津々堂のたわごと日録

爺様のたわごとは果たして世の中で通用するのか?

■ガラシャは「青邨」

2019-11-11 12:52:25 | 徒然

 本棚の整理はまだ続いている。処分するダンボール箱が水曜日のゴミ出し日まで部屋の片隅に山を為している。
書籍にしろ資料にしろ手にしては、中身をながめてはしばらく時間を浪費するから、完了するにはまだまだ時間がかかりそうである。
そんな中で、「前田青邨遺作展」の図録が出てきた。昭和54年、東京・大阪・京都・名古屋・横浜で氏の三回忌にあたり遺作展が模様された折の図録である。
「ガラシャ夫人」の像が表紙に用いられた居るが、「ガラシャ夫人像は前田青邨が第一人者」と信じて疑わない私が、数年前求めたものである。
バチカン美術館の依頼により制作された作品で、現在は同館に収蔵されており、中々里帰りをして展観する機会はもうないのかもしれない。
気品に満ちた面立ちは強い意志を秘めている。長い髪の一筋を右手で膝の上で握りしめ、帯の左にさりげなくクルスが配されている。
文机の上の螺鈿と思われる箱や、夫人の着物や帯の詳細な書き込みも見事というほかない。
後ろに建てられた屏風が夫人の背景と為されているが、茶色で一面に塗られた中に、薄墨でいろいろな当時の風俗が書き込まれている。
異人の姿が見え、また他方には「割菱」の紋を着けた上下の侍の姿などさりげなく配されていて、楽しませてくれる。

同図録には、「加藤清正像」などと共に武者絵なども見え、それぞれに私を楽しませてくれている。
画題は多方面にわたり、日本がの奥の深さに感動させられる。

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