アリの一言 

天皇制、朝鮮半島、沖縄の現実と歴史などから、
  人権・平和・民主主義・生き方を考える。
   

「ウクライナ戦争と日本」伊勢崎賢治氏の近著から

2024年11月04日 | 国家と戦争
   

 誰が次のアメリカ大統領になろうと、イスラエルのジェノサイドとウクライナ戦争は一刻も早くやめさせなければなりせん。どうすれば停戦できるのか、そもそもウクライナ戦争と日本の関係は―伊勢崎賢治氏(元国連職員、写真中)の近著『14歳からの非戦入門―戦争とジェノサイドを即時終わらせるために』(ビジネス社2024年6月)を手掛かりにあらためて考えます。

 伊勢崎氏は、「近年とくに顕わになった「安全保障化」と、日本人の大半が気づいていない「緩衝国家」という2つのキーワードを軸に、世界と日本の危機をどう克服するかのヒントを提示したいと思い、急きょ書き上げた」(ブックカバー)と述べています。同書のポイントを抜粋します。

「安全保障化」…「安全保障化」とは、一般大衆に「恐怖」を植え付け、集団ヒステリーの凶行に走らせる一つの手法である。一例が、関東大震災朝鮮人虐殺事件である。
 直近の2年間にわれわれは2つの大きな「悪魔化」を経験している。2023年10月7日に「奇襲攻撃」を引き起こしたハマスと、2022年2月24日にウクライナに侵攻したプーチンだ。
 その喧伝が功を奏すればするほど、「悪魔がなぜその蛮行に至ったのか」を追及しようとする言説空間が消滅してゆく。
 「プーチンの絶対悪魔化」に、保守右派勢力ならともかく、9条護憲を掲げる日本共産党などリベラル左派勢力まで、みごとに「安全保障化」で翼賛化してゆく。

▷「緩衝国家」…「緩衝国家」とは、地理的に敵対する大国や軍事同盟の狭間に位置し、大国のどちらにつくかによって、その「代理戦争」の戦場となる国のことである。大国の本土を無傷にとどめ、敵対する相手国を弱体化する戦争の戦場になる国々である。
 ウクライナと同様に典型的な「緩衝国家」が日本だが、ウクライナにも存在しない国家の特質が、日本にはある。アメリカとの異様な関係性である。それを象徴するものが、「朝鮮国連軍」という「ゾンビ」である。

▷ウクライナ戦争の終結とは…ウクライナ戦争は2014年から始まったウクライナ東部紛争、つまり大国ロシアが介入した「ドンバス内戦」の延長である。ウクライナ戦争はこの段階から、ロシアといわゆる西側(アメリカ、EU&NATO)の対立が生む「代理戦争」だったのである。
 だから、「親ロシア派住民が標的になったその内戦が起きた根本の原因に対処しない限り、この戦争に終わりはない」と考えるのが真っ当な学問的姿勢である。
 つまりこの戦争の「終わり」とは、親ロシア派住民と親ヨーロッパ派住民の「和解」もしくは「民族融合」が達成されることである。

▷「停戦」と「終戦」…「停戦」は「終戦」ではない。人命を一人でも多く救うため、とにかく「戦闘を停止する」こと。
 領土の帰属問題、戦争犯罪の裁定などの正義の追求は、停戦後に一つ一つ最大限の中立性を演出しながら実行する。そして「民族融和」へ導かれる復興と同時に、戦争で壊れてしまった社会正義を修復すること。

▷「同調圧力」…停戦を訴えることは、ウクライナの人々の戦う意志を侮辱するものでも揶揄するものでもない。「勝利する」という同調圧力の熱狂の結果、日本は(先の戦争で―私)どういう末路を迎えたか。末路を現実視することは、決して愛国心の敗北ではないということを、ウクライナの人々に訴えるのはわれわれ日本人の責務ではないのか。

▷「代理戦争」…この戦争は【ロシア】対【アメリカ・NATO】の「代理戦争」である。戦況の趨勢に最大かつ直接的な影響を与えるのは、当事者ウクライナではなく、「代理戦争」のマスターであるアメリカである。
 「代理戦争」は、どんなものであれ、絶対に「成功」させてはならないのだ。それが一度起きてしまったら、関係するすべての国家間の対話と外交交渉で、一刻も早い停戦を実現することだ。それが「代理戦争」の処理に対する基本姿勢であるべきだ。

▷「新しい戦前」…国民が戦争と、それへの動員を受け入れる土壌と文化をつくるには、かならず仮想敵国を標的にする「絶対悪魔化」が、戦争に至る前の“平時”において必要となる。これが、ウクライナ戦争を機に、平時であるはずの今の日本で起きていることだ。
 特記しなければならないのは、こういう状況では、単に愛国主義勢力が大手を振るだけでなく、その真逆に位置するはずの反戦勢力が、「平和を自衛する」ために、「絶対悪魔化」に加担し、翼賛体制をつくるということだ。こうなると、国家は戦争へのブレーキを完全に喪失する。「新しい戦前」とは、こういうことだ。(以上、同書より)

 同じ「緩衝国家」でありながら「ウクライナにも存在しない日本の特質」。その元凶、日本がアメリカの「代理戦争」にいま加担している、そして新たな「代理戦争」の戦場になろうとしている、その危機の根源が、日米軍事同盟=安保条約であることを改めて銘記する必要があります。

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イスラエル軍人の宿泊を拒否して解雇されたホテル支配人

2024年10月23日 | 国家と戦争
  

 「今すぐ戦争止めよう!万博・カジノ・原発STOP!希望はここだ!」をスローガンにした「団結まつり」(主催・平和と民主主義をめざす全国交歓会)が14日、大阪市内でありました。

 そこでブラジル出身の男性(京都在住)がパレスチナへの連帯をアピールしました(写真左は8月末のガザ)。男性の名前はジェロニモ・ゲレスさん(写真右)。とても明るい人でしたが、ゲレスさんはことし6月、ガザでジェノサイドを続けているイスラエル軍関係者の宿泊を拒否しキャンセルを要求したことによって解雇されていました。経過はこうです。

 6月11日、ゲレスさんが支配人を務めていた京都市内のホテル(全6室)に1人の男性から予約が入った。ゲレスさんは質の高い接客を行うため、予約者の情報をネットで検索するのが通例だった。その結果、男性はイスラエル国防軍の現役の軍人であることが分かった。

 ゲレスさんはメールで「ガザの紛争でイスラエル国防軍による戦争犯罪の可能性が報告されているため、イスラエル軍と関係があると考えられる方からの予約を受け付けることができません」とキャンセルするよう要求した。

 男性は「予約は取り消す」と応じると同時に、「ガザで何が起きているのか勉強することをお勧めする」などと述べた。

 その直後からネットでゲレスさへのバッシングが始まった。同17日にはイスラエルでも報道された。駐日イスラエル大使館は同じく17日付でホテルの運営会社に抗議文を送った。同日、ネットで情報を得た京都市が調査を開始。市は「実際に軍関係者かどうかに関係なく、違法(旅館業法)であると判断」(6月22日付京都新聞)し、運営会社に20日口頭で、21日には文書で行政指導を行い、同日記者会見で発表した。

 一方、上川陽子外相(当時)は同じ21日、京都市の会見より早い日午前中の記者会見で、この件について読売新聞記者の質問に答え、「国籍を理由とする宿泊拒否は許容できない」と述べた。

 運営会社はゲレスさんを10日間の出勤停止処分にしたのに続き、7月11日解雇した。
 ゲレスさんは「解雇は不当」として京都地裁に提訴した。

 以上の経過で特徴的なのは、外務省、京都市の対応の速さです。京都市は調査を始めて3日で口頭指導、4日目に文書指導し記者会見しました。外務省は京都市の会見前に外相が記者会見で見解を述べました。イスラエル政府からの要請(抗議)あるいはイスラエル政府への忖度が推測されます。

 問題の焦点は、国際人道法違反の戦争犯罪(あるいはその容疑がある)組織に属する者の宿泊拒否は正当か、ということです。

 ゲレスさんは国籍(イスラエル)で宿泊を拒否したのではなく、あくまでも男性がイスラエル国防軍の軍人だったためキャンセルを要求したのです。

 ゲレスさんは男性にこう説明しました。「ジュネーブ諸条約及び追加議定書に基づく国際人道法で禁止されている戦争行為の実行を支援した、または支援している可能性がある人々に宿泊施設を提供することは、紛争が終わり次第、当ホテルが、戦争犯罪で起訴される可能性のある人物の共犯者または補助者と見なされるリスクを伴います」

 旅館業法では「正当な理由」があれば宿泊を拒否できるとしています。ゲレスさんは「戦争犯罪のイスラエル国防軍関係者」であることは「正当な理由」になると考え、京都市や外務省はそうではないという見解を示しました。

 旅館業法はおそらく「国際法違反の戦争犯罪関係者」の宿泊は想定していないでしょう。法的にどう考えるべきか、新たな課題が提起されています。

 しかし明らかなことは、ジェノサイドは許されない、許さないという基本的立場で対応したゲレスさんの行為は、称賛されこそすれ、けっして非難されるものではないということです。ましてそれを理由とした解雇は不当解雇と言わざるをえません。

 いまこの瞬間も多くの子どもを含む市民が犠牲になっているイスラエルのジェノサイド。それを一刻も早くやめさせるために自分には何ができるか、何をすべきか。ゲレスさんは常日頃そういう意識を持って生活し仕事をしていたからこそ以上のような対応をしたのでしょう。
 その思想、行動力を、私は見習いたいと思います。

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停戦・和平のカギはウクライナのNATO非加盟・中立化

2024年09月30日 | 国家と戦争
   

 バイデン米大統領との会談(26日)でウクライナのゼレンスキー大統領は「勝利計画」を提示し、バイデン氏は約1兆1560億円(80億㌦)の追加軍事支援を約束しました。戦争の激化は必至です。

 ゼレンスキー氏が示した「勝利計画」の内容は、事前に報じられていたましたが(9月20日のブログ参照)、ウクライナ大統領府長官はニューヨークでの講演で、「勝利計画」に「ウクライナを北大西洋条約機構(NATO)に招待するとの項目が盛り込まれている」(25日付共同配信)ことを特に公表しました。

 このことは逆に、停戦・和平のカギが何かを示唆しています。それは、ウクライナがNATOに加盟せず中立化することです。

 それはプーチン大統領が停戦・和平の条件としている「初期の目的」でもあり、ロシアが和平交渉のテーブルにつく可能性は大です。

 ここで強調する必要があるのは、ウクライナのNATO非加盟・中立化はけっしてロシアの一方的な要求ではなく、ウクライナ自身が目指していたものでもあるということです。

 第1に想起すべきは、「今回のロシアによるウクライナ侵攻の直接の契機になったのは「NATOの東方拡大」問題」(下斗米伸夫・法政大名誉教授著『プーチン戦争の論理』集英社インターナショナル新書2022年10月)だということです。

 その「NATOの東方拡大」は、ベイカー米国務長官(当時)がソ連のゴルバチョフ大統領(同)とのあいだで交わした「NATOは東方へ1インチも拡大しない」という約束(1990年2月)を破棄し、米クリントン政権によって1990年代半ばから計画。ジョージ・ケナンなど対ロ政策の米専門家も「最大の誤り」と警告しました。
 そして2009年、オバマ政権時代にバイデン副大統領(当時)がウクライナをNATO加盟に誘い、ロシアを激怒させたのです(以上は下斗米氏の前掲書より)。

 今回のウクライナ戦争に直接つながる「マイダンクーデター(革命)」(2014年2月)も、バイデン氏を中心にアメリカ政府が裏で操ったものでした。

 第2に、ゼレンスキー氏自身、大統領就任当初はNATO加盟は考えていなかったけれど、「民族右派やネオ・ナチの圧力」で態度が一変しました。

「2019年に行われた大統領選挙で、ゼレンスキー氏が、対ロ和平を掲げることで東部・西部双方から支持を受けて圧勝、同年5月に第6代大統領に就任する。就任当初のゼレンスキーは、ミンスク合意Ⅱの和平案(2015年2月)を推進するかと思われた。ところが2019年末には対ロ強硬派の主導により、ゼレンスキーはNATO早期加盟へと態度を豹変させる。その背景には民族右派やネオ・ナチの圧力に加え、大統領の人気低下もあった」(下斗米氏、前掲書)

 第3に、ウクライナとロシアの間では2022年4月15日にいったん和平案が合意されており、そこにはウクライナのNATO非加盟・中立化が明記されていました。

「米紙ウォールストリート・ジャーナル電子版は(24年3月)1日、ロシアがウクライナに侵攻してから50日後に、両国の交渉担当者がまとめた和平草案を確認したと報じた。
 ウクライナは北大西洋条約機構(NATO)のような軍事同盟に加わらない永世中立国となり、外国兵器は配備しないことなどが盛り込まれていたという。(中略)
 17㌻の草案は2022年4月15日付。ウクライナが欧州連合(EU)加盟を目指すことは可能とするが、軍事同盟入りはしないとした」(24年3月3日付共同配信)

 第4に、上記の「和平合意」を潰したのは米バイデン政権とNATOだということです。

「ロシアのウクライナ侵攻翌日の2月25日、ゼレンスキー大統領は直ちに和平の模索のためにスイス政府と連絡を取った。そして翌3月から6月にかけて3度にわたって和平交渉が試みられた。しかしそれら全てが、米英欧の圧力によって潰された事実は、西側メディアでは重要視されなかった。米国の主要目的が、ロシアの弱体化だったからだ」(荻野文隆・東京学芸大名誉教授の論稿、藤原書店「機」2月号所収)(3月7日のブログ参照)

 今回の戦争は、ウクライナを前面に立てたアメリカ・NATOとロシアの代理戦争と言って過言ではありません。アメリカが国内の反対世論を押し切って巨額の軍事支援を続けているのもそのためです。

 戦争を終結させるカギは、アメリカ・NATOの干渉を排除し、ウクライナも当初同意していたNATO非加盟・中立化へ舵を切り直すことであることを改めて銘記すべきです。

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ウクライナ支援に反対して躍進する独左派新党の注目すべき主張

2024年09月23日 | 国家と戦争
   

 ドイツのシュルツ政権を批判する右派が躍進したことは広く報じられましたが(4日のブログ参照)、躍進しているのは右派だけではありません。左派の新政党もそうです。

 両者に共通しているのは、ウクライナへの軍事支援に反対していることです。

 その左派新党は、ザーラ・ワーゲンクネヒト党首(56)が率いるザーラ・ワーゲンクネヒト同盟。20日のNHK BS・国際報道2024(21日総合で再放送)が同党首の主張を紹介しました。番組から引用します(写真も)。

<新党立ち上げ>

・現政権は戦後ドイツで最低の政権だ。有権者は投票すべき党が分からず絶望し、右派「ドイツのための選択肢」を選ぼうとしている。この状況を放置できないので新党を立ち上げた。

・我が党は、ドイツに変化をもたらす平和、繁栄、安全保障のための新たな力となる。

<ウクライナ支援に反対>

・この2年半(ウクライナへ)次々と兵器を送ったが、戦争は終わったか?

・流血を止めるために、いまこそ真剣な外交努力が必要だ。

・戦争を始める政治家は犯罪者だが、この基準をウクライナ戦争だけに適用することはできない。ユーゴスラビア、イラク、リビア、アフガニスタンで(欧米が)始めた戦争も犯罪だ。

<ロシアとの対話重視>

・ドイツは偉大な社会民主党の“緊張緩和”を今こそ思い起こすべきだ。

・市民の暮らしを危険にさらす政策より、緊張緩和・平和・外交を求める。

 番組では、こうしたワーゲンクネヒト党首の主張に共感し、これまでの与党支持から同党支持に変えた男性の声も紹介しました。

「本当に感銘を受けた。(欧米とロシアの)対立はもう十分だ。彼女が言う通り、これ以上武器はいらない。より多くの苦しみが生まれるだけだ。(対ロ制裁にも)反対だ。(制裁の影響は)自分たちが傷つくだけだから」

 ドイツの専門家は、ザーラ・ワーゲンクネヒト同盟は、ブランデンブルク州選挙(22日)に続き、来年の連邦議会選挙へ勢いを維持する可能性があるとみています。

 ワーゲンクネヒト党首の主張はたいへん共感できます。同党の躍進に注目し、応援したいと思います。

 同時に思うのは、同党の存在・主張が20日の上記番組まで詳しく報道されることがなかったことの問題です(私の情報収集不足もありますが)。ウクライナ戦争の軍事支援に反対するこうした意見は、ドイツにおける同党だけでなく、他の欧州各国でも広がっているのではないでしょうか。

 日本メディアの偏向報道に日々影響されている現状の危険性をあらためて痛感します。

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ウクライナ・必要なのは「勝利計画」ではなく「即時停戦交渉」

2024年09月20日 | 国家と戦争
  

 ウクライナのゼレンスキー大統領は近く訪米し、バイデン大統領らに<戦争終結案「勝利計画」>を提示します。その内容が19日付の京都新聞(共同配信)に掲載されました。

<戦争終結案「勝利計画」のポイントは、①必要な米欧製兵器の種類、数量、納期、使用の狙いを説明し、長射程ミサイルによるロシア領攻撃の容認を要求②ウクライナの軍需産業への投資要請。必要額提示③ロシア西部クルスク州への越境攻撃の成果を説明④対ロ制裁の抜け穴を指摘。ロシアへの外交圧力を強化⑤ウクライナの北大西洋条約機構(NATO)早期加盟を要求>(19日付京都新聞=共同)

 一見して明らかなように、これは停戦・和平案ではなく、あくまでもウクライナが「勝利」するために、アメリカはじめNATO諸国に軍事支援のさらなる強化を求める「計画」です。ウクライナが「勝利」する以外に「戦争終結」はありえないというゼレンスキー氏の持論を具体化したものです。

 この「計画」がもたらすものは戦争の一層の激化・長期化以外にありません。

 ウクライナ、ロシア両軍の死傷者はすでに100万人に上っています(17日の米紙ウォールストリート・ジャーナル)。これに市民の死傷者数を加えればその数ははるかに上回ります。「勝利」以外に「終結」はないとする姿勢に固執すれば犠牲者は増えるばかりです。

 いま必要なのは即時停戦であり、それに向けた国際世論と仲介です。

 その動きがこの1年数カ月まったく見られない(表面化しない)のはいったいどうしてでしょうか?

 昨年の2~4月ごろには、中国やブラジル、アフリカなどグローバルサウスの国々からも和平案が提示されました。

 日本でも、和田春樹氏、羽場久美子ら学者・ジャーナリスト31氏が連名で即時停戦を訴える「声明」を発表しました(23年4月5日、写真右)。(23年4月8日のブログ参照)

 「声明」は、「いまやNATO諸国が供与した兵器が戦場の趨勢を左右するにいたり、戦争は代理戦争の様相を呈しています」「G7支援国はこれ以上武器を援助するのではなく、「交渉のテーブル」をつくるべきなのです。グローバルサウスの中立国は中国、インドを中心に交渉仲裁国の役割を演じなければなりません」と指摘していました。

 その指摘はきわめて適切であり、いままさに強調されるべき視点です。31氏の中にはすぐれた学者が多く含まれています。パレスチナ情勢などその後の経過も踏まえ、第2の「声明」を今こそ発表することを強く期待します。


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ウクライナ戦争を「第2のベトナム戦争」にしないために

2024年09月11日 | 国家と戦争
   

 ハンギョレ新聞(3日付日本語電子版)に、「ウクライナ戦争は誰にとっての「ベトナム戦争」になるのか」と題したコラム(同紙国際部専任記者、チョン・ウィギル氏)が掲載されました。きわめて的確な分析・論評と思います。要点を抜粋します。

<ウクライナのドネツクに住んでいたロシア系高麗人のナタリア・ソさん(34)にとって戦争の開始は、ロシアがウクライナ侵攻を始めた2022年2月24日ではなく、1週間前の2月18日だ。ドネツク西部の衛星都市で生活していたソさんは、その日からウクライナ軍の砲撃を受け、避難せざるをえなかった。

 ウクライナにとってこの戦争は「ロシアの侵略戦争」であり、米国などの西側にとってはロシアの本能的な拡張野心を防ぐ戦争であり、ロシアにとってはウクライナ国内のロシア系住民を保護する「特別軍事作戦」だ。ウクライナ系住民にとっては「祖国防衛戦争」であり、ロシア系住民にとっては「自治と独立の戦争」だ。
 このような主観を取り払うと、ウクライナ戦争は西側とロシアの勢力圏戦争だ。その客観的状況はいま、ロシアにとっての第2のアフガニスタン戦争になるか、西側にとっての第2のベトナム戦争になるかという地点だ。

 戦争後はグローバルサウスの浮上が明確になった。西側の同盟国であるサウジアラビアやブラジルなどは対ロシア制裁に参加せず、ロシアとの交易を拡大した。非西洋の新興大国の集まりであるBRICSには、サウジアラビア・アラブ首長国連邦(UAE)・エジプト・エチオピアの加盟が昨年8月に決まった。

 米国の1000億ドルなど、西側は2000億ドルを超える軍事経済援助をウクライナに提供したが、この戦争で死活的な砲弾はほぼ10対1の水準でロシアが優位だ。ウクライナのクルスク攻撃後、両者は相手の領土、特にエネルギー施設に対する攻撃を強化している。このような消耗戦で誰が有利なのかは明確だ。

 相手の領土内のエネルギー施設などに対する攻撃は、ロシアが戦争1年目の2022年10月に始めた。その直前の9月末、ロシアとドイツを結ぶパイプラインのノルドストリームが爆破された。当時西側はロシアの自作自演だと示唆したが、ロシアは西側とウクライナに相応の報復を誓った。最近になりドイツはこの事件がウクライナ側の仕業だとして、ポーランドに逃亡した関連者を指名手配した。

 この戦争で確実なことは、もはやウクライナはロシアから完全に分離するしかないということだ。ウクライナ国内のロシア系地域や住民問題も、当該地域に自決権を付与するレベルで処理し、ウクライナは西側とロシアの間の緩衝地帯として残らなければならない。これを認めないのであれば、現時点ではウクライナ戦争は、ロシアの「第2のアフガン戦争」というよりも、むしろ西側の「第2のベトナム戦争」になる公算が大きい。>

 ベトナム戦争(1964~73)はアメリカのプロパガンダ(「トンキン湾事件」)に端を発したアメリカの覇権戦争で、多くのベトナム人、米兵が犠牲になりました。

 ウクライナ戦争を「第2のベトナム戦争」にしてはいけません。そのためにはウクライナは「西側とロシアの間の緩衝地帯として残る」、すなわち中立化することです。領土問題は「当該地域に自決権を付与」することで処理することと合わせ、即時停戦・和平のための現実的で有効な主張と考えます。

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ドイツ「右派」の躍進とウクライナ戦争

2024年09月04日 | 国家と戦争
   

 ドイツ東部2州で1日にあった州議会選挙で、「ドイツのための選択肢(AfD)」がデューリンゲン州で初めて第1党に、ザクセン州でも僅差の第2党に躍進しました。日本のメディアはこの結果を、「欧州で広がる右傾化がドイツでも鮮明になった」(3日付京都新聞=共同)と評しています。

 AfD躍進の背景については、「(ショルツ)政権が移民に寛容な政策を進める一方、地域住民の生活はないがしろにされているとの反発は大き(い)」(同)と、同党の「反移民」の主張が躍進の要因だと論評しています。

 こうしたメディアの評価・論評は正しいでしょうか。

 共同通信の現地リポート(3日付)によると、選挙戦の中でAfDの州支部代表は確かに「全ての元凶は移民だ」と「反移民」を強調しています。しかし、同時にこう続けています。

貧困にあえぐドイツ国民を救わず、ウクライナへの支援を語る政権は恥を知るべきだ

 「ウクライナへの軍事支援反対」がAfDの主要政策の1つでした。

 「ウクライナへの軍事支援停止を訴え、予算を生活支援などに使う姿勢を強調し、物価高で政府に不満を持つ人々の受け皿となった」(2日付朝日新聞デジタル)のです。

 さらに、「(AfDと)同じく(ウクライナへの武器)供与に反対する左派新党「ザーラ・ワーゲンクネヒト同盟(BSW)」はデューリンゲン、ザクセン両州で第3党となった」(3日付共同)ことから考えると、AfDの躍進は「反移民」というよりむしろ「ウクライナ軍事支援反対」の方が主要な要因だったとさえ言えるのではないでしょうか。

 6月の欧州議会選挙でも「ウクライナ軍事支援反対」の「右派」が躍進しました。欧州ではウクライナへの軍事支援に反対する世論が確実に広がっていると言えるでしょう。しかもそれが「貧困にあえぐ国民を救わず」と、市民の生活防衛と一体となっているのが特徴です。

 まさに「軍事費を削って福祉・教育・生活に」というスローガンがドイツ、フランスはじめ欧州市民の切実な要求になっているのです。「右派」(あるいは「極右」)であろうと「左派」であろうと、良い主張・政策は良いのです。

 ところが、日本のメディアはこうした実態をほとんど無視するか過小評価して「反移民の右派の躍進」という論調に終始しています。

 NHKはドイツ州議選の結果を2日の朝から再三報じていますが、AfDが「ウクライナ軍事支援反対」を主張したことには一言も触れませんでした(写真右)。他のメディアも(私が見た限り)大同小異です。

 これは、日本を含むG 7が推し進めるウクライナへの軍事支援に不都合な事実は伏せる(あるいは過小評価する)というきわめて意図的・政治的な報道です。 

 政権の意向を忖度し、あるいは政権に同調し、戦争の拡大・継続に通じる報道を行う。これは戦前・戦中の最悪の戦時報道の再現にほかならないことをメディアは肝に銘じるべきです。


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軍事侵攻を「越境攻撃」と称する偏向報道の責任

2024年08月17日 | 国家と戦争
   

「ロシア西部クルスク州への越境攻撃を続けるウクライナ軍のシルスキー総司令官は12日、ロシア領約千平方㌔を制圧したと明らかにした。ロシアが2022年2月にウクライナ侵攻を開始して以降、ウクライナがロシア領内で展開した初の大規模作戦で、最大級の軍事的成果となった」

 14日付の京都新聞が掲載した【キーウ共同】電です。6日ウクライナが奇襲的に開始したロシア領内への攻撃を、日本のメディアは一様に「越境攻撃」「越境作戦」と称しています。なぜ「軍事侵攻」と言わないのでしょうか(写真左は15日のNHK国際報道2024)。

 クルスク州(写真中)の知事代行はウクライナの攻撃によって、「住民12人が死亡、12万Ⅰ千人が既に避難しており、最終的な避難者は18万人に達する」(14日付共同)と述べています。

 ゼレンスキー大統領は11日の声明で、「越境攻撃について、ロシアが受ける「報いだ」として正当化を主張」(13日付京都新聞=共同)しました。軍幹部らとの会合でも「自衛権の行使だ」と主張(15日付朝日新聞デジタル)しました。

 しかし、民間人に対する攻撃は「自衛」の範囲を越えた報復であり、国際法に違反していることは明らかです。

 「自衛権の行使」という言い分で民間人攻撃が許されるというのは、ガザでジェノサイドを続けているイスラエルの言い分と変わりません。「自衛」の名目で国際法違反の民間人攻撃を正当化することはできません。

 22年2月24日にロシアが国境を越えてウクライナに侵攻したとき、ロシアは「軍事作戦」だと強弁しましたが、メディアは「軍事侵攻」あるいは「軍事侵略」と表記しました。

 ロシアには「軍事侵攻」、ウクライナには「越境攻撃」「越境作戦」。メディアの二重基準(ダブルスタンダード)は明らかです。こうした二重基準は何をもたらすでしょうか。

 NHKは今回も常連の防衛研究所の研究員(自衛官)を登場させ、「ウクライナの越境攻撃の成否が注目される」とコメントさせています(13日のニュース)。共同通信も「さらなる進軍か制圧地の守備強化か、越境作戦の今後の展開が焦点となっている」(15日付京都新聞)と配信しています。

 こうした報道はたんに偏向しているだけではなく、ウクライナの軍事侵攻を煽っていると言って過言ではないでしょう。

 ウクライナのロシアへの軍事侵攻は、ロシア市民の犠牲だけでなく、ロシアの報復によるウクライナ市民のさらなる犠牲も生みます。双方の戦争被害が拡大し、戦闘はさらにエスカレートします。

 いま必要なのは、双方が戦闘を直ちに停止し、停戦・和平協議を開始することです。
 軍事侵攻を「越境攻撃」と称する偏向・扇動報道が、停戦・和平を遠ざけているメディアの責任は重大です。

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イスラエル招待しない長崎市にG7 が圧力の言語道断

2024年08月08日 | 国家と戦争
   


 長崎市が9日の「平和式典」にイスラエルを招待しないことに対し、アメリカをはじめとするG7各国とEUが政治的圧力を加える「書簡」を送っていたことが分かりました。
 またアメリカやイギリスなどは「式典」への駐日大使の出席をとりやめました。
 イスラエルのジェノサイドを容認・支援するアメリカはじめG7 の実態をさらけ出したもので、言語道断と言わねばなりません。

 「書簡」の存在は朝日新聞が7日スクープとして報じました(以下抜粋)。

< 書簡は7月19日付。主要7カ国(G7)のうち、日本を除く米、英、仏、カナダ、ドイツ、イタリアとEUの大使や代理大使が直筆のサイン付きで、長崎市の鈴木史朗市長あてに送付した。(写真左)

 書簡によると、各国は79回目の平和祈念式典への招待を受け取ったとし、「毎年開かれる追悼行事と、平和のメッセージを伝え合うことの大切さを認識している」との文章で始まった。

 一方で書簡は、「しかしながら、在日イスラエル大使館に招待状が届かないことに、共通の懸念を持っている」と提起。イスラエルと、ウクライナに侵攻したロシアや同盟関係にあるベラルーシを同列に扱うことは、「残念なことであり、誤解を招く」としている。

 その上で、長崎市長に対し、式典が持つ普遍的なメッセージを保つためにも、イスラエルにも招待状を送って欲しいと要請。もしイスラエルが除外されたら、6カ国とEUもハイレベルの参加が難しくなると結んでいる。>(7日付朝日新聞デジタル)

 この記事に対し、弁護士の明石順平氏は7日、朝日新聞デジタルに次のように投稿しています。

< この書簡と同じ日に、国際司法裁判所(ICJ、オランダ・ハーグ)は、イスラエルに対し、パレスチナ自治区ヨルダン川西岸地区などでのイスラエルの占領政策は国際法違反であり、「占領をできるだけ早く終結させなければならない」との勧告的意見を言い渡している。
 記事によると、駐日大使らは「イスラエルと、ウクライナに侵攻したロシアや同盟関係にあるベラルーシを同列に扱うことは、「残念なことであり、誤解を招く」」と述べているようである。しかし、ICJから国際法違反と指摘されているのだから、同列に扱っても「誤解」ではないだろう。私は長崎市の判断を支持する。>(7日付朝日新聞デジタル)

 イスラエルのガザ攻撃がジェノサイドだというのは世界の常識です。
 たとえば「グローバルサウス」の中心国の1つであるブラジルのルラ大統領は、すでに4月30日の日本メディアのインタビューで、「イスラエルについて「国連(の停戦決議)を無視してジェノサイド(集団殺害)をしている」と厳しく非難」(5月1日付朝日新聞デジタル)しています。

 「ロシアと同列に扱うことは残念」など言うなら、イラクに対するアメリカの空爆(2003年)やリビアに対するアメリカ、イギリス、フランスの空爆(2011年)などについてはどう釈明するのでしょうか。G7 の「二重基準」は明白です。

 とりわけ許せないのはアメリカです。「8・9長崎平和式典」は何のため、だれを追悼して行われるのでしょうか。その原因を作りだした張本人(原爆投下の国際法違反の主犯)はアメリカではありませんか。
 そのアメリカが長崎市に「書簡」で圧力をかけ、思う通りにならないから駐日大使を欠席させるというのです。厚顔無恥も甚だしいと言わねばなりません。

 こうしたアメリカを中心とするG7 に日本も加わり、「核抑止」(核兵器維持・拡散)やガザ・ウクライナの事態に一体となった行動をとっているのです。その重大性に日本の市民は改めて目を向ける必要があります。

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ゼレンスキー氏が停戦拒否の口実にする「ミンスク合意」の真相

2024年08月02日 | 国家と戦争
   

 ウクライナのゼレンスキー大統領はNHKの単独インタビュー(7月29日放送)の中で、なぜ即時停戦に応じないのかについて、「ミンスク合意の教訓」だとし、「(ミンスク合意は)停戦を重視するあまり、結果的に領土を占領された」「ウクライナの新しい国境線を固定化させるものだった」などと述べました(写真中、右)。

 この主張は正当でしょうか。

 「ミンスク合意」とは、2014年の親米派による「マイダン革命(クーデター)」に端を発したウクライナ東部の戦闘をめぐるロシアとウクライナの停戦合意で、「ミンスク合意Ⅰ」(2014年9月5日)と「ミンスク合意Ⅱ」(2015年2月11日)があります。

「ミンスク合意とはウクライナとロシアによる和平合意で、ウクライナ東部における即時停戦と重火器撤去、さらにウクライナの憲法を改正し、ドンバス地方に特別な法的地位を与えることを規定したものである。欧州安全保障協力機構(OSCE)の援助の下、ベラルーシの首都ミンスクで調印されたので「ミンスク合意」と呼ばれている。

 このOSCEとは…欧州での地域的集団安全保障なので敵味方の区別はなく、同機構にはロシアもウクライナも加入している。

 さらに2015年2月には、ミンスク合意Ⅱが締結された。同じくOSCE監督の下で結ばれた停戦協定だが、こちらはフランスとドイツが国際的に仲介しており、同年2月にデバリツェボの戦闘でウクライナ側が敗北した後に締結された。

 このときオバマ(米)大統領も、マイダン革命における米政府の関与をCNNのインタビューで認めている。(中略)

 大統領就任(2019年5月)当初のゼレンスキーは、ミンスク同意Ⅱの和平案を促進するかと思われた。ところが2019年末には対ロ強硬派の主導により、ゼレンスキーはNATO早期加盟へと態度を豹変させる。その背景には民族右派やネオ・ナチの圧力に加え、大統領の人気低下もあった」(下斗米伸夫・法政大名誉教授著『プーチン戦争の論理』集英社インターナショナル新書2022年10月)

 さらに、「ミンスク合意Ⅱ」には、ドイツ、フランス(NATO)の驚くべき政治的策略がありました。

<ミンスク合意の調停者の一人だったメルケル前ドイツ首相が2022年12月7日に掲載されたドイツの「Die Zeit」紙のインタビューで次のように語ったのです。

「2014年のミンスク合意はウクライナの時間稼ぎためのものだった。ウクライナはこの時間を使って、今日ご覧のように強くなった

 つまり、ミンスク合意はウクライナが軍事力を強化するための時間稼ぎに過ぎなかったと告白したのです。…フランスのオランド前大統領もメルケル氏の発言を認めており、「地政学的な状況はウクライナにとって有利ではなく。西側諸国は一息つく必要があった」と述べています。

 何のことはない、ロシア以外のミンスク合意に関する西側当事国は、揃いも揃って、もともとミンスク合意など守る気もなく、ウクライナの軍事強化のための方便として利用したに過ぎなかったのです。>(安斎育郎・立命館大国際平和ミュージアム終身名誉館長『ウクライナ戦争論』安斎科学・平和事務所発行2023年6月20日)

「2022年12月、(ミンスク)合意締結に関わったメルケル前独首相とオランド前仏大統領が、実際は将来の対ロ戦争へ向けて、ウクライナ軍増強のための時間稼ぎの口実に過ぎなかったと証言した。…このような対米従属に、モラルハザードの深刻化が見えてくる」(荻野文隆・東京学芸大名誉教授「泥沼化するロシア・ウクライナ戦争をどう見るか」藤原書店発行月刊「機」2024年2月号所収)

 「ミンスク合意」はウクライナが対ロ戦争へ向けて軍備を増強するための時間稼ぎだった―ゼレンスキー氏がいま、またしても「ミンスク合意」を口実に即時停戦を拒否しているのは、“軍備増強のための第2の時間稼ぎ”と言えるのではないでしょうか。

 ロシア、ウクライナ双方とも、直ちに停戦協議のテーブルにつくことが求められます。

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