津々堂のたわごと日録

爺様のたわごとは果たして世の中で通用するのか?

■「おしも覚書」(三・了)

2017-07-18 07:19:18 | 史料

             

                    

                       一少斎・石見・稲富此三人たんこう有て、いなとみハおもて
                        にて敵を防き候へ、其ひまに 御上様御さいこ候様ニ可
                        仕よしたんこう御座候ゆへ、則稲富ハ西の門へ居申候、左候て
                        其日の初夜の比敵御門前までよせ申候、稲富ハ其とき心替り
                        を仕り、敵と一所ニ成申候、其やうすを少斎聞、もはや成ま

                        しくと思ひ長刀をもち 御上様御座所へ参り、只今か御
                        さいこにて候由申され候、内々仰合候事にて御座候ゆへ、与一
                        郎様奥様をよひ、一所にて御はて候ハんとて御へやへ
                        人を被遣わ候へは、もはやいつかたへやらん御のき被成候ニ付、
                        御力なく御一人御果被成候、少斎長刀にて御かいしや
                        くいたし申され候事   
                       一三齋様・与一郎様江御書置被成候、私へ御渡し被成被仰候は
                        おく加賀と申女房と私と両人ニハおちのき候て御書置を
                        相届、御さいこのやうす 三齋様へ申上候やうにと御意
                        被成候ゆへ、此御さいこを見すて候てハ落申ましく候まゝ
                        御供いたし候ハんと申候へとも、二人ハ是非おち候へ、さなく

                        候ヘは此やうす御存知なされましく候まゝひらにと被
                        仰候故、甚是非なく御さいこを見届しまひ候ておち申、内記様
                        御ち人には内記様への御かたミを被置遣候事    
                       一私共御門へ出候時分ハ、最早御やかたに火かゝり申候、御門の
                        外にハ人大せい見へ申候、後に承り候へハ、敵にてハ御座な

                        く候由、火事ゆへあつまりたる人にて御さ候と申候、敵


                        

                        参り候も一ちやう見候にて候へ共、いなとミを引連御さいこ以前
                        に引申たるよし、是も後に承申候、則御屋にて腹を
                        切申候人は少斎・いわミ、石見おい六右衛門、同子壱人、此分をは
                        覚え申候、其外も二三人もはてられ候由申候へとも是ハしかと
                        覚不申こま/\しき事ハ書付られす候間あら/\
                        大かた如此にて候、以上     

                           正保五年二月十九日    志も(御判)


                            右自筆之書付御花畑御蔵に今に有之由

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