shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

ボビー・ジェントリーのビートルズ・カヴァー3選

2024-01-28 | Beatles Tribute

 ボビー・ジェントリーといえば何はさておき全米№1ソング「Ode to Billie Joe(ビリー・ジョーの唄)」... というのが世間一般の認識ではないかと思うが、正直言って私にはそれほどの名曲だとは思えない。おそらくミステリー仕立ての歌詞が大衆の関心を呼んでラジオ・エアプレイが大きく伸びたのがヒットの要因ではないかと思うが、こんな曲(←投身自殺の歌やん...)が大ヒットしてしまうあたり、60年代後半のアメリカン・チャートのカオスっぷりを象徴しているように思える。
 私にとってのボビー・ジェントリーはこの「ビリー・ジョーの唄」でもグレン・キャンベルとのデュエット曲でもなく、1968年にリリースした 3rdアルバム「Local Gentry」に入っていた秀逸なビートルズ・カヴァー3曲、これに尽きる。モナリザ・ツインズでビートルズ・カヴァーを特集したついでと言っては何だが、この機会にボビー・ジェントリーのカヴァーにフォーカスを当てたい。
 そもそも私が彼女の歌声を初めて聴いたのはビートルズのカヴァー曲を集めた「Golden Slumbers Ⅱ」というコンピレーションCDで、そのラストにひっそりと収められていたのが彼女が歌う「Here, There And Everywhere」だった。原曲のテンポを少し上げた軽快に弾むような曲調に、アコギ、ドラム、ヴァイヴ、ストリングスなどを駆使したジャジーなアレンジも功を奏してまるで爽やかな風が吹き抜けるような気持ちの良いカヴァーになっていて一発で気に入ってしまった。この曲は英米ではシングル・カットされなかったが中南米の国々では人気らしく、「Aquí Alla Y En Todas Partes」というタイトルでスペイン語ヴァージョンがシングル・カットされている。余程のマニアしかこんなん買わへんと思うが、私は大好きなのでアルゼンチン盤でオリジナルの英語ヴァージョンとの聴き比べを楽しんでいる。
Here, There and Everywhere

Here, There And Everywhere (Spanish Version)


 「Eleanor Rigby」のカヴァーも素晴らしい出来映えで、疾走するようなリズムに乗った彼女の囁くようなヴォーカルが曲に更なる推進力を与え、ここぞというところで満を持して登場するオルガンが大活躍するというグルーヴィーなトラックに仕上がっている。尚、YouTubeにはオリジナルのストリングスと彼女のヴォーカルを抜き出して組み合わせたマッシュアップ・ヴァージョン(DoM mashup)がアップされているのだが、これが面白いくらいによく合っていて驚かされると共に、改めてジョージ・マーティンのストリングス・アレンジの素晴らしさに感銘を受けた。
Bobbie Gentry - Eleanor Rigby 1968 (The Beatles Cover Song)

THE BEATLES - BOBBIE GENTRY Eleanor Rigby (DoM mashup)


 彼女のビートルズ・カヴァーで最も有名なのはひょっとすると「The Fool On The Hill」の日本語ヴァージョンかもしれない。このシングルは日本のみで発売されたもので(←当たり前か...)、片桐和子氏の見事な訳詞といい、カタコトの日本語ながら原曲の雰囲気を上手く表現しているヴォーカルといい、十分傾聴に値する1曲になっている。尚、この日本語盤はかなり稀少らしく、昔は1,500円前後で買えたものが今ではえげつないプレミア価格でとりひきされているようでビックリ(゜o゜)  まぁ音源だけなら YouTubeでタダで聴けるし、国内盤のベストLP(ポピュラー白銀シリーズ)にも入っていて安く買えるので、欲しい人はそっちがオススメだ。
Bobbie Gentry - The Fool On The Hill (Japanese)