shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

Paul McCartney In Complete Red Square DVD (Pt. 2)

2013-08-12 | Paul McCartney
 ディスク2に入ってコンサートもいよいよ後半戦に突入、ポールはアコギから再びヴァイオリン・ベースに持ち替えて「バンド・オン・ザ・ラン」を歌い出す。ビートルズ時代に負けないぐらいポールが輝いていた70年代の曲を演ってくれると私的にはめっちゃ嬉しい。学生時代にリアルタイムで聴いて育ったウイングス・ナンバーには思い入れがたっぷりあるので、それを21世紀に入って再び聴けるというのは感慨もひとしおだ。
Paul McCartney - Band On The Run ( In Red Square )


 そしてキタ━━━(゜∀゜)━━━!!! 待ちに待ったあのジェット音。これを歴史的瞬間と言わずして何と言おう? 赤いシャツを着たポールがモスクワの赤の広場で10万人の大観衆を前に「バック・イン・ザUSSR」を歌う... 最高ではないか! ビーチ・ボーイズをパロッたコーラス・ワークも見事に再現されているし、ハイ・テンションで “Moscow girls make me sing and shout♪” と叫ぶポールの姿はこの赤の広場公演のハイライトの一つと言えるだろう。
 続いてピアノの前に座ったポールが歌い始めたのは「メイビー・アイム・アメイズド」。「ウイングス・オーヴァー・アメリカ」を聴けば分かるように、この曲は何と言ってもライヴ・ヴァージョンに尽きると思うのだが、ここでも赤の広場に響き渡るポールのソウルフルなヴォーカルが存分に楽しめて言うことナシだ(^.^)
Paul McCartney – Maybe I'm Amazed (Live)


 ポールが所々でフェイクを交えながら軽快に歌う「レット・エム・イン」、 “〇△×■◆※リンダ... 会場にいるすべての恋人たちに捧げます...” と言って歌い始める「マイ・ラヴ」と70年代ウイングスのヒット曲が続く。至る所でライターや線香花火(?)が灯され、会場全体がポールの歌声に酔っているかのようだ。
 “次は60年代にポールがレコーディングした曲だけど、ライヴで演るのはこのツアーが初めてなので、この曲をコンサートで聴くのはみなさんが最初です。” というポール・ウィックス・ウィケンズのMCで始まるのは何と「シーズ・リーヴィング・ホーム」、かつては “ライヴでは再現不可能” と言われたペパーズ曲もどんどんセットリストに加えていくポールの意欲的な姿勢が嬉しい。
Paul McCartney - She's Leaving Home [Red Square '2003]


 ここからはノリの良いアップテンポなナンバーが続く。まずは「キャント・バイ・ミー・ラヴ」... ポールがこの曲を歌い出すと会場全体から大歓声が上がり、オーディエンスは総立ちで手拍子を打ったり踊り始めたりともう大コーフン状態だ。バックのスクリーンに映画「ハード・デイズ・ナイト」のシーンを映し出す演出もニクイですなぁ... (≧▽≦)
Paul McCartney - Can't Buy Me Love (Live)


  続いて “次の曲はみなさんの中で今日誕生日を迎えた人に贈りたいと思います... ハッピー・バースデー・トゥ・ユー!” というMCで始まった「バースデー」、とても還暦とは思えない元気な歌声を聴かせるポールとそれに手拍子で応える大観衆。もうノリノリである。やっぱりビートルズはロックンロールが最高やね(^.^)
Paul McCartney - Birthday [Red Square, Moscow '2003]


 ロシアと言えばスパイ、スパイと言えば007、007と言えばもちろん「リヴ・アンド・レット・ダイ」である(←何じゃそりゃ...)。凄まじい爆裂音と火柱の演出はこの曲のお約束だが、 “来るぞ... 来るぞ...” と分かってはいてもやっぱりコーフンしてしまう。ピアノを激しく連打しながら歌うポールがめちゃくちゃカッコイイ(^o^)丿 血湧き肉躍る演奏とはこういうのを言うのだ。
Paul McCartney - Live And Let Die (Live Red Square Moscow)


 次は一転してポールのライヴ定番中の定番「レット・イット・ビー」でスロー・ダウン。アップになったオーディエンスはみんな幸せそのものという表情でポールの歌声に酔いしれている。ソウルフルなバック・コーラスがこの曲のゴスペル・フィーリングに拍車をかけているのも◎。そしてライヴ本編のラストを飾るのは「ヘイ・ジュード」だ。 後半のリフレイン・パートではお約束の男女対抗コーラス大会に突入し、最後は赤の広場を埋め尽くしたオーディエンス全員での大合唱... あの冷徹なプーチン大統領ですら無意識に身体でリズムを取ってしまう(←5分30秒~42秒あたり)圧倒的なグルーヴが会場全体を包み込むさまは実に壮観だ。
Paul McCartney - Hey Jude Live Red Square HQ


 アンコール1で登場したポールはステージ中央に設置されたキーボードに座って「ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード」を歌う。フィル・スペクターのオーケストラ・アレンジを絶妙なプレイで再現するラスティ・アンダーソンのギターが素晴らしい。 “ロックしようぜ!” の言葉と共にポールが弾き始めたのはご存じ「レディ・マドンナ」、思わず身体が揺れるこの感覚こそまさにロックンロールそのものだ。曲が終わるとポールは再びヴァイオリン・ベースを手にし、 “まだ十分エネルギー残ってるだろ?” と叫んで「アイ・ソー・ハー・スタンディング・ゼア」がスタート、60年代ビートルマニアの熱気が赤の広場を包み込む。ポールのヴォーカルも絶好調だ。ただ、ラスティのソロが流暢すぎるのが玉にキズ...(>_<)  この曲はオリジナルのあの引っ掛かる様なギター・ソロでないと... と感じるのは私だけかな?
Paul McCartney - I Saw Her Standing There (Live)


 アンコール2ではまずアコギを抱えたポールが一人で登場し「イエスタデイ」を歌う。う~ん、何回聴いても心に沁みる名曲中の名曲やねぇ~(≧▽≦) 曲に酔いしれる人々の表情がめっちゃエエ感じ。 “次の曲は今夜赤の広場に集まってくれたみんな、そしてロシアの人達すべてのために歌います。” というポールの言葉に続いて響き渡るジェット音... そう、この日2回目の「バック・イン・ザUSSR」だ。カメラを意識して(?)背筋をピシッと伸ばしながらも小刻み身体を揺らすプーチン大統領の姿が微笑ましい(笑) 
 ヴァイオリン・ベースからレスポールに持ち替え、“そろそろ家に帰る時間だ... 僕らも君たちもね。” とポールが言うと大観衆は “NO!!!!!”... ポールの“Oh Yeah!” vs オーディエンスの“NO!” の掛け合いが数回続いた後、サンクトペテルブルク公演と同じ「サージェント・ペパーズ(リプリーズ)~ジ・エンド」でこの歴史的コンサートは無事終了。いやぁ~、このDVD買ってホンマに良かったですわ。「ロック・ショウ」でも明らかなように、やっぱりライヴDVDは小賢しい編集をせずにノーカットで完全収録したものに限りますな...(^.^)
Paul McCartney -Back In The USSR Live Red Square
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