shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

Paul McCartney In Red Square DVD

2013-08-01 | Paul McCartney
 ポール大阪公演の詳細が中々発表されない。会場すら未定とは一体どーなっておるのか! よりにもよって何故大阪だけが決まらないのか... と悶々としながらポールのライヴDVDを取っかえ引っかえ見る毎日だ。ということで今日はそんな中から「ポール・マッカートニー・イン・レッド・スクエア」を取り上げよう。
 このDVDは2部構成になっており、第一部には2003年にモスクワの赤の広場で行われたポール初のロシア公演の模様が、第二部には翌2004年のサンクトペテルブルク公演の模様が収められている。 “赤の広場コンサート” の方はDVD発売前にNHKで放送されたものとほとんど同じ内容だが、サンクトペテルブルク公演の方は持ってなかったので迷わず購入。
 まず第一部の “赤の広場コンサート” だが、これはライヴ・コンサートの映像というよりは “ライヴの映像を細切れにして散りばめたドキュメンタリー作品” と言うべきもので、ちょうど「バック・イン・ザ・US」や「ザ・スペース・ウィズイン・アス」みたいに曲と曲の間に余計なインタビューや映像がガンガン挿入されるのだが、コレがもう鬱陶しくて仕方がない。旧ソ連の共産主義社会崩壊にビートルズが果たした役割がいかに大きかったかという趣旨の話がロシアの社会学者やらローカル・ミュージシャンやらへのインタビューでしつこく語られるのだ。音楽以外には何の関心も無い私は “そんなことどーでもエエから早よステージに戻れよ!” とイライラしっぱなし<`ヘ´>  肝心の演奏シーンもくだらんインタビューでバラバラにされた上に夜のシーンの次に昼のシーンが出てくるという時系列を無視したアホバカ編集で、見ていてめっちゃ違和感を感じてしまう。ポールのロシア初ライヴという最高の素材を最悪の編集で台無しにしてしまっているのが残念だ。
 ただ、プーチンやゴルバチョフと対面するシーンとか音楽院や孤児院を訪問するシーンといった興味深い映像もあってそれはそれで結構楽しめる。出来ることなら本編ディスクはライヴ演奏だけを演奏順にノーカットで収録して、それとは別に “ポールのロシア滞在記” みたいなノリで(← ヘザー“銭ゲバ”ミルズの存在が目障りやけど…)こういった貴重な映像だけをまとめてボーナス・ディスクとして付けてくれた方がファンとしては遥かに嬉しかったのだが...(>_<)
 しかしそーいったマイナス・ファクターを差し引いても十分にお釣りがくるぐらい演奏シーンは素晴らしく、ビートルズ・ファンとしてはポールが赤の広場で大観衆を前にあの「バック・イン・ザ・USSR」を歌うという、もうこれ以上は考えられないシチュエーションに大感激! ロシアのファンの熱狂ぶりも目を見張るものがあり、特にこの曲のイントロが会場に響き渡った瞬間の盛り上がりようは凄まじく、人人人で埋め尽くされた赤の広場がお祭り騒ぎ状態だ。
 他にも「キャント・バイ・ミー・ラヴ」や「アイ・ソー・ハー・スタンディング・ゼア」、「バースデー」など、これでもかとばかりに繰り出されるビートルズ・ナンバーのカッコ良さに大コーフン(ノ^^)八(^^ )ノ 途中からプーチン大統領まで会場に駆けつけた(←まぁあのプーチンのことやから西側への絶好のプロパガンダとしてポール利用したんやろうけど…)この歴史的な “赤の広場” ライヴを見るたびに、ポールの圧倒的存在感、そして彼の作品の重みをヒシヒシと感じるのだ。
Paul McCartney Back in the U S S R from Concert In Red Square editor Candace Corelli

 
 第二部はモスクワに次ぐロシア第二の都市であるサンクトペテルブルグのパレス・スクエアで行われた2004年のライヴ全33曲の中から “赤の広場コンサート” と曲目が被らないように(←ただし当然のことながら「バック・イン・ザ・USSR」だけは例外!)11曲が選ばれて収録されており、 “赤の広場” のライヴ映像に比べて画質は少し落ちるものの、余計なインタビューをはさまずに演奏シーンのみで構成されたコンサート映像なので気持ち良く鑑賞できるのが嬉しい。やっぱりライヴDVDはこうでなくっちゃ(^o^)丿
 収録された曲の中では何と言っても “ハードロックの原型” と言われる「ヘルター・スケルター」が圧倒的に素晴らしい。私なんかパレス・スクエアに響き渡るあのイントロを聴いただけでもう鳥肌モノなのだが、とても60代前半(!)とは信じられないぐらいのパワフルなシャウトを聴かせながら原曲のキーのままでこの難曲を歌い切るポールのカッコ良さに惚れ惚れする。
Helter Skelter


 「ヘルター・スケルター」以外では、「フレイミング・パイ」の心地良いグルーヴ感や「レット・ミー・ロール・イット」の演奏後にポールがジミヘンの「フォクシー・レディー」のイントロを弾いて大喝采を浴びるシーンなんかが個人的にはツボなのだが、ビートルズ・ナンバーではドライヴ感抜群の「ゲット・バック」やポールの力強い歌声が堪能できる「アイヴ・ガット・ア・フィーリング」、そしてコンサートのシメにこれ以上相応しい構成は考えられない「サージェント・ペパーズ(←当然 “We hope you have enjoyed the show♪”や“We're sorry but its time to go♪” のリプリーズ・ヴァージョンだ!)~ジ・エンド」なんかが印象的だった。
Paul McCartney - Get Back (Live in St. Petersburg 2003)

Paul McCartney - SGT Pepper's Lonely Hearts Club Band / The End (Live in St. Petersburg 2003)


 このようにいいことずくめのサンクトペテルブルク公演だが、敢えて不満を言えば、「ユー・ウォント・シー・ミー」、「シーズ・ア・ウーマン」、「アイル・フォロー・ザ・サン」、「フォー・ノー・ワン」のように “赤の広場コンサート” でも演っていない曲がカットされてしまったこと。特に「シーズ・ア・ウーマン」は、あの突き刺さるようなイントロを聴いただけで武道館コンサートを思い出してしまう超愛聴曲なので、ぜひとも収録して欲しかった...(>_<)  ポールの記念すべきロシア公演をストレス無しに見れるという点で、私は “赤の広場” よりもこの “サンクトペテルブルク” の方を気に入っているので、これの “ノーカット完全版” も見てみたいなぁ... (≧▽≦)
Paul McCartney - She's A Woman [live in St. Petersburg, Russia 2004]

Paul McCartney - You Won't See Me [live in St. Petersburg, Russia 2004]
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