古稀の青春・喜寿傘寿の青春

「青春は人生のある時期でなく心の持ち方である。
信念とともに若く疑惑とともに老いる」を座右の銘に書き続けます。

新テロ対策法

2008-01-17 | 経済と世相
 一昨日、臨時国会閉幕の首相会見をTVで見ました。
 一つ気になったのは、福田首相って、こんなに早口でしゃべる人だったかな?前はもっとゆっくり話す人だったと思うのですが・・物事思うようにいかないことが多くて、気があせるようになったなかな?
 それはさておき、今臨時国会最大の話題は、参院で否決された「新テロ対策法」を衆院で再可決したことでしょう。
 問題が二つあるのです。

 一つは、インド洋上で米国やパキスタンの船に給油することが、本当にテロ対策になるのか?という点について、ほとんど国会で議論にならなかったこと。
 首相は、十分議論の時間を取ったと言っていますが、肝心のポイントをまったく説明していない。少なくとも6年にわたって洋上給油をしてきたのだから、過去の実績は、どれだけの費用をかけ、どれだけの成果があったかを説明すべきでしょう。
 【給油活動がテロ抑止やアフガニスタン復興に本当に役立つのかという一番知りたい部分に納得のいく説明はなかった。民主党も駆け引きを優先させた嫌いがあって、あるべき国際貢献をめぐる論戦は深まらなかった。(12日中日)】
 「テロ対策に役立つのが目的でなく、米国(というよりブッシュ政権)へのお付き合いが目的」だったと、与党も野党も承知しているから、「そんな野暮なことは聞かない」と言うように、私には思えてなりません。ガソリン税にかかる暫定税率の廃止を渋っている政府が、外国の軍艦には無料で油を提供しようというのです。国民はもっと怒るべきではないですか!

 もう一つは「衆院の3分の2を持っているから、参院の否決を衆院で再可決してよい」としたことです。
 確かに、憲法に規定していることですから、「合法的」です。しかし、この衆院の3分の2は、例の郵政選挙で「郵政民営化の可否」を問題にして国民から得た3分の2です。その3分の2を、交戦権を憲法で否定している国が、戦争で使う油の補給を行う法律の可決に使うという。言葉もありません。
 これは、「法的には」合法ですが、「倫理的には」国民に対する詐欺だと断ぜざるを得ません。