古稀の青春・喜寿傘寿の青春

「青春は人生のある時期でなく心の持ち方である。
信念とともに若く疑惑とともに老いる」を座右の銘に書き続けます。

麻生首相:私の時評

2009-06-17 | 経済と世相
麻生首相の人気が急落しています。

5日の毎日新聞に「首相、一体何がしたいのか」という、記者の署名入りの記事が掲載されていました。

【首相は、自ら言った厚生労働省の分割論、事実上2週間で撤回した。・・・一度示した分割案を形成が悪くなるや「こだわらない」と否定したのには驚いた。・・(中略)・・・「こだわらないなら最初から口にすべきでない」(民社党森参院議員)のである。

首相のぶれは、就任直後から続いている。民主党の鳩山代表から「ぶれ続けている点でぶれていない」とまで言われる始末だ。・・・・

一連の言動に共通しているのは、いったん決断したように語ったことでも、与党内で反発を受けた途端、あっさりと撤回してしまったことだ。ぶれるのはともかく、「では、一体何がしたいのか」という点がさっぱり伝わってこず、すべてが「政権維持のため」としか映らない。・・・・

「何がしたくて首相になるんじゃない。首相になるのが目的の人だ」。自民党幹部はかつて麻生氏をこう語った。しかし、麻生氏も、政権維持のためなら何でもしてきた自民党という土壌が生み出した政治家の一人に過ぎない。党内にはまたぞろ「選挙の顔」を替えようとする動きもあるが、そろそろ自民党自体が賞味期限切れを迎えていることを自覚すべきではないか】


まさに、私の言いたいことを代わって言ってもらったような記事です。

麻生さんは、総理になって何かをしようと言うのでなく、「総理であること」が嬉しくてならない人です。

就任以来の首相の意思決定、「どうして麻生さんは、こうした決定をしたのか?」を考えるとき、「一日でも長く自分が総理を勤めるには、どうすれば良いか?」を基準に判断したと考えると、実に良く分かる(総選挙の先送りもそうだ)。

今回の「鳩山大臣更迭」も、「自分が総理を続けるには、西川、鳩山どちらを切るべきか?」で決めたのだと思います。西川を切れば、小泉チルドレンが騒いで、衆院の3分の2が確保できないから、政局になる、と考えた。

執筆者の書いたように、そもそも自民党は、何かの主張を実現しようという政党でなく、政権の座にあること自体を目的とした政党で、政権を得るためには、社会党とも手を組む政党でした。その政党から、「総理であること」だけが目的の総理が出ても不思議でない。

社会党と組んだ時は、自民党にとっては、うまく行きましたが、今回は、うまく行きそうにない。まさに、賞味期限切れらしい。