古稀の青春・喜寿傘寿の青春

「青春は人生のある時期でなく心の持ち方である。
信念とともに若く疑惑とともに老いる」を座右の銘に書き続けます。

この国はどこで間違えたのか(2)

2013-04-29 | 読書
米中関係と日米関係
T:もし戦後のアジヤで、蒋介石が本土中国の政権をがっちり掌握し続けていたら、日本お戦後復興は30年後にずれただろうといわれている。なぜかというと、戦勝国の中国と戦勝国のアメリカがアジヤを仕切って、アメリカの投資も支援もまずは本土の中国に向かい、日本に回ってくる余裕など30年遅れた。ところが中国は二つに割れた。その瞬間です、日本の戦後復興のシナリオが見えてきたのは。
 日米関係は日米だけでは完結しない。中国と言う要素が絡み合っている・・・
アメリカ型資本主義の世界化がグローバル化であると位置づけられた時代
T: 94年からアメリカが日本に対して「年次改革要望書」というのを出し始め、その行きつく先が、・・・・・国民の多くが興奮していた小泉構図改革というわけ
いま、アメリカの経済誌に、「アメリカは社会主義の国になったのか」という嫌味なフレーズが飛び交っています。あれほど資本主義、至上主義の総本山だった国が結果的に、政府が金融に公的資本を突っ込んで制御せざるを得なくなった、と。栄光のアメリカの20世紀における発展を後押ししたゼネラルモーターズでさえ政府が支えざるを得ない。「GMはガバメント・モーターズか」と皮肉を言われるくらいの状況になってしまった。
T:本当の意味のグローバル化とは何か。アメリカ型資本主義の世界化がグローバル化であると位置づけられた時代はとっくに終わっています。いまの時代は全員参加型。たとえば、アフリカの存在が非常に重要な意味を持ちつつある(これについては、後日詳説する)。
世界経済の今後
T:いま世界経済の悩みはまた過剰流動性なんですね。・・・行き場のない過剰流動性と言われるお金がどこへ向かうかによって、石油価格、エネルギー価格が乱高下するという構図の中にはまりかけているのが現下の状況です。
S:金融資本主義というのは、言ってみれば、絶えず偽札を刷っているようなもので、実需に基づかない仮需を膨らませる妖怪経済でしょう。
T:日本はUAE・アブダビの原子力プロジェクトで韓国に敗れました。ベトナムの原子力プロジェクトでロシヤに敗れました。一方、南米ではテレビ放送において日本の地デジ方式が続々と採用されている。ブラジルもベネズエラも日本方式を採用してくれた。これは昨今の日本としてはめったにない話なんですね。日本はあらゆる面でグローバルスタンダードに乗り遅れたと言われてきた状況下で、日本方式が採用されているというのは、ありがたい話・・ところが、ワシントンへ行って米州開発銀行の人々と話しているとわかるんですが、中南米の反米感情が、アメリカの技術だけは採用したくないということになり、漁夫の利が日本にまわってきているという面がある。・・ところが肝心のテレビの受像機では韓国に席巻されている。
 ここで注意深く認識すべきは、近隣の国に押し負けているという被害者意識では前に進めないということです。昨年、中華圏(通語句、香港、シンガポール、台湾)と韓国に対し、7.2兆円の輸出超過になっています。日本の中間財、つまり部品を買ってくれていて、それを埋め込んだ最終製品を世界に輸出し、それらの国々が繁栄する構造になっている。・・・近隣を窮乏化させて日本だけが繁栄する構図よりよほどいい。
T:日本と言う国はかつて1億総中流幻想を持っていたのに、気がついてみたら21世紀に入ってからの10年間で、労働人口の34%が年収200万円以下という途方もない国に変わってしまった。
結論として
T: 自分の頭で考える力のある人間がリベラリストなんです。
以下、小生の感想です。
日本の今の政治家は、リベラリスト(自分の頭で考えている人)のだろうか。そして本当に日本が主権を回復したと考えているのだろうか。
 中国は香港やマカオを99年で返却させた。沖縄の基地は既に68年、はたして99年で返ってくるのだろうか。国内に広大な基地が存在し、その基地内では米国法が日本の法に優先する状態(沖縄国際大でのヘリコプター事故では、基地外であったのに、米軍は日本の警察を排除した)で、どうして主権が回復されたと言えるのか。
 沖縄の基地が返還されずに日本の戦後は終わらない。主権の回復もない。