shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

ピアノ・マン / ビリー・ジョエル

2011-02-09 | Rock & Pops (70's)
 先週の土曜日、サムとデイヴがウチの家へ遊びに来てくれた。G3 以外で友人を家に呼ぶのはホンマに久しぶりである。ベジタリアンの二人のために頑張ってイタリアンのミニ・コースを作ったらめっちゃ喜んでくれた。お世辞半分だとしても “美味しい!” と言ってもらえるとやはり嬉しいモンである。そんなこんなで料理や音楽の話で会話も弾み、すっかりリラックスした我々はリスニング・ルームへと移動した。
 部屋に入った二人は壁一面の LP を見て “ワァオ~(゜o゜)” と驚きながらも早速 LP 棚をチェックし始めた。とにかく二人とも CD には目もくれずに LP オンリーである。サムは60's オールディーズのコーナーを、デイヴは70's ロックのコーナーを熱心に見ている。 “気に入った盤あったら何でもかけるから言ってね~ (^_^)” と言うと二人は “You look like a DJ!” と笑いながら次々と LP を棚から引き抜いて渡してくれた。
 G3 の時と同じで、ある LP の中からどの曲を選ぶかでその人の趣味嗜好というものが浮き彫りになるものだが、二人の選曲は実に私と似通っている。サムはジャッキー・ウィルソンの「リート・ペティート」やサム・クックの「チェイン・ギャング」、デイヴはカーズの「ジャスト・ホワット・アイ・ニーディッド」やフォリナーの「コールド・アズ・アイス」などを選曲したが、彼がクリムゾンの 1st から「21センチュリー・スキッツォイド・マン」と「ザ・コート・オブ・ザ・クリムゾン・キング」を、エルヴィスのラスベガス・ライヴから「イン・ザ・ゲットー」と「サスピシャス・マインド」と、それぞれ2曲ずつ指定してきた時は以心伝心というか、私も全く同じチョイスを考えていたので嬉しくなり思わずハグしてしまった(笑)
 そんな中、サムが大好きだというビリー・ジョエルの2枚組ベスト・アルバム「グレイテスト・ヒッツ Vol.Ⅰ& Vol.Ⅱ」を私に差し出し、どれでもいいから好きな1曲を選べと言う(←なぜか「オネスティ」だけは嫌いらしいが...)。ビリー全盛期の名曲が満載のアルバムから1曲というのはかなり難しい注文だが、私は一瞬迷ったあげく、初期の大名曲「ピアノ・マン」を選んだ。もちろんメロディーもサウンド・プロダクションも素晴らしいのだが、何と言ってもその歌詞が最高なのだ。
 この曲はあるバーに集まる常連客についてピアノ弾きが見聞きしたことを語りながら孤独な現代人の心情を見事に描いたもので(←YouTubeで訳詞付きのヤツを見つけたので下に貼っときました)、目を閉じて聴いていると薄暗いバーの光景が、そしてそこでピアノ弾きが目にする人間模様が鮮やかに浮かんでくる。ビリーの歌声は登場人物の語りの部分で何かを訴えるようにより力強く響き、エンディングの自らへの問いかけ “Man, what are you doing here?” でそれが最高潮に達するのである。何という見事な語り口だろう!まさに稀代のストーリーテラー、ビリー・ジョエルの面目躍如と言っていいナンバーだ。
 彼のピアノも緩急自在なプレイで曲の魅力を最大限引き出していて言うことナシ。しかも間奏のハーモニカ(正式にはブルースハープ)がこれまた絶品で、私の心の琴線をビンビン震わせる。そんなビリー屈指の名曲名演を音楽好きの朋友と共に大音量で聴く喜びを何と表現しよう? この曲は中学の頃からもう何百回と聴いてきたが、これまでで一番感動した「ピアノ・マン」だった。言葉の壁を乗り越えて素晴らしい音空間を分かち合えたサム&デイヴにはいくら感謝しても足りない。やっぱり持つべきものは音楽の話が出来る友人やねぇ... (≧▽≦)

PIANO MAN 訳詞付 / ビリー・ジョエル


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