shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

Paul McCartney In Complete Red Square DVD (Pt. 1)

2013-08-07 | Paul McCartney
 前回書いたように「ポール・マッカートニー・イン・レッド・スクエア」のオフィシャルDVDはポールのコンディションも良くオーディエンスのノリもハンパない好ライヴにもかかわらず、くだらんインタビューが随所に挿入されたアホバカ編集のせいで見るたびにイラッとくる。最初のうちはDVDプレイヤーのCMスキップボタンを押して飛ばし見していたのだが、それも段々面倒臭くなってきたので、ウザッたいインタビューを全てカットして演奏シーンのみに編集した自家製DVD(約60分)を作って問題解決し、気持ち良くポールのライヴを楽しんでいた。そんなある日のこと、ヤフオクでこの「コンプリート・レッドスクエア」DVDを偶然発見、オフィシャル版でカットされた17曲を含む全37曲を完全収録してあることもあって迷わずゲット。ブートDVD-Rだが画質は十分鑑賞に耐えるレベルだし、オフィシャル版とは別ショットの映像が使われているので、送料込みで1,000円ならかなりお買い得だ。
 ディスク1にはコンサート前半部分にあたる20曲(約90分)が収録されている。コンサートのセットリストは2002年のツアーの流れを踏襲しており、日本公演の時と同じようにスクリーンにヘフナーのヴァイオリン・ベースのシルエットが映し出されてポールが登場し「ハロー・グッバイ」でスタート、すでに夕刻のはずだがまるで昼間のように明るい。さすがは白夜の国である。間髪を入れずに「ジェット」をブチかました後、 “赤の広場をロックさせに来たぜぇ~” と叫んで「オール・マイ・ラヴィング」へとなだれ込むカッコ良さ。いやぁ~、もうたまりませんわ(≧▽≦)
All my loving


 「ゲッティング・ベター」では最初ギターのプラグが入っておらず音が出ないというアクシデントが発生するも、すかさず “生で演ってるとこういうこともあるさ” とおどけてみせる。オーディエンスはやんやの大喝采だ。「レット・ミー・ロール・イット」はエンディングをお約束のジミヘン・ナンバー「フォクシー・レディ」でビシッとキメる。それにしてもさすがはポール、ビートルズにウイングスにロック・クラシックスのカヴァーと、のっけから名曲が出るわ出るわのワンコソバ状態だ(^o^)丿 
Paul McCartney - Getting Better (Live)


 「ロンリー・ロード」「ユア・ラヴィング・フレイム」という新曲2曲を披露した後、ステージはアコギを手にしたポール一人に。ポールはMCで英語に時折ロシア語を交えながらしゃべるのだが、ここモスクワでも日本公演で使われた例のトランスレーション・システムが大活躍。ポールは “翻訳システムがちゃんと働いてるかちょっと試してみよう” と言って茶目っ気たっぷりに “The red dog flew in the yellow balloon.(赤い犬が黄色い風船で空を飛んだ。)” をロシア語に訳させ大ウケ。ステージ裏で頑張ってる同時通訳タイピストのオネーさんも大変ですな。
 そんなこんなで一息入れた後、ポールが“60年代のアメリカで差別と闘う黒人女性のことを思い浮かべて書いた歌です。” と言って「ブラックバード」のイントロを弾き始めると大歓声が上がる。それにしてもポールっていくつになってもホンマに歌上手いなぁ... (≧▽≦) 同じアコギの「エヴリナイト」も心に沁みる。続いてイントロでフェイクを一発かました後、おもむろに「ウィー・キャン・ワーク・イット・アウト」を歌い出すポール。アコギ1本で歌うポールの雄姿もカッコイイし、手拍子とサビの大合唱で応える大観衆もめっちゃエエ感じ。やはり東西を問わずビートルズ・ナンバーはオーディエンスの食いつきが違います(^.^)
Paul McCartney - We Can Work It Out (Live)


 続いてはステージに運び込まれたマジック・ピアノの弾き語りで「ユー・ネヴァー・ギヴ・ミー・ユア・マネー~キャリー・ザット・ウエイト」、「フール・オン・ザ・ヒル」を歌う。特に「フール・オン・ザ・ヒル」の “See the sun going down~♪” の歌詞の所で赤の広場の向こうに沈んでいく夕陽が映し出される粋なカメラ・ワークには唸ってしまった。
Paul McCartney - Fool On The Hill (Live)


 ジョンとジョージへの追悼コーナーでは二人への想いを込めて「ヒア・トゥデイ」と「サムシング」を歌うポールに目頭が熱くなるが、その姿からは “歌い続けることこそが生き残った者の使命” とでも言わんばかりのポールの不退転の決意のようなものがヒシヒシと伝わってくるし、バックのスクリーンに映し出される映像にも涙ちょちょぎれる。ビートルズ・ファンとしては万感胸に迫る時間帯だ。
 続いてストリングスのオケをバックにアコギ1本で歌う「エリナー・リグビー」、ポール・ウィックス・ウィケンズのアコーディオンが実にエエ味を出してる「ヒア・ゼア・アンド・エヴリウェア」、エイブ・ラボリエル・ジュニアのドライヴ感溢れるブラッシュ・プレイがたまらない「アイヴ・ジャスト・シーン・ア・フェイス」、あのプーチン大統領も笑顔で聴き入る美しいメロディーの「カリコ・スカイズ」、バンド・サウンドからコーラス・ワークに至るまでビートリィな薫り横溢の「トゥー・オブ・アス」、 “〇△×■◆※ フランスゥー” というポールのロシア語による曲紹介で始まる「ミッシェル」と珠玉の名曲の数々が次から次へと登場、夕闇が迫る中繰り広げられたこのアコースティック・セットは前半最大の見所だと思う。 (つづく)
Paul McCartney - I've Just Seen A Face (Live)

Paul McCartney - Two Of Us [Red Square, Moscow '2003]
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