古稀の青春・喜寿傘寿の青春

「青春は人生のある時期でなく心の持ち方である。
信念とともに若く疑惑とともに老いる」を座右の銘に書き続けます。

資本主義のルール

2007-04-17 | 経済と世相
 図書館の雑誌をのぞいていたら、「自動車のバイオ燃料の普及と食料価格の上昇」を論じた記事を見つけました(世界3月号「食べるのか燃やすのか」石弘之氏)。以下、その一部です。
 【今年に入ってメキシコ各地で、トウモロコシの値上がりに抗議するデモが相次いでいる。この粉を練って薄く焼いたトルティーヤは、メキシコ人のもっとも重要な主食だ。國際相場の高騰のあおりで、地域によってトルティーヤは6割も値上がりした。現地からの報道では、市民の間から「エタノールをつくるために、米国がメキシコから大量に輸入したのが高騰の原因」という非難の声が上がっているという。】
 【こうした穀物価格の値上がりは、他のエタノール原料におよんでいる。・・・
 砂糖は長い間、価格低迷の代名詞であり、欧米日などは巨額の補助金で国内価格を支えてきた。だが、世界のサトウキビ生産量の10%がエタノールに回されただけで、砂糖価格は跳ね上がった。砂糖相場と原油価格との連動性が強まり、今後は消費者への影響が広がりそうだ。】
 【食用油も10年ぶり高値圏にはいった。スーパーなどの特売品のスターだった食用油は、店頭価格も値上がりしそうだ。ナタネ油の価格高騰で、これを原料に使っているマーガリン、マヨネーズ業界は価格の見直しを検討している。
 05年の世界のナタネ油生産量は約4600万トンあったが、その半分はバイオ
デイーゼル燃料に回されたとみられる。日本は世界最大のナタネ油の輸入国である。】
【日本は世界最大のトウモロコシの輸入国で、その95%までを米国に依存している。 飼料のトウモロコシが値上がりすれば、さまざまな食品が値を上げることになる。しかも、トウモロコシの作付け拡大に伴って、やはり日本が大きく依存している米国の小麦や大豆の作付面積が減少している。日本は食料や飼料の安定輸入を維持する戦略の見直しが、緊急課題だろう。】
 【原油が高止まりして、このままバイオ燃料の需要が増え続ければ、小麦、トウモロコシ、砂糖、食用油などの価格が上昇して貧困層を苦しめることは間違いない。そして、穀物価格が危険水準にまで高騰すれば、裕福な乗用車所有者と飢えた人々の間で、早晩食料の奪い合いに発展する可能性は高い。現時点で前者は6億2000万人、後者は8億5000万人である。米国で年間にエタノールに回されるトウモロコシだけで、世界の1億人が食べるのに十分な量だ。】
 この問題は16日NHKのクローズアップ現代でも取上げられたようですが、この私のメールは、「食べるか燃やすか」という問題ではなく、次の問題意識からです。
 資本主義のルールは、食料がなければ、お金を出して買ってくるのは正しい行為
で、食糧生産者にも感謝される。しかし、それによってお金を持たない食料生産国の貧困者が、食料を入手できなくて餓死者が出たとしたらどうか!今言ったように、資本主義のルールでは問題ない!
 本当に問題ないと言えるか?資本主義のルールがおかしいという人々が出てきた
時、それを説得できる論理を、資本主義社会は持っていないと思うのです。
 この意味で、日本の自給率40%は極めて危険な水準であり、
資本主義のルールは過信すべきでない思うのです。

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