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shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

映画「F1(エフワン)」を観に行ってきた

2025-07-19 | TV, 映画, サントラ etc

 一昨日、いつものように仕事の休憩中にネットを見ていたら例のブラッド・ピット主演の映画「F1/エフワン」の記事が目に留まった。ここのところず~っとB’zのUNITEで浮かれていた私はこの映画のことをすっかり忘れていたのだが、何でも先月封切りされて世界中で大ヒット中とのこと。その日はたまたまいつも行く郡山シネマサンシャインが700円引きで観れるサービスデイだと気付いた私は仕事帰りに映画館に直行することにした。
 この映画の一番の話題は何と言ってもブラピことブラッド・ピット主演ということのようだが、私はブラピを名前こそ知ってはいたが出演している映画はおろか、顔すら知らない。去年ドジャースタジアムで行われたパドレスとの地区シリーズの観客席でドジャーズのチームタオルを振り回して熱狂してたバケットハットのおっさんというイメージしかないのだ。私がこの映画を観たいと思ったのはブラピ云々ではなく、F1が全面的に協力し、7度のワールド・チャンピオンであるルイス・ハミルトンが監修しているということで、ガチのF1好きとして見逃すわけにはいかないと思ったからだ。字幕にするか吹替にするかも迷ったが、「スタートレックTNG」のライカー副長や「イコライザー」のマッコールの声を担当している大塚明夫さんが参加していると知って吹替え版を見ることにした。
映画『F1®/エフワン』ぶっちぎれ予告60秒(吹替版)|2025年6月27日(金)公開!

 あらすじはブラピが演じる伝説のF1レーサーが最弱のF1チームを再建するために現役復帰し、様々な試練を乗り越えながら若手のチームメイトやチームクルーを成長させ、頂点を目指すというありきたりなお話なのだが、実際に観てみるとこれが中々巧く作り込まれていて結構面白い映画に仕上がっていた。
 もちろん私のように40年近く F1を観てきたコテコテの F1マニアにとってはツッコミどころ満載で、あんなクラッシュゲートをやったらピケJr. みたいに即永久追放になってしまうし、スリックタイヤのまま雨のパラボリカでオーバーテイクを仕掛けるアホはいない。DRSはまるでレースゲームみたいに効きすぎだし、そもそもあんな短期間でタービュランスに強い車を開発するなんて現実F1では絶対にありえない話だ。しかしそういった細かいことに目を瞑ってエンターテイメントとして割り切って観れば十分楽しめるものだったし、そもそもこの映画は最低限のF1の知識をもったライトなファン層をメイン・ターゲットにしているようで、あわよくば普段F1に興味ない層も見てくれるようになれば儲けものという感じ。“ドキュメンタリー” ではなくあくまでも “フィクション” ということで、エンタメとリアリティのバランスが丁度良い按配だと思った。
 私がこの映画で最も気に入った点こそまさにそのリアリティで、映像はめちゃくちゃ迫力あったしエンジン音も凄まじい。いきなりレッド・ゼッペリンの「Whole Lotta Love」をBGMにシルバーストーン・サーキットでのテスト走行シーンが目に飛び込んできた時はもう鳥肌が立つぐらいコーフンしたし、そうかと思えば回想シーンでセナのマクラーレン・ホンダを追うロータス(←キャメル・イエローのマシンが超懐かしい!!!)のエンジン音が今とは全く別物のカッコ良さでテンション爆上がりしたりだとか、さすがはハミルトンが監修しただけあってレースのシーンは文句なし。何よりも驚いたのは90年へレス・サーキットでの大クラッシュでちぎれたシートと共にコースに放り出されて横たわるマーティン・ドネリーの映像が使われていたことで(←リアルタイムで観ていて背筋が凍るほどショッキングだった...)、よくもまぁドネリーが映像使用のOKを出したものだと思った。
 又、レーサーやチーム代表など、F1界に実在する人物が映画の中にバンバン登場するのもファンとしては胸アツだ。ぶっきらぼうにインタビューに答えるザク・ブラウンとフレデリックバスール、ニッコニコのステファノ・ドメニカリ、ギュンター・シュタイナーの顔芸、中団争いしてるペレスなど、F1知ってる人ほど笑えるツボが満載だったが、一番ニヤリとさせられたのは、24年サウジアラビアの再現とばかりにやりたい放題で “無敵の人” 状態のマグヌッセン、そして優勝争いしてた自チームのルイスをリタイアさせたジョシュアをチームに誘うトト・ウォルフで、特にノリノリで芝居してるトトには大笑いさせられた。又、風洞施設やレース・シミュレーター、レース前のチーム・ミーティングの様子などもリアルに描かれており、F1ファンとしては実に興味深く見させてもらった。
 カーレースを題材とした映画といえば「ラッシュ」や「フォード vs フェラーリ」、トム・クルーズの「デイズ・オブ・サンダー」、シルベスター・スタローンの「ドリブン」、実写以外ではピクサーの「カーズ」シリーズなどが思い浮かぶが、この「エフワン」はそういった名作・傑作映画に勝るとも劣らない面白さで、2時間35分という上映時間を全く長いと感じさせずにテンポよくストーリーが展開していくところが良かった。まぁそのストーリー自体は予測可能でベタな展開だったし、キャラクター描写も浅くて感情移入しにくかったが、“大画面で爆音とリアルな映像を見に行く映画” と割り切ってしまえば文句なしの傑作だ。家で見るとどうしても映像の迫力がスポイルされて脚本の粗だけが目立ってしまうので、興味ある人は是非とも劇場でIMAX字幕か4DX吹替で見るのが良いと思う。
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