古稀の青春・喜寿傘寿の青春

「青春は人生のある時期でなく心の持ち方である。
信念とともに若く疑惑とともに老いる」を座右の銘に書き続けます。

私の時評 2

2009-04-22 | 経済と世相
ロナルド・ドーアさんが4月19日の中日に寄稿しています。

まず、竹中・小泉路線の失敗について

【「麻生政権は規制改革に再び火をつけ、危機を乗り切るための展望を示すべきだ」と、日経新聞9日の社説がいう。そのような竹中・小泉路線亜流の声は依然として高く響く。しかし、幸いにして、政府は「転向」してきた。供給面の規制を撤廃するより、総需要刺激こそが景気対策として必要だという結論になった。その「悟り」が、2003年、輸出繁盛、消費停滞の時代が始った時に得ていたならば、今ほど酷い状態になっていなかったかもしれないが、とにかく、泥縄の嫌いがあってもめでたい、めでたい自覚だ。】

(現在の経済の苦境が、小泉政権の失政にあることを、総括する政治家はいないの?)



次に、雇用対策の優先度について

【失業対策として、失業者の住宅支援、訓練費の補助、雇用調整助成金、介護職員の待遇改善など、厚生労働省の役人さんたちはいろいろと工夫を練った。その努力をけなしたいと思わないが、もし私が切られた派遣労働者だったら、危機対策の予算配分を問題にするだろう。56.8兆円のうち、雇用対策費(国費、事業費も含めて)は4.4兆円、金融対策費はその10倍の44.8兆円である。その数字を見て、失業者たちは「麻生政権の関心の優先順位がそんなものか」と怒るだろう。】

(私は、予算の中身のチェックをしていないので、金融対策が雇用対策の10倍かどうか、確認はしていないのですが・・・)

更に、所得分布の不平等化の進行は、制度改革が与かって大きい。

【当面の問題を超えて、例の「20年来の所得分布の不平等化傾向」も忘れてはならない。その傾向の説明は複雑だが、意識的に制度改革による分が大きい。派遣事業の解禁・拡大や企業管理職の給料決定システムなどの変化。他の先進国でも、特にアングロサクソンの国でも、同様な制度変化、不平等化が見られる。】

(製造業での派遣労働は認めないとする以前の法律に何故戻さないのか?)

最後に、何故日本では所得再配分(税金の主要な機能です)が、政策の論点にならない?

【しかし、他国に比べれば、日本で不思議なのは不平等が政党政治の重要な軸にならないことだ。・・・よその国で、貧困・再分配の問題が政治論争の主要軸になるのに、日本ではそうならない。

いたるところで、フリーター組合を作ったり、不当解雇を法廷で争ったりする草の根の抵抗が起こっている。ところがそれに手を伸ばしているのは、民主党支持の連合ではなくて、体制外の全労連である。その不満をくみ上げて地方の政党支部にその人たちを組み込もうとしているのは、今度天下を取るつもりでいる民主党でなくて、共産党だけである。

なぜだろう。】