古稀の青春・喜寿傘寿の青春

「青春は人生のある時期でなく心の持ち方である。
信念とともに若く疑惑とともに老いる」を座右の銘に書き続けます。

卒論で悩んでいます

2006-08-31 | 放送大学
 「景気」についてもう一度考えてみたくなりました。
 卒業論文で「低金利が家計や企業の行動にどう影響したか?」をテーマにしているのですが、いろいろなデータを調べてみても、低金利が直接、家計や企業の行動に影響を与えたという証拠は、見つからないのです。勿論結果として、金利負担が減ることで企業は利益を得ているし、反面、家計は預金利子を失うという不利益を得ている。特に,金融機関は膨大な利益を得て不良債権の償却が出来た。
 でも、それは結果の受益、あるいは受損であって、それぞれの経営活動での意思決定に影響したというデータは得られない。
 そもそも、金利の引き下げは「景気」対策として行われたのではなかったか?即
ち、企業が設備投資をするとか、家計が消費を増やすとかいう効果を期待して、いわゆる「ゼロ金利」策が採られたと思われますが、そういう意味での効果はなかった。
 そこで、「景気」の本質を考えることで、「ゼロ金利」の意味を考えてみたいのです。

 「景気」の定義を考えるために、現在、景気の良し悪しを何によって判断しているかをみると、
①景気動向指数(内閣府)②企業短観(日銀)③国民経済計算(内閣府)の三つです。
 これらの統計は(ひと言で要約すれば)、「企業の生産」の伸びと「企業の利益の伸び」を、景気判断の基準とする。
 ③は生産と利益の伸びを最終的に「GDP」で捉えている。②は生産と利益の現時点での増減感覚のアンケート調査。③は受注・生産・出荷・消費について先行指標、一致指標、遅行指標のそれぞれを合成して求めている。
 
 では、「景気」は何故問題になるか?それは、国の経済政策が「景気」の判断を基にして、決められてきたからです。
 私見ですが、「景気」はGDPの変化の割合。GDPを時間の関数として捉えた時、そのGDP関数を時間で微分すればGDPの速度、即ち経済成長率となります。
 「景気」は、その速度をもう一回時間で微分した言わば(経済成長の変化率)
だと思うのです。
 何故なら、「景気」の把握は、経済成長率を適正にコントロールするため的確な
経済政策を選択するために必要なのですから、経済成長率の「変化」を「景気」として捉えねばならなかった。

 卒論作成の作業に取り掛かっているのですが、問題がどんどん拡大して収拾が
つかなくなりそうで、悩んでいます。
 目下の悩みのタネは
 そうした「景気」の把握に基づき経済政策を選択して、はたして経済成長率をコントロールすることが、経済がグローバル化した今日可能か?
 及び,経済成長率のコントロールが、グローバル化した今日の世界経済で、国民福祉の観点から望ましいのか?ということです。

 追伸:5月18日,以下の質問を頂きました。
100日あまり、超遅れのレスポンスです。
【ところで最後の・・・ <「GDPの時間微分が経済成長
    率(GDPの速度)で、経済成長率をさらに時間微分し
    た(GDPの加速度)が「景気」と考えますがいかがで
    しょう」>の説明、よろしかったらもう少し平易に解説し
    ていただけませんか?(尤も私の頭では無理かも分か
    りませんが~)大変に興味があります。】