外国軍の兵器配備について、何も言う筋合いはないというのは、どこの国の首相ですか。日本の野田首相です。』
なぜ、こういうことになるのか。
世界を統治するのはアメリカであり、従って米国についていきさえすれば道を誤ることはない。そこで日本の針路を自分の頭で考えることを止めてしまっているのではないでしょうか。孫彩さんはこうも言います。
『日本の財務省首脳や財界の首脳は、誰と一体感を持っているのでしょう。日本人として「国民と一体であり、共通の価値観を持っている」と意識しているでしょうか。それとも、米国を中心とした金融関係者と共通の価値観を持っている」と思っているでしょうか。彼らの言動を見ていると、後者だと思わざるを得ません。』
一番大事なことは、世界は今後いろいろ変わっていくだろうが、戦争に巻き込まれることは絶対に避けるべきである、ということ。
 ところが、アメリカほど戦争の好きな国はない。第二次世界大戦後、朝鮮、ベトナム、アフガニスタン、イラクと次々戦争を繰り返しています。
 本書の中で次の言葉も印象的です。
『戦争はどういう時に起こるか。歴史を見れば、ナンバー・ワンがナンバー・ツーに追い抜かれるときです』(ジョセフ・ナイ)
中国のGDPは、購買力平価で換算すれば、既に米国を抜いているそうです。今まさに米国はナンバー・ワンの座を失いつつある。
ですから、『何も考えずにアメリカについて行くのは、とても危険!』というのが本書の結論です。

最新の画像もっと見る