古稀の青春・喜寿傘寿の青春

「青春は人生のある時期でなく心の持ち方である。
信念とともに若く疑惑とともに老いる」を座右の銘に書き続けます。

ドーアさんも言っている

2008-01-22 | 経済と世相
 ロナルド・ド-アさんが、20日の中日新聞に面白い寄稿をしていた。
 株価の暴落について、日経新聞の記事【一時、日本の構造改革、企業統治改革に期待を寄せ、日本がグローバルスタンダードに近づくと見込んで投資してきた機関投資家の多くが、結局たいした改革にはならないと判断し幻滅して逃げようとしているからだという。】について。
【ラザード・アセット・マネージメントを例にとる。06年の夏、王子製紙が北越製紙の敵対的買収を発表し、・・・日本への投資を1000億円まで増やした。だが、その経営者の一人は「改革への希望を持った我々はうぶだった」と振り返るという。その後、王子製紙は失敗し、多くの企業が改革どころか、持ち合い関係を構築しなおそうとし、敵対的買収への防衛策を取り入れた企業は四百にも上ったりしているからだ、と。
 ラザードに見捨てられて悲観するのは当然だろうか。むしろ、日本の株式市場がアメリカ投資家に支配される度合いが少しでも減ったと喜び、従業員など、株主以外のステークホルダーを大事にして、短期の利益より企業の長期的利益を図ろうとする良心的経営者が、株主の利益だけを考える敵対的買収者に乗っとられる可能性が少しでも減った・・と安心感を覚える日本人はもういないだろうか】
【「うちは、外資系株主が4割」「そうか、俺のところは5割に近いぞ」という社長たちの威張りあいは、私の耳には実際入ったことはないのだが、そういう心理が働いていなければ、世の社長さんたちは毎年1、2回ウオール街へお参りしないだろう(金利ゼロの日本で資金調達に困ることはない)。また今のようにIR活動(投資家対策)に膨大なお金と経営資源を投資しないだろう。】
【財界の「仰米主義」は霞ヶ関にも見られる。自国の国債をほとんど自国民が持っているという状態は、普通の国なら国の強みとして誇らしい。ところが3年前から、日本の財務省の役人がロンドンやニューヨークへ日本の国債を積極的に売り込もうとしている。「高橋是清日銀副総裁が、日露戦争の戦費調達のため英国を訪問して以来101年ぶりに」外国人に日本の国債の価値を認めてもらわないと、自分もその価値について自信がないかのように。
 それより、財務省が持っている100兆円にも上る外貨準備の一部を使い、外国人が持っている40兆円足らずの日本国債を買い上げることで国民の債務を減らしたほうがずっと合理的なのに。外貨準備金を、日に日に価値を失うアメリカの国債に投資する変わりに。】
 先般メールしたように、サブプライム問題で東証が暴落しているのは、海外のファンドがサブプライムの損失を埋めるために、東京で売っているためと思います。その売りで、東証が暴落するのは、東証の取引の6~7割を外資が占めているという状況に問題がある。日本人の投資が少ないのは、「構造改革」と称する政策が、国民を貧しくさせたからだと愚考します。