shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

Ska In The World Hits / Jive Bunny Project

2014-09-07 | Cover Songs
 カヴァー曲というのは元歌を知っているとそのヒネリ具合やアレンジの妙が楽しめて面白さが倍増する。逆に知らない曲ばかりのカヴァー盤なんて面白くも何ともない。ジャイヴ・バニー・プロジェクト・シリーズのCDで「スペクトル・サウンズ」のように収録曲の大半を知っている盤は即決で買ったが、その一方で知らない曲が多くて購入をかなり迷った盤もあった。そんな1枚が今日取り上げる「スカ・イン・ザ・ワールド・ヒッツ ~ドライヴィング~」だ。
 タイトルを見れば分かるようにこの盤はヒット曲をスカ・ビートでアレンジしてメドレー化したもので、スカ独特の粘っこいリズム自体は私的には問題なかったが、引っ掛かったのがその選曲だ。ネットで見た商品説明には “90年代の有名な洋楽をそのままスカにカヴァー” とある。うーん、“90年代” か...
 正直言うと “90年代の洋楽” と聞いただけでブツブツが出るくらい激しい拒否反応を起こす私としてはこの時点で購入意欲が失せかけたのだが、曲目リストの中にホイットニー・ヒューストンの「アイ・ウィル・オールウェイズ・ラヴ・ユー」とマイケル・ジャクソンの「ヒール・ザ・ワールド」の2曲を見つけ、あの壮大なバラッドを一体どーやってスカ・ビートでアレンジしてるんやろ?という好奇心がムクムクと湧き上がってきた。他の曲はどーでもエエけど、この2曲のスカ・ヴァージョンだけは是非とも聴いてみたい。
 私の知る限りではジャイヴ・バニー・シリーズは2枚の “歌謡曲モノ” 以外は試聴できるサイトがどこにもないので、どうしても聴きたければリスク覚悟でミズテン買いするしかない。困ったなーと思ってネット検索していたところ、何とネットオフに168円という “もってけドロボー” 価格で出ているのを発見。この値段なら失敗してもショックは少ない。たまたま送料無料キャンペーン中だったこともあって私は迷わず即決した。
 届いたCDをプレーヤーに乗せ、まず選曲ボタンの⑥を押して「アイ・ウィル・オールウェイズ・ラヴ・ユー」を聴いたのだが、スピーカーから飛び出してきたのはこちらの予想に反して何と男性ヴォーカル、それも私が最も忌み嫌うネチコイ歌い方で心底がっかり。この声と歌い方は生理的に無理だ(>_<)
 いきなり「オールウェイズ・ラヴ・ユー」が期待外れで “次もハズレやったらイヤやなー” と一抹の不安を感じながら今度は選曲ボタンの⑩を押す。マイコーの “ひとりウィー・アー・ザ・ワールド” といえる「ヒール・ザ・ワールド」だ。おぉ、コレはめっちゃエエわ(^o^)丿 スロー・バラッドだった原曲を高速回転させた絶妙なテンポ設定が功を奏し、軽快なスカ・ビートとキュートな女性ヴォーカルが絶妙にマッチしてウキウキワクワクするような親しみやすいナンバーへと大変身、CDのサブタイトル通りDRIVINGのお供にピッタリのキラー・チューンになっている。それにしてもマイコーってホンマに綺麗なメロディーの曲を書きますな...(≧▽≦)
 ヴォーカルを担当しているのは名盤「スペクトル・サウンズ・歌謡曲シリーズ」の「A面で恋をして」や「世界中の誰よりきっと」で素敵な歌声を聴かせてくれた ayakooo こと、にへいあやこさんだ。この人の声めっちゃ好き(^o^)丿  しかもこの⑩だけ4分45秒と長尺フル・ヴァージョン楽しめるというのが嬉しい。たとえ残り9曲全滅でも、私としては彼女の歌声で弾むようにスイングするこの「ヒール・ザ・ワールド」が聴けただけで十分このCDを買った甲斐があったと思えるぐらい気に入っているトラックだ。
ヒール・ザ・ワールド

Michael Jackson - Heal The World


 しかしラッキーなことにこのCDは “残り全滅” ではなく、他にも掘り出し物があった。まずは②「リハブ」という曲が気に入った。オリジナルはエイミー・ワインハウスという風変わりな名前の女性ヴォーカリストで、YouTubeで見てみると名前だけでなくその声も唱法も風貌も実にユニークで個性的。このカヴァー・ヴァージョンでは原曲のリズムに潜むスカっぽい要素を巧く抽出&アレンジしてあってヴォーカルの声質もソックリ(←薄黄色の小さい字で書いてあるので読みにくいけど、Saltie っていう名のシンガーらしい...)なのでワインハウス・ファン(?)の人でも違和感なく楽しめると思う。
リハブ

Amy Winehouse - Rehab


 ⑦の「キャント・ゲット・ユー・アウト・オブ・マイ・ヘッド」もめっちゃエエ感じ。オリジナルを調べると何とあのカイリー・ミノーグだ。カイリーって80's後半にストック・エイトキン・ウォーターマンのプロデュースで「ロコモーション」や「アイ・シュッド・ビー・ソー・ラッキー」といった金太郎飴的ダンス・ナンバーを歌っていたアイドル歌手というイメージしかなかったのだが、YouTubeで妖しげなオリジナルPVを見てブッ飛んだ。女ってこうも変わるものなのか... セバスチャン・ベッテルじゃないが、まさに Kinky Kylie だ(笑)
 原曲が元々スカっぽいビートの曲なので、このCDではアレンジをあまりいじらずにストレートにカヴァーされているが、ヴォーカルがエエなぁと思ってクレジットを見ると、何とまたまた ayakooo さんだ。結局このCDで気に入った3曲中の2曲が彼女のヴォーカルだった。やっぱりヴォーカル物は “声” の魅力に尽きますな...(^.^)  わずか1分43秒で終わってしまうのが残念だ。
 この「スカ・イン・ザ・ワールド・ヒッツ」CD、②⑦⑩以外の7トラックは曲そのものがつまらんかったりヴォーカルの声質が好きになれなかったりで私的にはハズレだったが、上記の3曲は最高に気に入ったので他のジャイヴ・バニー盤とMIXしてCD-Rに編集して聴いている。選曲の範囲を “90年代の洋楽” に限定せずに洋邦を問わず幅広い年代の曲から選んでいればもっと素晴らしい内容になったんじゃないかと思うが、とにかく落ち込んだ時なんかに聴くと気分がスカッとするこの3曲、騙されたと思って一度聴いてみてはどうでスカ?
キャント・ゲット・ユー・アウト・オブ・マイ・ヘッド

Kylie Minogue - Can't Get You Out Of My Head
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