

「3・8国際婦人デー記念のつどい」が23日、京都市内でありました。この中で、京都在住のジュマナさん(エルサレム生まれ、32歳、2児の母)が「パレスチナからの訴え」を行いました。
イスラエルによるジェノサイドが続いている現状についてジュマナさんは、「パレスチナ人を人間として扱ってほしい」と訴え、「一番の問題は国際法違反の戦争犯罪を犯しているイスラエルがなんの罰も受けていないこと」と指弾。
イスラエルのジェノサイドをやめさせ、パレスチナを支援するのために「日本でできること」としてジュマナさんは、政府・国会議員への要請、デモなど抗議行動への参加、パレスチナ文化の普及、寄付とともに、BDS運動を挙げました。
BDSとは、Boycott Divestment Sanctions =ボイコット・投資撤退・制裁の略。イスラエルへの資金援助につながる消費・投資をやめようというもので、「イスラエルのアパルトヘイト政策を終わらせるためにパレスチナの市民から呼びかけられた国際キャンペーン」(会場で配布された日本のBDS団体作成のリーフレット。写真は同団体のHPから)。
同リーフレットのよれば、BDSの対象・内容は以下の通りです。
★イスラエル製武器を輸入したい日本政府
防衛省は現在、「無人アセット防衛力能力強化」を目的として、イスラエル製の攻撃型ドローンの導入を検討中。その輸入代理店の4社と子会社5社がボイコット対象。
▶日本エヤークラフトサプライ▶海外物産▶川崎重工▶住友商事(住商エアロシステム)
(住友商事の子会社)▶サミット(スーパー)▶J:COM(インターネット・電話)▶ティーガイア(QUOカード)▶FEILER(タオル・カバン等のブランド)
★イスラエルの武器を製造するFANUC(ファナック)
山梨県に本社を置く世界シェア第2位の産業用ロボット製造企業。イスラエルに支社があり、イスラエル最大手の軍需企業エルビット・システムなどに販売。
★マクドナルド
イスラエルのマクドナルドはガザで虐殺を行っている兵士たちに無料で食事を提供している。パレスチナBDS民族評議会は、マクドナルドがイスラエルのフランチャイジーとの契約を解除するまで世界的なボイコットを呼びかけている。
★イスラエル産の農作物
イスラエル産の農産物にはパレスチナの土地を違法入植して栽培したものが多く含まれている。具体的にはイスラエルのレモン、オレンジ、ライム、グレープフルーツなどを使用したジュースやアルコール飲料。
企業・製品以外にも問題があります。
★年金がイスラエルの軍事企業に?
日本の年金はイスラエル国債の約2270億円と、パレスチナの虐殺・民族浄化に関わる企業の株式を約8800億円保有している(2024年3月末時点)。
★日本の大学
以下の大学ではイスラエルの大学との協定関係の解消やアカデミックボイコット、イスラエルの攻撃に対する声明を要求して抗議活動が起きている。
▶東京大学▶上智大学▶青山学院大学▶筑波大学▶早稲田大学▶明治大学
★愛知県
愛知県は「Aichi-Israelマッチングプログラム」などの事業を通じ、イスラエルの政府機関と連携協定を結び、県内にスタートアップ企業を増やすため多額の税金を使っている。
以上がリーフレットの主な内容です。
リーフレットでは触れられていませんが、「(2010年ごろに)イスラエルのセキュリティー企業マグナBSP社が、福島第一原発をはじめとした複数の国内原発のセキュリティーシステムを納入するなどの動きがあった」(役重善洋氏「イスラエルと日本」、長沢栄治・栗田禎子編『中東と日本の進路』大月書店2016年所収)という関係もあります。
安倍晋三政権によってとりわけ深くなったイスラエル政府・企業と日本政府・企業の提携関係。その実態に目を向け、BDS運動はじめ、できるところからイスラエル糾弾・パレスチナ人民支援に加わることは日本人としての責任ではないでしょうか。