shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

The Duo Sessions / MonaLisa Twins

2024-01-01 | Beatles Tribute
 新年あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。冬休みに入ってからヘビロテで聴いているのは前回取り上げたモナリザ・ツインズ。よって当ブログの2024年スタートは年跨ぎで彼女たちのビートルズ・カヴァーでいきたいと思います。
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 YouTubeの動画作品を見てモナリザ・ツインズがすっかり気に入った私は彼女たちのCDが欲しくなり、ウィキペディアでディスコグラフィーを調べてアマゾン、ヤフオク、メルカリ、HMV から eBayに至るまで色んなサイトで検索してみたのだが、市場に出ているブツの数はめちゃくちゃ少ないし、しかもそのほとんどが CDの分際で4,000円以上の高値が付いていて ??? となってしまった。何なん、これは?
 私はとりあえず「MonaLisa Twins Play Beatles And More」と「同Vol.2」をアマゾンで海外からオーダー、どちらも送料込みで3,000円弱だったのでギリギリ許せる範囲内だ。更に選曲的に一番欲しかった「The Duo Sessions」をユニオンの通販でゲット。結局すぐに手元に届いたのはこのアルバムだけだった。
 その後色々調べていくうちに彼女たちのオフィシャル・サイトに行きついたのだが、何とここでは彼女たちの新品CDを£12という正規の値段で売っているではないか! 送料だって1枚で£4.85と、欲深いeBayセラーどもに爪の垢を煎じて飲ませてやりたいくらいの良心的価格だ。「Play Beatles And More」Vol.1~3のお買い得セットというのもあって、これなら送料込みで£40.90、日本円にして7,500円以下で買えてしまうので、アマゾンとかで探すよりも遥かにお買い得。しかも驚いたことに、CDを購入すると自動的にそのアルバム音源を無期限でダウンロードすることが可能になるというのも嬉しい。
 私は古いタイプの人間でこれまでアマゾンやらメルカリやらで中古盤を探すというのが当たり前になっていてオフィシャル・サイトを見てみるという発想が無かったのだが、もしも最初からここの存在を知っていればもっと良い買い物が出来たのにと思うと少し残念。まぁ今回のはエエ勉強になった... と考えることにしよう。ということで、これからモナリザ・ツインズのCDを買おうと思っている人にはオフィシャル・サイトで安く新品を買うのがオススメだ。
 CD購入方法の話が長くなってしまったが、いよいよここからが本題だ。モナリザ・ツインズのビートルズ・カヴァーにハズレはほとんど無いが(←「Revolution」と「Hey Bulldog」だけはさすがにちょっとキツかったけど...)、敢えて優劣を付けるならライヴ盤よりもスタジオ録音盤、そしてリリース時期の新しい最近のものの方が出来は良いと思う。そういう意味で、数ある彼女たちのアルバムの中で私が最も気に入っているのは2020年にリリースされた「The Duo Sessions」だ。
 このアルバムの一番の魅力はその選曲で、どの曲も彼女たちにカヴァーされて活き活きした表情を見せている。私がベスト・トラックと信ずる「I'm Looking Through You」は意表を突いたアップ・テンポ・ナンバーなのだが、これがもうウキウキワクワクさせてくれるノリの良い歌と演奏で、理屈抜きに楽しいトラックに仕上がっている。ピタリと息の合ったハーモニーといい、曲の良さを見事に引き出す器楽アレンジといい、言うことナシの名演だ。“ビートルズが好きで好きでたまりません!” という二人の想いがビンビン伝わってくるこの動画、後ろにさりげなく「Rubber Soul」が飾ってあるのもいい。
I'm Looking Through You - MonaLisa Twins (The Beatles Cover) // MLT Club Duo Session


 軽快なミディアム・テンポのアコースティック・ナンバー「Here Comes The Sun」は聴く前からモナリザ・ツインズにピッタリだと思っていたが、実際に聴いてみるとこちらの想像以上にこの曲の良さをしっかりと引き出していて感心させられた。とにかくモナとリサのヴォーカル・ハーモニー・アレンジが神ってる(←もう死語かな?)としか言いようがなくて、音楽ってエエもんやなぁ... という穏やかな気持ちにさせてくれるトラックだ。後ろのアルバムが「Abbey Road」に変わっているところも芸が細かい。
Here Comes The Sun - MonaLisa Twins (The Beatles Cover) // MLT Club Duo Session


 「Baby's In Black」ってカヴァーするのが結構難しい曲ではないかと思うのだが、その一番の理由はこの曲独特のタイム感覚。ビートルズはほんの少しつんのめるようなタイミングでこのワルツ・テンポの曲を演奏しているが、凡百のカヴァー・バンドたちはそのタイミングが粘れずに平板な演奏に終始しているのだ。モナリザ・ツインズの凄いところはこの “ビートルズのタイム感覚” をしっかりと身に着けているところで、彼女たちのハーモニーを聴いていると武道館ライヴで1本のマイクをシェアして仲良く歌っていたジョンとポールの姿が目に浮かぶ。幼い頃からビートルズを聴いて育った彼女たちのカヴァーは年季が違うということだろう。それと、動画では「Rubber Soul」を後ろに飾ってあるけど何で「For Sale」にせぇへんかったんやろ?
Baby's In Black - MonaLisa Twins (The Beatles Acoustic Cover) // MLT Club Duo Session


 ビートルズ以外ではザ・フーの「The Kids Are Alright」が出色の出来。モナの躍動感溢れるパーカッシヴなパフォーマンスには脱帽だし、一糸乱れぬコーラス・ワークもいつもながら凄いと思う。数多いザ・フーの名曲の中からこの曲を選んだセンスの良さもさすがという他ない。モナリザ・ツインズはビートルズ以外のカヴァーも一級品ということがよくわかる1曲だ。動画で後ろに「My Generation」を飾ってあるのはもはやお約束(^o^)丿
The Kids Are Alright - MonaLisa Twins (The Who Cover) // MLT Club Duo Session