古稀の青春・喜寿傘寿の青春

「青春は人生のある時期でなく心の持ち方である。
信念とともに若く疑惑とともに老いる」を座右の銘に書き続けます。

高齢者の血圧

2013-04-22 | Weblog・人生・その他
「高齢者の血圧」について考えていたことがありましたが、これについて文藝春秋5月号に松本光正さんという医師の寄稿がありました。要旨は、
『上が140、下が90を上回ると、すぐに「高血圧症」と診断されて、降圧剤を飲むことになる』
 私も、若先生から(というより先代の先生から既に)血圧の薬を処方され、 アムロジピン錠1錠を一日1錠飲むように言われています。血圧は、大体140~160(下が70~90)、と言っても測るときによりかなり変動し、たとえばプールを上がった時点で測ると120前後になります。
 加齢すれば、ある程度血圧が高くなるのは当然で、そんなに高いわけではないと、自分では思っていましたが、「飲んだ方がいいですよ」というかかりつけの先生のアドバイスですから、言われたように飲んでいるのです。
『降圧剤を服用しているのは約3000万人、70歳以上では半数以上が服用している』そして、『血圧とは、心臓によって送り出された血圧が血管の中を通るときに、血管壁にかかる圧力のことです。心臓が血液を送り出す力は、血管の硬さや血液量によって決まります。人間。年をとると血管も狭く、硬くなるので、心臓は体の隅々まで血液をいきわたらせるため、より強い力で血液を送り出します。その結果、血圧があがる。つまり高血圧とは加齢現象なのです。
 高血圧は単に血圧が高いという状態をさしているだけで、高血圧は病気ではありません。
 』
『ですから以前は、「年齢+90」が高血圧の基準だと現場では考えられ、60歳以上で上が150までは問題にならなかった。
 ところが現在は70代でも80代でも診断基準値は140です。これは少し乱暴なのではないでしょうか。』
 ここまでは、漠然とですが、私も思っていたことでした。ところが次の記述で、「そうか!」と気づきました。
『脳卒中は大きく三つに分けられます。脳の血管が破れる「脳出血」(以前は脳溢血ともいいました)。次に、脳の血管が詰まる「脳梗塞」、そして「くも膜下出血」です。
 このうち高血圧が主に関係しているのは脳出血です。かつては多かったのですが、昭和40年代以降は栄養状態の向上や、機械化による労働の軽減もあって急激に減少しました。逆に脳梗塞は急激に増加し、現在は脳卒中患者のうち、84%が脳梗塞。脳出血はわずか13%というデータがあります。
 脳梗塞は血管が詰まる病気ですから、血液を送り出す力を強くして、血管内のゴミを流すことが必要です。しかし降圧剤を服用すると、ゴミが流れにくくなり、脳梗塞のリスクが高くなります。
 これは実証データもあります。東海大学医学部の大櫛名誉教授が、1999年から2007年に、福島県郡山市に住む男女4万人を対象に行った調査によると、収縮期血圧が180以上の群では、降圧剤を使った人は使わなかった人に比べて、脳梗塞などの死亡リスクが5倍にも高まったというのです。
 とはいえ、極端な高血圧を放置しておくと、血管や心臓に負担をかけますし、脳出血のリスクもあります。改善するに越したことはないのですが、降圧剤に頼るのは間違いです。
 重要なのは血圧が上がる原因を知ること。』
 つまり、「血圧が上がるのは理由(原因)がある。原因を放置して、降圧剤で血圧を下げてもダメだ」というのです。
「そうか!」と気づいたのは、
① 血管に詰まったゴミを洗い流すべく、血圧を高めるれる体力が必要。
② 降圧剤を服用していても、脳梗塞の起きる確率が下がるわけではない。その確率は加齢とともに確実に高まる。