shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

「Rubber Soul」各国盤バトルロイヤル⑤ ~ステレオ盤対決~

2019-09-14 | The Beatles
 4回にわたって続けてきたモノラル盤「Rubber Soul」の聴き比べですが、このアルバムあたりからステレオ盤も結構音が整ってきているので、ついでにステレオ盤対決もやってみました。

⑪インド盤ステレオ(2-T1/2, 142g)
 Sさん:これが噂のインド盤ステレオですか。それにしてもすごい迫力ですね。
 私:はい、例の「アナログ・ミステリー・ツアー」本で湯浅さんが取り上げて以来マニアの間で有名になったやつですわ。あの文章読んだら絶対に聴いてみたくなるでしょ?
 Sさん:確かに...(笑) A面だけローカル・リカットなんですね。
 私:そうなんですよ。で、問題のA②「Norwegian Wood」なんですが、ヴォーカルとシタールが同じくらいの音量で入ってるのが笑えますね。A③「You Won't See Me」も演奏の迫力は凄いんだけど、メイン・ヴォーカルが弱すぎて、バランスがもうめちゃくちゃ(笑)
 Sさん:A面最初の3曲の中ではこれが特に変ですね。
 私:A④「Nowhere Man」なんて、ジョンのヴォーカルとバックのコーラスが右スピーカーの隅っこの方から遠慮がちに聞こえるという摩訶不思議な「Nowhere Man」になってます(笑) やっぱりインドって凄いわ...
 Sさん:A⑤「Think For Yourself」はバランスがまともですね。
 私:バランスが1曲ごとにバラバラで統一性なんか全く無し... でも個々の楽器の音は良いという...
 Sさん:A⑥「The Word」もまともで... と思ったら、あれ?ミドル・パートのジョンのヴォーカルがほとんど聞こえないですね... 何これ?
 私:これ、ほとんどカラオケ状態ですやん! このぶっ飛びっぷりは他ではちょっと聴けません(笑) B面はUKマザーですが、ちょっとは安心して聴けるのかな?
 Sさん: UKマザーやったらいくら何でもA面みたいなことはないでしょう。
 私:B①「What Goes On」、シャープでクリスプな音ですね。
 Sさん:音そのものはすごく良いですね。
 私:それにしてもこういう左右泣き別れミックスを聴いてると、中学時代を思い出しますわ。今でこそオリジナル盤やとかラウドカットやとか言うていっぱしの口を叩いてますけど、私のビートルズ体験の原点はEASの東芝盤ですから。
 Sさん:私もです。この音、懐かしいですね。
 私:でもこれを聴いていると「Rubber Soul」までは迷わずモノラルやなーと改めて思いますね。

⑫デンマーク盤ステレオ(2/2, 163g)
 Sさん:あぁ、このバランスです。これこそが本物のステレオ(笑)
 私:A②「Norwegian Wood」のシタールが控えめですね。さっきのインド盤がものすごく斬新に聞こえます(笑)
 Sさん:インドはものすごく意図のようなものを感じましたね。シタールはヴォーカルよりも目立たせなければならない!って(笑)
 私:こっちは安心して聴けるステレオですね。A③「You Won't See Me」なんてさっきはヴォーカルがほとんど聞こえなかったですもんね。
 Sさん:インドは左スピーカーからものすごい音してましたからね。
 私:左右のバランスがいかに悪いか...(笑)
 Sさん:A⑤「Think For Yourself」は前に聴いたモノ盤のギターの音の方が良かったですね。どうしてもステレオ同士の比較よりもステレオとモノを比べてしまいます。
 私:B②「Girl」を聴いてると“次の曲は「Paperback Writer」” って思ってしまうのもステレオやからかもしれませんね。私は東芝の赤盤を聴いて育ちましたから(笑) モノやったら絶対にそうならないですもん。
 Sさん:なるほど。
 私:それにしてもメリハリのある音ですね。ステレオでもデンマーク盤は迫力があります。
 Sさん:でもさすがにB⑥「If I Needed Someone」のベースはモノみたいに激しくはないですね。
 私:そうそう、ステレオでは絶対に一線を越えませんよね。モノでは思いっ切り荒ぶってましたけど...(笑)
 Sさん:これがステレオの音なんですよね。思い出した思い出した...(笑) B⑦「Run For Your Life」もこのステレオはフォークロックみたいな雰囲気やけどモノはそうじゃなかったですからね。
 私:これでも普通のレコードに比べたらかなりベースが入ってるんですけど、やっぱりモノのド迫力にはかないませんね。
 Sさん:左右泣き別れにするとどうしても力が分散されてしまいますからね。やっぱりモノの方がお得感あります。(と、DK盤の後半はほとんどモノラル・サウンドとの比較に終始してしまった...)

⑬UK盤ステレオ(2/2, 152g)
 Sさん:かなり若いスタンパーですね、これ。ベースがデンマーク盤より大きいです。
 私:グイグイきますね。ステレオなのに音の空間が埋まってるように思います。モノではデンマークに負けましたが、ステレオでは本家UKに一日の長がありますね。一矢報いた感じです。
 Sさん:A③「You Won't See Me」のベースの音がさっきのデンマーク盤よりも大きいですね。同じヴォリュームで聴いてるのに迫力が明らかに違います。
 私:ステレオでこれほど低音が出るとは驚きですね。“ステレオのラウドカット” って言っても言い過ぎではないと思えるほどです。
 Sさん:ステレオでこれは凄いな...
 私:さっきのデンマーク盤は昔を思い出しましたけど、このUK盤はモノを思い出しました。まさに新発見です。
 Sさん:ステレオであることを忘れさせる音ですね。全然違いますわ。
 私:ステレオでこれだけベースが効いてるA⑦「Michelle」は他にないと思いますよ。
 Sさん:B①「What Goes On」も気持ちの良いベースですね。
 私:ドラムの音もシャキッとしてますし。B②「Girl」でもB④「In My Life」でもリンゴのドラミングの上手さが際立ってますね
 Sさん:B⑥「If I Needed Someone」も、他のステレオ盤ではこんなにコーラスが良くは聞こえませんよ。このUKステレオはモノの良さに通じますね。それにしてもジョージの曲でポールはええベース弾くなぁ...
 私:B⑦「Run For Your Life」もベースが一味違いますし、ギターソロの音もよく伸びてます。
 Sさん:モノのラウドカット盤の血を引いてますね。
 私:モノの後に聴いても違和感ないですもんね。さすがはUK!

⑭オーストラリア盤ステレオ(2/2, 151g)
 私:じゃあ最後はOZ盤でしめましょうか。
 Sさん:(曲が始まって数秒で)これも素晴らしい! 非の打ちどころのない音ですね。
 私:UK盤とタイマンを張れるくらいの高音質ですよ、これは。
 Sさん:いやぁ素晴らしい。良いレコードですねぇ...(と感慨深げ)
 私:OZ盤ってハズレが少ないですね。非常にクオリティーが高い。
 Sさん:バナー・ステレオ、良いですねぇ(≧▽≦)
 私:このB⑤「Wait」なんかもう、めっちゃベース出てますよ。で、それが全体の調和をまったく乱してないところが凄いです。レベル高っ!
 Sさん:UKと互角ですね。モノラル派の人もこのベースの鳴りを聴けばステレオを見直すと思いますよ。

ということで、「Rubber Soul」のステレオはUK盤とオーストラリア盤が最高という結論が出ました。めでたしめでたし。

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