古稀の青春・喜寿傘寿の青春

「青春は人生のある時期でなく心の持ち方である。
信念とともに若く疑惑とともに老いる」を座右の銘に書き続けます。

米国大統領選挙

2004-11-09 | 経済と世相
尾張名古屋のNOZUEです。
 世界が注目した米国大統領選挙、以外にあっさりブッシュが再選された。何故か?
評論家の解説が新聞を賑わせているが、私は、ジェラルド・カーテイス氏(米コロン
ビヤ大教授)が7日の中日に寄稿された記事が実情を正確に把握していると考えま
す。
 社会・経済現象を説明する理論は、実験で確認できないので、すべて仮説であり、
仮説は原因と結果を最もシンプルに説明できる理論(いかにシンプルに、いかに少な
い仮定で、いかに単純なプロセスで、説明が可能であるか)が正しい、と私は考えま
す。
 
 カーテイスさんの、最もシンプルな、大統領選の説明は、こうです。

【4年の在任中、ブッシュ大統領は財政黒字を記録的な赤字に転じてしまった。富裕
層への大型減税を実施し、中間層の雇用創出に失敗した。そして、イラク戦争は一種
の災害だ。それでも勝った。】
 また【有権者は自分の財布と国の経済情勢に最も関心を持つ、と考えるのが常識だ
が・・・】
 経済判断も票に結びつかなかった。

【ブッシュに投票した多くの人々はこうした政策と関係なくブッシュ支持者であ
る。】 
【世論調査で分かるのは、今回の選挙で投票行動を決めた要因は経済でもなければ、
外交でもない、テロとの戦いのやり方でもなかった。何を重視して登場を決めるかと
聞かれ、一番多かったのは「道徳的価値」・・・
 実は道徳的価値で投票を決めた人たちの79%がブッシュを支持し、民主党のケ
リーはわずか18%。とりわけ小さな町や農村部でブッシュの道徳観に共鳴し、彼に
投票した有権者が多かった・・・】

 宗教心が強く、中絶を法的に認めることに反対し、同性愛者の権利を認めたくない
選挙民がブッシュの勝利を決めたと、説明している。
 要するに、イラクの戦争も、双子の赤字も、大多数の米国民には関心の外。妊娠中
絶や同性愛者の結婚問題の方が大問題だったというわけ。

 グローバル化の世界、その世界に最も大きな影響力を持つ米国の大統領が、中絶に
賛成かどうかで決まるこの現実!
 カーテイスさんの寄稿を読んで、思わず絶句しました。

追伸:中崎様、電話加入権料につき早速の情報有難うございます。