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shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

恐るるなかれ灰は灰に / B’z

2025-07-04 | B'z
 伝説となった「UNITE #02」1st Night から約2週間が過ぎたが、生B’z、生イエモンの衝撃が大きすぎて未だに社会復帰できずに(笑)ライヴの余韻に浸っている。とにかく様々なサプライズや夢の競演など、一生に一度見られるかどうかの凄いモンを一杯見れて本当に“この時代に生きてて良かった!” という気持ちなのだが、そういった出演アーティスト云々というパースペクティヴではなく純粋に音楽的な観点から “この曲が聴けて(観れて?)ホンマに良かった!!!” と思った私的断トツ1位が新曲の「恐るるなかれ灰は灰に」だった。
 この曲は先週終了したTBSの金曜ドラマ「イグナイト」の主題歌で、4月にオフィシャル・サイトの告知を見てそのことを知った私はB’zの新曲目当てでそのドラマの第1回を見ることにした。そもそも普段はドラマというものを全く見ないので、知ってる俳優は仲村トオルと及川光博とりょうだけだったが、メルセデスF1のジョージ・ラッセル似の主演男優さんの暑苦しい演技(笑)とテンポ良く進んでいくストーリー展開が結構面白くて “早よB’z流さんかい!” と思いながらも毎週欠かさず見るようになっていた。
 で、肝心のこの曲、毎回エンディングで流れてくるのはいいのだが、いかんせん小音量なのでセリフと被ってしまって曲の歌詞がよく聞こえない。特に第1話の時なんかもう最悪で、曲がほとんど聞こえず肩透かし感、消化不良感がハンパなかった。おそらく私のようなB'zファンからクレームが殺到したのだろう、第2話からヴォリュームが少し上がったように感じられたが、それでも満足からは程遠い音量だったし、さぁこれからというところでTVerだかU-Nextだかの宣伝が入ってそこで終わり... みたいな尻切れトンボ的な使われ方で、TBSマジなめんなよ!とストレスが溜まっていった。
 しかしそんな悪条件の下でも稲葉さんが拡声器みたいなものを通して叫ぶオープニング・パートのカッコ良さは伝わってきたし、“どんよりした日にゃbye bye bye~♪” のラインが内包している中毒性にすっかりやられた私は、“とにかく1日でも早く、大音量でフル・コーラス聴いてみたい... 大嫌いなサブスクでもストリーミングでも我慢するから、とにかく聴きたいっ!!!”(←最近全然CDで出してくれへんから自分のようなオールド・ファンは辛いです...)と悶々とした日々を送っていた。
 そんな中、ついにYouTubeにshort versionながらこの曲がアップされ、私は嬉々として繰り返し繰り返し聴きまくっているのだが、聴けば聴くほどそのカッコ良さにハマっていき、じらさんと早よフル・コーラス聞かしてくれ~という思いが日に日に強くなっていった。そんな私が本懐を遂げたのが UNITE #02 のライヴだったわけだが、稲葉さんの生歌でこの曲のフル・ヴァージョンを聴くことが出来て本当に幸せだった。
 それにしてもこの曲の尋常なまでのクオリティの高さは何なのだろう? 歌詞の面でも曲想の面でも突き抜けている感じがする。最近のB’zはどちらかというと爽やか系の曲が多かったが、この曲は久々にモトリー・クルーやガンズ・アンド・ローゼズの流れを汲むダークな雰囲気のへヴィ・ロックで、毒を撒き散らしながらズシリズシリと歩を進めるような重厚感がたまらない(≧▽≦) 松本さんの野太いギターが生み出す “王道B’z感” はまさに圧巻で、それに絡んでいくキーボードもめちゃくちゃ良い味を出しているし、「Monster」を思わせるサビの部分を含め、ブルージーなロックのイディオムを見事に昇華させた出来映えで、ロック曲としてのクオリティが抜群に高い。ハッキリ言って、2000年以降のB’z曲では3本の指に入る愛聴曲と言っても過言ではない。
 そしてこの曲を際立ってユニークな存在にしているのが稲葉さんの歌詞だ。曲の出だしに語りが入るというのはこれまで無かったパターンなのだが、“あと何回陽が昇るのを見られるかあなた考えたことありますか?... 知ってると思うけどみんな最後の最後は灰ですよ、灰!... だったら晴れ晴れと生きて、煌めく灰になろうじゃありませんか!!!” という、稲葉節全開の歌詞がもう震えがくるぐらいカッコイイヽ(^o^)丿 この語りの部分を拡声器みたいな音声処理にするというアイデアも秀逸だが、私が思うにこの曲はコンセプトの段階からライヴ映えすることを狙って作られたのではないか... 今年冬のドームツアーの1曲目で稲葉さんが拡声器を持って登場し、この曲がスタート... “煌めく灰になろうじゃありませんか!!!” で “Yeah!!!” とオーディエンスが呼応し、怒涛のロックンロールショーへとなだれ込む... という光景が目に浮かぶようだ。
 冒頭の語りに続く歌詞は、3月にイナバサラスのインタビューで “Never Goodbye Only Hello” という言葉についてスティーヴィー・サラスが語っていた “どんな人間も必ずいつか最期の時を迎えるという人生の摂理の中で、ポジティヴな形で死と向き合うには...” という言葉に相通ずるものがあるというか、さらに一歩踏み込んだ内容で、すべてに終わりがあることを敢えてハッキリと示すことによって、残された時間に限りがあるからこそ精一杯生きて燃え尽きようとファンに呼びかけているように思えるのだ。“死” を暗示する“灰” を逆説的に用いることによって、取り立てて何の目標もなくただ好きな音楽を聴いて好き放題生きているだけの私のような人間でさえも、この曲を聴いて“もう一花咲かせてやろう!”という気になってくるという超ポジティヴな歌詞なのだ。
 B’zのお二人ともが還暦を越え、今回の松本さんの体調不良の一件なども考えると、ファンとしては “あと何回陽が昇るのを見られるか” の部分を “あと何回彼らの新曲にワクワクできるのか”、“あと何回彼らのライヴに行けるのか” に置き換えて考えてしまう。そしてそれに対する彼らからのメッセージが “限りがあるからこそ晴れ晴れと生きて、煌めく灰に... いや、煌めくほどハイになろうぜ!” ってことなのかもしれない。あ~ますますフルで聴きたくなってきた... じらさんと早よ解禁してくれぇ... 気持ちよくなりたいから今出してぇ~♪
B'zの新曲「恐るるなかれ灰は灰に」
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