古稀の青春・喜寿傘寿の青春

「青春は人生のある時期でなく心の持ち方である。
信念とともに若く疑惑とともに老いる」を座右の銘に書き続けます。

バブルは繰り返す

2008-09-18 | 経済と世相
 リーマン・ブラザーズが倒産したり、メルリリンチがバンクオブアメリカに買収されたり、世界は大騒ぎのようです。

10年ほど前、負債規模は違いますが、山一證券や北海道拓殖銀行の経営行き詰まりがありました。昔は、アメリカで起きたことは、何年かあと、日本で起きると言われたものです。ところが、今回は、日本で起きたことが10年後アメリカで起きるという出来事でした。日本は何時からアメリカに先行するようになったのでしょうか。

振り返ってみると、日本のバブル崩壊後、今日の米国のサブプライム問題に至るまで、世界各地で、バブル発生と崩壊が繰り返されています。

1997年のタイバーツ暴落に端を発した東アジヤの通貨危機、98年のロシヤのデフォルト危機をきっかけとしたヘッジファンドLTCMの破綻、2,000年前後の米国のITバブル、その後が住宅バブルという具合に、バブルと通貨・金融の危機が繰り返されています。

以前メールしたことがありますが、通貨の取引量が貿易決済に必要な量の100倍にも達するようになったことが、こうしたバブルの発生と無関係ではないと、私は思います。

通常の生産物やサービス取引に使われる通貨量以上にお金が出回れば、余ったお金は何に使われるか?お金は、ほうっておけばお金持ちの所に集まります。その時、お金持ちは、集まってきた金を自分の家の金庫に積んでおくことはしない。お金持ちは、通貨の価値は常に変動していて、多くの場合インフレで減価すると思っている。そこで、お金の価値を減らさないため、有利な投資対象を鵜の目鷹の目で探す。

これが儲かりそうだとなると、お金持ち皆が「買い」に殺到する。これがバブルの発生です。通常の品物の取引は、値段が上がると買い手が少なくなり、またつくり手が増産する。そうなると、価格が下がって、適当な値段に落ち着く。ところが、投機の場合、たとえば株式を考えれば分かるように、価格が上がると「もっと上がるだろう」と買い手が増え、価格が下がると「もっと下がるだろう」と買い手がいなくなる。適切な価格に落ち着くと言うことが起こらない。

上がるところまで上がって、「いくらなんでもこれは高すぎる」と皆が思うようになって、突然下落してバブルが崩壊する。

これに、金融の問題が絡んでくる。銀行も、預かったお金を金庫の中で積んでおくだけでは、預金者に利息を払えない。銀行も投資対象を探す。ところが、通貨量が適切なうちは、投資対象を探すが、何しろ通常取引の百倍も通貨量が増えたら、投資だけでなく投機対象を探す。そこで、銀行のリスク資産が増えすぎるのを規制するため、自己資本規制とか貸倒金積立などのルールが定められている。

ところが、米国では、証券分割のテクニックが進歩して、貸付を担保とする証券を発行して売り出すようになった。この証券で売った分はリスク資産から外されるため、上記の規制がしりぬけになった。気がついてみると、続々発生する不良債権に引当金がない。

銀行が危なくなると、政府は公的資金と称してお金をつぎ込む。庶民には想像もつかないような大金がつぎ込まれる。それだけ通貨量が増える。その時の危機は乗り越えられても、次のバブルを引き起こす原因になる。かくてバブルは繰り返す。

以上は、素人の議論で間違いもあるかもしれません。しかし、問題の根本は違っていないのでは?と思います。

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