アリの一言 

天皇制、朝鮮半島、沖縄の現実と歴史などから、
  人権・平和・民主主義・生き方を考える。
   

秘密保護法と「ナショナリズム」

2013年10月31日 | 日記・エッセイ・コラム

DvdPhoto 秘密保護法案が国会に上程され重大な局面を迎えている29日、DVD「レーン・宮澤事件―もう一つの12月8日」(1993年、ビデオプレス制作)の上映と、久保博夫さん(神奈川県藤沢市職員・盗聴法に反対する市民連絡会)の講演による「秘密保護法を考える学習会」が浦添市内でありました。主催は住基ネットに反対する市民ネットワーク沖縄。立ち見も出る多くの参加者の真剣なまなざしが事態の緊急性と危機感を示していました。
 
「宮澤・レーン事件」とは、北海道大学生(当時)の宮澤弘幸さんが旅行の際に見た根室飛行場のこと(周知の事実)などを同大講師のレーン夫妻に話したことが軍機保護法違反のスパイとされ、太平洋戦争開戦の194512月8日に逮捕、拷問の末、懲役15年。戦後釈放されるものの、47年に27歳の若さで亡くなったという事件です。軍(政府)の判断で一般庶民がいつ「スパイ」にされ逮捕され、人生を奪われるか分からない。まさに秘密保護法のかつての姿にほかなりません。息子を「スパイ」よばわりされて奪われた宮澤さん家族は戦後も精神的苦悩が続きました。実妹の秋間美江子さんは「私たちのような悲しい家族を二度とつくってはいけない」と涙ながらに訴えていました。
 
久保さんは秘密保護法で「特定秘密」とされるもののうち「テロ活動」と「特定有害活動」の担当が警察になることを取り上げ、「戦前の軍機保護法と治安維持法の両方の機能をもたせようとするもの。まさに特高警察の復活」だと指摘しました。
 
大変気になる言葉がありました。DVDの中で「宮澤事件」を掘り起こした朝日新聞の籔下彰治朗編集員(当時)が言い、この日また久保さんも指摘した言葉です。「(秘密保護法を支える)ナショナリズムの構造がまだ日本に脈々と生きている」。秘密保護法の裏に脈々と生き続けている「ナショナリズム」とは何なのか。戦前のそれと、籔下氏が痛感した20年前のそれと、今日のそれは、どこが同じでどこが違うのか。
 
共同通信の世論調査では確かに50・6%が秘密保護法案に反対しています。しかし賛成の35・9%もけっして小さな数ではありません。さらに反対も賛成も、どれだけこの法案を自分のことと考えているでしょうか。例えば「知る権利」「報道の自由」といっても、それを庶民はどれだけ自分にかかわりがあるものととらえているでしょうか。
 この法案は国家権力と国民・市民との緊張関係を知る人にはきわめて重大な法案ですが、そうでない人には自分とのかかわりが実感されにくい法案ではないでしょうか。その背景にあるのが「脈々と生き続けているナショナリズム」であり、さらにそれに“他人まかせの生活保守主義”が重なっているのではないでしょうか。その深部にメスを入れない限り、この悪法をほんとうに葬り去ることはできないと思います。

 <今日の注目記事>(31日付沖縄タイムス)

 ☆<旅券発給の遅延検討 60年代に政府 復帰運動を懸念>(1面)
 「日本政府による沖縄での旅券(パスポート)発給が始まる前年の1966年、中国へ行くために旅券を申請した沖縄住民の政治的な活動を警戒した日本政府が、発給を意図的に遅らせる措置を検討していた経緯が30日に公開された外交文書で明らかになった。発給拒否はほぼ不可能との判断を踏まえた措置で、報告を受けた米側も了承していた。…安川氏(外務省・安川北米局長=当時)は国際会議に出席するため中国へ渡航予定の沖縄住民について『一行の主目的は4月28日の沖縄復帰運動の日に参加することにあると思われるので、これに間に合うことがないよう旅券の発給を遅らせることで検討中』と報告。米国の沖縄統治への批判や、日本復帰に対する言動を懸念する日本政府の立場が表れている」
 ※ここにも沖縄県民の主権侵害の実態が表れています。

 ☆<島袋氏 名護市長選一問一答>(2面)
 「―政府内には一本化を求める声も。末松氏との調整は? 島袋氏『今日は、堂々と戦うとしか申し上げられない。…すりあわせは今のところない』」
 ※この「今日は」「今のところ」がくせものなのです。のちのちの「一本化」を否定していません。選挙戦で争点隠しに終始する末松氏に代わって「辺野古移設」を吹聴し、投票日直前に降りて末松氏に一本化するという辺野古推進勢力の魂胆が透けて見えます。


「憲法出前講座」で安倍改憲政権と対決

2013年10月30日 | 日記・エッセイ・コラム

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「憲法の専門家があなたのもとへ!」そんな魅力的なキャッチフレーズの「憲法出前講座」が11月から開始されます。主催は沖縄県生活協同組合連合会と沖縄県憲法普及協会。28日県庁で、東條渥子生協連会長理事、高良鉄美憲法普及協会会長、発案者の城間えり子コープ沖縄平和活動推進委員会委員長らが記者会見で発表しました(写真右)。
 「憲法出前講座」のしくみはこうです。「そもそも憲法って暮らしにどうかかわるの?」「憲法と法律はどうちがうの?」など初歩的な疑問から自民党改憲草案の解明まで、憲法について疑問がある、勉強してみたいという仲間が「もあいや女子会のように」(東條さん)5人以上集まれば、自分たちの都合がいい日時、場所を決めて、生協連にメールかファクスで申し込む。コーディネーターが日程を調整して派遣講師を決め通知する。決定した日時、場所へ弁護士や大学教員など憲法の専門家が出向く、という具合です。費用は無料ですが場所代はグループ持ち(自宅なら無料ですね)。場所は生協連でも相談に乗ります。講師の専門家は交通費だけ支給されるボランティアです。
 こうした生協連の提案・申し入れに対し憲法普及協会は、「教えるというよりひざを交えて議論しながら学んでいく、本当にいい企画です。ワクワクしながら対応したい」(高良会長)と大歓迎。
 
出前講座の開始と同時に、生協連の主催で憲法学者の小林武さん(写真左)による「憲法の動きを学ぶ講演会」が11月3日の沖縄市を皮切りに年内に県内5カ所で開催されます。小さな出前講座と大きな講演会の二人三脚で相乗効果を図ります。小林さん自身も出前講座の講師にも意欲を燃やしています。
 東條会長理事は、「いま沖縄が、日本が危ない。このまま次の世代へ渡していいのか。いまこそ日本国憲法の平和主義、国民主権を守り、生かしたい」と強調。城間さんは「暮らしの中に憲法を落とし込んで、ほんとうの草の根の市民運動を沖縄から広げていきたい」と意欲を示しました。
 この企画の素晴らしい点は、憲法の「専門家」が市民の中に出向いていくことです。「3・11」以降、「専門家」の社会的責任が問われてきましたが、明確な回答がないまま、風化しつつあります。学者・専門家が道を踏み外さずに社会的責務を果たすカギは、どれだけ庶民との接点・接触があるかではないでしょうか。その意味で、この出前講座による“市民と専門家の出会い”は、ただ市民が憲法を学ぶだけでなく、専門家の意識改革・向上の重要な場になりうると思います。
 ともあれ、憲法出前講座の成功のカギは、学びたいという小さなグループがどれだけできるかにかかっています。それをクリアするのは、私たち庶民の主権者としての自覚と、一歩足を踏み出す少しの勇気以外にないのではないでしょうか。
(申込先は沖縄県生協連?098-943-1700)

 <今日の注目記事>(30日付琉球新報1面トップ)※沖縄タイムスも1面トップ

 ☆<嘉手納機能強化へ 特殊作戦群 格納庫など増設計画
   オスプレイ配備懸念も>
 「米軍嘉手納基地の第353特殊作戦群が常駐している地区に、シュミレーター(模擬飛行装置)やハンガー(格納庫)などの増設計画があることが29日分かった。同作戦群は、空軍仕様の垂直離着陸機CV22オスプレイを運用する特殊作戦司令部の下部組織で、専門家は『オスプレイ配備に向けた施設建設の可能性が高い』とみている。…計画に対し當山宏嘉手納町長は『基地の大幅な機能強化であり、断じて容認できない』と反発。オスプレイ配備の可能性に関しては『今いる航空機のためだけに大規模施設を造る必要があるのか。CV22の受け皿にしようとしているのではないか』と語った。町議会では1日に対応を協議する」


「琉球独立学会」への期待と要望

2013年10月29日 | 日記・エッセイ・コラム

PhotoPhoto_2 今年5月に発足した琉球民族独立総合研究学会の第1回大会が26、27日両日、沖縄大学で行われました。同学会は入会資格を「琉球民族」に限定しており、26日は会員だけで諸課題を議論しました。27日は「グアム・台湾・パラオから考える琉球独立」のテーマでオープン・シンポジウムが行われたので参加しました。(撮影禁止のため写真は開会前の会場風景とチラシ)
 台湾の原住民運動のリーダー(牧師)、グアム政府脱植民地化委員会事務局長、そして独立学会の中心メンバーでパラオ勤務の経験がある松島泰勝龍谷大学教授が、それぞれ実情と教訓を報告しました。共通して、原住民、被植民地住民としての「自覚とアイデンティティ」を持つことの重要性を強調しました。
 直接「独立」に関わることではありませんが、興味深い問題が2つありました。1つは、台湾で稼働中の3基の原発から出る放射能廃棄物の処理場が、「缶詰工場」だとだまして原住民の居住区域に造られたこと。危険性が暴露されてからは金で住民を買収しようとしています。「原住民への重大な差別」(報告者)であり、「先祖が残した土地を守る運動」と位置づけられた反原発運動が続けられています。もう1つは、パラオでカジノ反対が広がっていること。すでにあるカジノに対しては「組織犯罪・売買春が深刻になる」と撤去を求め、新たに「パチンコ店」が開かれようとしたのに対しては「石を投げて閉店に追い込んだ」といいます。いずれも日本と共通の課題であり、学ぶべき点が多かったです。
 肝心の「琉球独立」に関する問題ですが、率直に言って、学会として取り組むべき(克服するべき)課題が多いのに対し、必ずしもそれに見合う研究の進展を見せていないのではないかという感想です。例えばフロアから次の質問がありました。「今後琉球でも(独立に関わる)住民投票を行うことが考えられる。そのためにも『琉球民族』の定義を明らかにしておく必要がある。定義は何か」。それに対する松島氏の答弁は、「『琉球にルーツを持つ』という(同学会の入会資格)のはある種あいまいさが残る」と認めながら、「主観的、客観的指標によって今後独立学会として(琉球民族)定義を考えていく。日本人が決める定義は拒否する。わらわれ自身で考える」と述べるにとどまりました。また、「独立」や「自己決定権」に関する住民投票を行う場合、その投票権を持つのは原住民だけなのか、移住者(琉球の場合はヤマトンチュウなど)を含むのかについても、グアムの傾聴すべき経験が報告されましたが、議論は深まりませんでした。さらに、そもそも「学会員」を「琉球民族」に限っていることには「民族排外主義」との批判が少なくないのに対しても、新たな議論の深まりはありませんでした(27日を見る限り)。
 独立学会が太平洋諸島の「自立・独立」の経験から学ぼうとするのは、会員に「夢」を与える点でも、各地と連帯を深める点でも、たいへん貴重なことです。しかし、同学会がこれから幅広く発展していくためには、検討・克服しなければならない理論的・実践的課題に正面から取り組み、オープンに議論することが不可欠ではないでしょうか。それが同学会の発展を期待する者としての感想です。

 <今日の注目記事>(29日付琉球新報社会面)

 ☆<ワンストップ支援センター 施設、当事者視点で
   望む会 県へ署名1万623人分>
 「性暴力被害者を1カ所で支援する公的機関の設置を求めている『「ワンストップ支援センター」設立を強く望む会』の代表らは28日、県庁を訪れ、センター設立を望む1万623人分の署名を提出した。県は来年度のセンター開設に向け検討会議を重ねているが、性暴力被害者当事者の意向を反映させる仕組みはまだ見えない。署名は『当事者の視点に立って支援すること』などの要望を明記しており、望む会の代表らは被害者の立場に立った支援の仕組みを盛り込むようあらためて要請した」


映画「そして父になる」と沖縄・・・「血」か「時間」か

2013年10月28日 | 日記・エッセイ・コラム

PhotoPhoto_2 是枝裕和監督の「そして父になる」(福山雅治主演)が沖縄でもロングランを続けています。私は公開初日に観ました。子どもが小さかったころを思い出し、複雑な感動を覚えました。が、その時はこの映画が沖縄と深い関係があることは知りませんでした。
 
映画は出産直後の「赤ちゃん取り違え」を7年後に告げられた2組の夫婦と子どもたちの苦悩と再生の物語です。参考文献はノンフィクションライター・奥野修司さんの『ねじれた絆』ですが、その取り違え事件は、沖縄のコザ(現沖縄市)で起こったものだったのです。取り違えられた一方のかたは、昨年まで沖縄県内で自営業を営まれており、今は夫の転勤で宮城県におられるそうです。奥野さんはこの事件を振り返り、「親子の絆はもちろん『血』が大切だが、一番かわいい盛りを育てたという『情』を断ち切れるものではないと実感した」と述べています(10月11日付琉球新報)。
 
一方、5年前に自身父親になった是枝監督は、「血がつながっているだけではだめ。(子どもと)時間を共有しないとだめだ」と述べ、「『血』か『時間』かで揺れる自分の原体験」がこの映画のベースになっていると語っていました(10月14日、NHKホリデーインタビュー)。
 
実は私が映画で一番気になったのもその場面でした。取り違えられた双方の父親である福山雅治とリリーフランキーの会話で、エリート社員で子どもと過ごす時間が少ない福山が「時間は少なくても心を込めて接している」と言うのに対し、自営業のリリーフランキーは、「時間ですよ、時間。子どもには(共に過ごす)時間がすべてですよ」と言うのです。その言葉は私自身に突き刺さりました。やはりこれが映画のテーマだったのだと、是枝監督のインタビューで確認しました。
 
すると、その是枝監督のインタビューを聞いた同じ日に、まったく映画とは関係のないところでこの問題を考えさせられる場面がありました。「沖縄の自己決定権を考える勉強会」でのことです。沖縄が今後「独立」を含め自立権、自己決定権を発揮しようとするとき、その権利を持つのはウチナーンチュに限られるのだろうか。ヤマトンチュウは、その1人である私は、どうかかわっていけるのだろうか、かかわるべきなのだろうか。そう考えたとき、あの言葉が浮かんできたのです。「血」か「時間」か。沖縄の進路を決める自己決定権を持つ必要条件は、琉球民族であるという「血」なのか、それとも一定期間沖縄に居住したという「時間」なのか。
 
映画の結末は必ずしも明確ではありませんでした(それが是枝監督の意図だったようです)が、私には親と子を結びつけるのは「血」でもあり「時間」もである、というメッセージだったように思えました。沖縄に生きる人間を結びつけるのも、「血」でもあり「時間」でもあってほしいのですが…。

 <今日の注目記事>(28日付沖縄タイムス社会面)

 ☆<秘密保護法-沖縄の視点 際限ない機密 「防衛秘」施設、実は普通
   那覇市、国に勝訴し図面公開 法案「市民が犠牲」>

「政府が25日、衆院に提出した特定秘密保護法は、際限なく秘密を膨張させる危険性をはらむ。1989年、国が『防衛秘』を守るため那覇市を訴えた『那覇市情報公開訴訟』。国が敗訴し、自衛隊施設の図面が公開されると建物はごく普通の造りだった。市側の関係者は『軍事情報が何でもかんでも秘密になれば、犠牲になるのは市民だ』と法案反対を訴えている。…市情報公開センターの責任者として図面公開決定に関わり、証人として出廷した真栄里泰山さん(69)は語る。『同じ行政マンとして、何でも秘密にすれば仕事がしやすいのは分かる。だが、沖縄は戦中から戦後まで、軍事や秘密外交の一番の犠牲者にされてきた』」


「原発・放射能教育」と教師・市民

2013年10月27日 | 日記・エッセイ・コラム

PhotoPhoto_2 沖縄県教職員組合那覇支部主催の「第60次教育研究集会」(分科会)が26日、浦添市内の小学校でありました。私も機関誌(「共育者」)の編集に協力している沖縄民間教育研究所(長堂登志子所長)が「原発や放射能を子どもたちにどう伝えるか」という特別分科会を担当しました。報告者は龍野愛さん(子どもを守る会おきなわ代表=写真右)、共同研究者(コメンテーター)は矢ケ﨑克馬琉大名誉教授(同左)でした。
 龍野さんは、「子どもたちの暮らしに影響する事件・事故が起こった時の授業のあり方」として、①子どもたちの日常に影響があるか②子どもたちの関心を引いているか③子どもたちの未来を脅かすか、の3点を確認することが必要だとし、「原発事故に関する教育の目的」は、「事故の事象・事実をわかりやすく解説し、原因をともに考え、これからどうするか未来の視座を持たせること」だと述べました。そのうえで、とくに「子どもと食の安全」を詳しく解説。「給食から実践する食育の取り組み」などの重要性を強調しました。
 矢ケ崎さんは、「放射線科学は真理を探究する科学になっておらず、加害者の目線で被害を見ている」とし、電力会社をスポンサーとする民間団体ICRP(国際放射線防護委員会)が内部被ばく・放射能犠牲者隠しを行い、電力会社や日本政府がそれを盾に放射線の危険性・犠牲を過小に主張・流布する「知られざる核戦争」が繰り広げられていると、衝撃的な実態を明らかにしました。
 参加者からは、放射線の真実を隠そうとする勢力に対し、「良心的な学者・研究者が連携し、それに市民も参加する民主的な運動はできないものか」との意見が出されました。また、本土から避難してきた母親は、子どもが通う小学校で放射線の危険性を訴えようとしてもハネ返される「学校の壁」に「もがき苦しんできた」体験を発言。「学校の先生が多忙なのは分かるが、まずは先生自身に放射線の危険性をしっかり分かってほしい」と切実に訴えました。それに対し龍野さんから、沖縄市などで行われている学習会の取り組みに見られるように、教師や学校の個人差が大きい実情が報告されました。
 痛感したのは、電力会社の意向を受け政府・文科省が組織的に進める「原発被害隠し・放射線の危険性隠し」に対し、市民の側からの民主的対抗組織が不可欠だということです。研究分野における学者・専門家と市民の連携。教育現場における教師と父母・市民の共同。個人の資質や努力に任せていては到底対抗できません。
 その点でも教職員組合の責務は重大です。しかし、この日の集会のあまりにも少ない参加状況は、原発・放射能問題に対する教師の認識・関心の欠如を如実に示しています。いや、原発問題に限らず、教職員組合運動全体の深刻な停滞を表していると言えるでしょう。安倍政権が教育への介入・攻撃を強めているだけに、教職員組合の奮起を望みたいし、私たち市民も積極的に協力・共同していかねばならないとの思いを強くしました。

 <今日の注目記事>(27日付沖縄タイムス、琉球新報各1面トップ)

 ☆<オスプレイ倍増1カ月 24機態勢 飛行1・7倍 増す騒音・危険性
   本紙独自に監視>(沖縄タイムス)
 「米軍普天間飛行場のMV22オスプレイが実質的に24機態勢となった9月24日から10月23日までの1カ月間の総飛行時間が、少なくとも141時間に上り、12機が配備された昨年10月1日からの1カ月間の83時間に比べ、約1・7倍に増えていることが沖縄タイムスの独自調査で分かった。県民の不安が払拭されず、配備反対も顧みられないまま、負担が増加している」

 ☆<オスプレイ不備多発 記録ミス167回 整備指示不適正112回 08~11年>(琉球新報)
 「米国防総省監査室が、2008年10月から11年9月までの海兵隊の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの整備記録を確認したところ、整備作業や書類作成に関するミスが多数見つかったとする監査結果を公表したことが分かった。報告は23日付で、『任務遂行に十分な状態ではないまま機体を配備していた可能性がある』と指摘した」


沖縄県教育委員会から目が離せない

2013年10月26日 | 日記・エッセイ・コラム

PhotoPhoto_2 24日の沖縄タイムス1面トップを見て驚きました。「県教育長に教科書専決権」の大見出しに、「規則を見直し明記 教委が県立高分 国提言沿う」のサブ見出し。前日(23日)の沖縄県教育委員会(新垣和歌子委員長=写真左)の定例会で規則を改めたという記事です。驚いたというのは、私自身その定例会を傍聴していて、そんなことが決められた形跡はなかったからです。むしろ逆に、教科書採択の権限は教育長には委任しないことが規則で明文化されたのが同日の定例会でした。いったいタイムスの記事の根拠は何なのか?
 疑問は解けないまま、25日の琉球新報を見てまた驚きました。第2社会面に2段で、「採択権は県教委 県立高校の教科書選定 権限を明文化」。教科書採択権は教育長に渡すのではなく教委が持ち続けることを明文化したという記事です。前日のタイムスとは真逆の見出し・記事です。
 ますます不可解なので、県教育委員会に直接聞きました。両紙の違いに担当者も困惑気味でした。が、さらに聞くと「琉球新報が正確です」。話を要約すると、教育長の専決権というのはあくまでも教委から委任された事務作業を執り行う権限のこと。県立高校の教科書は総数40万冊にものぼり6人の教育委員で取り扱うのは不可能。そこで県教育庁に委任するが、それはあくまでも事務作業であり採択権まで渡すものではない。こうした点はこれまでとなんら変わらない。明文化して明確にしただけ。これが県教委の見解です。その限りではタイムスの勇み足と言えそうです。しかし、安倍政権が全国的に教育長に権限を集中し教育委員会を形骸化させようとしているのは事実。タイムスの記事はその警鐘の役割は果たしています。それにしても新聞も報道が分かれるほど複雑な「改正」をなぜ県教委は行ったのか。内部で何かが動いているとも考えられます。
 ところで私が傍聴に行ったのは、この問題のためではありませんでした。下村博文文科相が竹富町の自主的な教科書選定に圧力をかけてきた「是正要求」に対し、この日の定例会で県教委としての態度を決めることになっていたからです。しかしこの問題は、「専門家の意見を聞いて慎重に検討する」と持ち越しになりました。本当なら「慎重検討」の必要などなく直ちに突き返すべきです。それを見守ろうと思って傍聴したのです。結論を持ち越したことは、県教委が揺れているということでしょう。
 オスプレイ・基地問題もそうですが、沖縄県の行政担当者は県民世論、2県紙の論説にきわめて敏感です。逆に言えば、県民世論が県や市に届きやすい。その点で、沖縄はまだ民主主義が機能しています。
 「是正要求」に対する態度決定のリミットは来月17日です。タイムスが警鐘を鳴らした教科書採択権問題も含め、沖縄県教育委員会からしばらく目が離せません。

 <今日の注目社説>(26日付沖縄タイムス社説)

 ☆<名護市長選 争点ぼかしは許されぬ>
 「来年1月19日投開票の名護市長選に自民党の県議、末松文信氏(65)が出馬表明した。現職の稲嶺進氏(68)は5月に早々と出馬を表明しており、一騎打ちとなる公算だ。…末松氏は、辺野古移設を条件付きで『容認』した歴代3市長に副市長などとして仕えた。移設の是非について現段階では明言を避けている。…末松氏が選挙戦術として、あえて辺野古移設の是非をあいまいにして争点化をさける考えであるならば、有権者を軽んじるものと言わざるを得ない。…末松氏の出馬表明に(仲井真)知事は『当然応援する』と言明した。辺野古移設の容認・推進派に推されている末松氏の応援と自身の公約の整合性をどうとるつもりだろうか。知事にも説明を求めたい」
 ※今日の紙面は「秘密保護法案」の閣議決定・国会提出で満載ですから(当然です)あえて別の記事に注目です。辺野古移設問題で揺れ続けている、いやじっと県民世論の動向をうかがっているのが、仲井真知事です。


戦争と個人・・・島田叡知事はほんとうに「偉人」か?

2013年10月25日 | 日記・エッセイ・コラム

PhotoPhoto_2 20日の沖縄平和学会でショッキングな話を聴きました。沖縄戦で亡くなった「最後の知事」と言われる島田叡(あきら=写真右)についてです。
 
今年8月7日、TBS系テレビ報道ドラマ・「生きろ」で、沖縄戦における島田知事の活躍が「実話をもとに」したドラマとして放送されました。それを私はこの「日記」(8月11日)で取り上げ、「多くの偉業をなした」と賛美しました。ところが、平和学会で川満彰さん(名護市教育委員会)がこう述べたのです。「陸軍中野学校出身の離島残置諜者(離島残って諜報活動を行う兵士)に教員免許を交付(「沖縄県青年学校指導員」「沖縄県国民学校訓導」を辞令)したのは島田叡だ。その戦争責任はどうするのか」。島田知事は大本営直属のスパイの偽装に手を貸したというわけです。吉川由紀さん(沖国大非常勤講師)も、ドラマでの島田美化にたいへんな違和感を持ったとし、「(島田は)第32軍の南部撤退に反対したというが、同じく反対して拷問で殺された人もいたはず(なのに島田はおとがめなし)」。2人から島田叡の負の側面を突き付けられたのです。
 
あらためて調べてみました。県立図書館にある資料の限りではやはり島田知事を「庶民の立場に立った知事」と賛美するものが圧倒的です。がその中で、『具志川市史第5巻』に次の記述がありました。1945年4月27日、壕の中で行われた県下市町村長・警察署長会議の冒頭、島田知事は訓示で7点を指示しましたが、その第1はこうです。「必勝信念、敵を見たら必ず打ち殺すというほどの敵愾心の高揚」。さらにこう述べています。「米国が理不尽に仕かけてやむを得ず矛をとった昭和16年12月8日のことを思へば負ける道理がない」。日本軍による真珠湾奇襲攻撃の美化です。
 
島田知事が日本軍と親密な関係にあり、戦争を鼓舞していたことは動かせない事実のようです。一方、ドラマや他の書籍が誇張も含めて賛美しているように、「住民思い」で「命の大切さを主張」したのも事実でしょう。平時でも人間にはいろいろな側面があるのですから、戦争という異常事態の中で1人の人間がさまざまな面をもっていたとしても不思議ではありません。問題は、その一面だけが誇張され、美化されることです。そしてさらに難問は、多面性を持つ人物を戦争・平和教育の中で取り上げるとき、どのような描き方をするべきか、ということです。
 
例えば川満さんは、「護郷隊」を組織した陸軍中野学校の村上治夫中尉が、当時地元では誰もけなす人のない「人格者」だったと聞き取っていますが、名護市史の中ではあえてその側面は記述しなかったと言います。村上が戦争で果たした役割から見ればそれは主要な側面ではないからです。しかしそれでいいのでしょうか。それほどの「人格者」でも非人間的な行為をするのがまさに戦争だ、という教材化もありうるのではないでしょうか。
 
戦争の中の「個人」をどう描き、どう評価するか。戦争における「具体」と「普遍」の問題として、研究されるべき重要な課題だと思います。

 <今日の注目記事>(25日付沖縄タイムス1面トップ)

 ☆<オスプレイ違反79件 24機態勢以降 県、飛行情報収集>
 「米軍普天間飛行場でオスプレイが全24機態勢になったことを受け、県が1日から市町村の目視調査情報を集めたところ、15日時点で違反とみられる飛行が79件寄せられていることが分かった。…全24機態勢となって25日で1カ月。日米両政府が本土への訓練移転などで負担軽減を図るとする一方、県内では昼夜を問わず飛行を繰り返すオスプレイに不安の声は根強い」
 ※訓練の一部を他県に移したところで沖縄には何の「負担軽減」にもならず、危険性もまったく減らないことがあらためて示されています。


沖縄戦の「具体」と「普遍」をつなぐ

2013年10月24日 | 日記・エッセイ・コラム

PhotoPhoto_2Photo_3Photo_4 沖縄平和学会の研究会(10月20日、琉大)第2セッションのテーマは「沖縄戦・『具体』と『普遍』をつなぐ~市町村史・証言集づくりの現場から」。報告者は、川満彰(名護市教育委員会=写真右上)、加島由美子(糸満市教育委員会=同左下)、吉川由紀(元沖縄愛楽園証言編集事務局=同右下)の3氏。コーディネーターは北上田源氏(琉大非常勤講師=同左上)でした。
 川満さんは先にこの「日記」(17日)でも紹介した本島北部の「護郷隊」とそれを組織した陸軍中野学校出身者の実態を詳細に報告。「沖縄戦は研究対象としてだけでなく平和学の側面からもっと対象範囲を広げ、沖縄現代史につなげる必要がある。米軍基地は沖縄戦の延長線上にあることをもっと明確にしなければならない」と強調しました。
 加島さんは、糸満市が6384世帯3万7047人から「戦災調査」をし、130人から「聞取り調査」を行って2冊の『戦時資料』を刊行した経験から、単に戦闘に関する資料だけでなく、琉球処分から戦後復興まで幅広い視点から「沖縄戦」をとらえることが重要だと述べました。
 吉川さんは、日本軍によって強制的に愛楽園に収容されたハンセン病患者が、療養どころか人権を踏みにじられ、毎日壕掘りなどの労働に駆り出され、約300人が死亡したこと、戦後の米軍支配下でも隔離・差別され続けたことを示し、「沖縄戦を語るときの『一般住民』の中にハンセン病患者は入っているのだろうか」と問い掛けました。
 討論の中で北上田さんは、「沖縄戦の研究は誰を見て、誰を対象に、誰の戦争として行われてきたのか」と問題提起。川満さんは、名護市の小中学校で学校周辺の沖縄戦のもようを学習する活動が広がっており、「子どもは自分とつながると目が輝き意識が変わる」と報告。加島さんは自分の家系図を作りその中の一人ひとりの戦争体験を記録することや、学校への「出前講座」で「地域の戦争」を学習する重要性を強調。吉川さんはハンセン病患者から証言を聴く中で何度も「話してどうなるの」と言われた経験から、戦争体験を社会変革に結び付ける「何らかの仕掛けづくり」が必要ではないかと提起しました。
 壕・ガマ、慰霊碑、記念館、証言集、そして語り部・・・沖縄には戦跡・資料が豊富にあります。修学旅行ではそれを効率よく回ります。私たち本土の者はそれらを見聞きして「沖縄戦」を知ったような気になります。しかしそれで沖縄戦の本質は伝わるのだろうか。それが平和教育に携わっている人たちの思いでしょう。直接戦争を体験していない世代が戦争を伝え、今の政治・社会状況につなげなければならない時代を迎えている今、戦争の「具体」と「普遍」は、みんなで考えなければならない重要なテーマです。

 <今日の注目記事>(24日付琉球新報1面トップ)※沖縄タイムスも1面

 ☆<沖大東で奪還訓練 3自衛隊3万4000人 1日から上陸作戦 米軍射爆場を使用>
 「防衛省統合幕僚監部は23日、陸海空3自衛隊の隊員約3万4千人が参加する実動演習を11月1~18日の日程で、沖縄や九州を中心に実施すると発表した。上陸作戦や輸送の訓練を実施するとしており、事実上の離島奪還訓練となる。主な訓練場には那覇の南東約408㌔の太平洋上にある無人島で、米海軍の射爆撃場となっている沖大東島(北大東村)を使用。自衛隊による同射爆場の共同使用は初めてとみられる」
 ※沖縄を再び戦場にしようとする動きが加速しています。


「調査する市民の権利」とは?

2013年10月23日 | 日記・エッセイ・コラム

PhotoPhoto_2Photo_4Photo_5 沖縄平和学会の研究大会が20日、琉球大学でありました。第1セッションのテーマは「危機の時代の研究と運動・調査する市民の権利と研究者」。報告者は河村雅美(沖縄・生物多様性市民ネットワークディレクター=写真右上)、宮城秋乃(日本鱗翅学会自然保護委員=同左下)、渡嘉敷健(琉大准教授=同右下)の3氏。進行は阿部小涼さん(琉大=同左上)でした。
 河村さんは、沖縄市で工事中のサッカー場から見つかった枯葉剤とみられる米軍廃棄物のドラム缶調査について、沖縄市が防衛局とは別に独自の調査(クロスチェック調査)を行ったこと、さらにその結果をウェブサイトで速やかに公開したことを「沖縄市の快挙」と高く評価。今後米軍基地の返還を進めるにあたっても、クロスチェック調査を広め定着させていくことが重要だと強調しました。
 宮城さんは、東村高江で米軍ヘリパッド建設が進められていることで多くの希少生物が危機に瀕している実態を映像で示し、当初多くの生物学者が調査・報告に参加していたにもかかわらず、それが「政治問題化」するにつれて手を引いていった(とくに2000年代に入って激減)ことを取り上げ、研究者個人の問題と制度の問題の両面から考える必要性があると指摘しました。
 渡嘉敷さんは、オスプレイの爆音被害の中で、低周波被害が人体に及ぼす影響がきわめて大きいにもかかわず、国の調査ではその実態が隠ぺいされており、独自の調査で明らかにしなければならない現実を告発。「航空機騒音低周波音対策条例」の制定を提唱しました。
 
3氏の報告と討論で分かった共通の課題は次の点です。①国や県の調査に任せていては本当の実態は分からない。市民と研究者が手を携えて独自の調査を行うことが不可欠で、特に米軍基地被害、豊かな自然の破壊に直面している沖縄ではそれは喫緊の課題である②同時に、自治体(県市町村)が果たすべき役割も重大で、市民の側から自治体へ働きかけていく必要がある③市民団体や研究者の調査はすべて手弁当で行われており、財政的に危機的状況にある。市民・専門家の調査に対し社会的に正当な評価を与え財政的に支えていく必要がある。
 私たちの身の回りの環境破壊や被害を市民自身が、研究者と協同して調査する。その重要性は頭では分かっていても、なかなか自分自身の問題としてとらえてこなかったように思います。そのことの重大性を具体的な事例であらためて教えられました。同時に、いざ実践となると、一市民としてそれにどう関わっていけばいいのか。今後具体化すべき課題も少なくないでしょう。市民と調査。それは民主主義、地方自治の新たな課題です。沖縄はこの点でも、全国に先駆けた事例をつくることができるのではないでしょうか。

 <今日の注目記事>(23日付沖縄タイムス1面)

Photo_6  ☆<米兵、民間地で銃携行 名護市 観光客「これが現実か」>
 「22日午前9時半ごろ、名護市久志の国道329号沿いの民間地で、米兵30~40人が訓練しているのを車で通り掛かった観光中の京都府京田辺市の会社員、松井幸士さん(41)が目撃した。一部はライフル銃を携行していた。米海兵隊報道部は沖縄タイムスの取材に『調査中』と回答している。ほとんどの米兵が迷彩服を着用して顔を黒く塗り、リュックサックを背負っていた。…久志や辺野古の集落から1㌔ほどの距離で、周辺には名護市マルチメディア館など企業の集積する施設もある。
5度目の沖縄訪問という松井さんは『目の前に銃を持った米兵が現れ、これが現実か、と驚いた。戦争の準備をしていることに恐怖を感じた』と話した」


新聞が権力に屈服するとき

2013年10月22日 | 日記・エッセイ・コラム

PhotoPhoto_2 19日のマスコミ労協の集会(「狙われる憲法-沖縄からの警鐘」)で大変興味深い新聞が紹介されました。新聞労連新聞研究部が発行している「しんけん平和新聞」の第9号です。「権力の番犬」であるべき新聞ジャーナリズムが、権力に屈服し、そのお先棒担ぎに成り下がるのはこういうプロセスなのかと、あらためて気づかせてくれました。
 「破滅への万歳」として取り上げたのは「大政翼賛会」(1940年設立)。太平洋戦争へ向けた「挙国一致体制」の基盤として知られていますが、編集者が注目したのは「むしろ翼賛体制に向かう社会の動き」。新聞は「戦前の右傾化・集団化を推し進めたことを真摯に反省しなければならない」(山下修毅部長)という問題意識です。作家の半藤一利さんが「戦争への流れとジャーナリズムの関係」についてのインタビューに答えています。ポイントを紹介します。
 満蒙問題と世界的大恐慌が重なり東条英機らが軍部・日本改革に乗り出した。それまで新聞が「反軍部」だった教訓に学び、新聞社幹部を「時局を語る」「満蒙問題を語る」などの形でどんどん呼んで飲ませながら仲間に引き込む方法を覚えた。それでもまだ現場が強かったのか、反軍だった。ところが満州事変(1931)でいっぺんにひっくり返った。
 一つはラジオができて、ニュースの速報競争で対抗するために号外を出す。そのために軍部の情報をもらわねばならないということで、「寝返った」。大阪朝日だけが満州事変から1カ月近く頑張った。その間に在郷軍人会の影響などで部数がガタガタ減った。これは大変だということで役員会議を開き、「国家重大時ニ処シ・・・軍部及軍事行動ニ対シテハ絶対批難批判ヲ下サス極力之ヲ支持スヘキコト」を決定。結局日本中の新聞が全部軍部支持になった。ジャーナリズムの戦いは満州事変で50%ダメになり、国際連盟脱退で90%ダメになった。2・26事件で99%終わった。
 今後何を注意したらいいか。政治権力への言論の屈服、屈従。教育の国家統制。情報の国家統制。政治家と民衆が一緒になってのナショナリズムの高揚にも注意した方がいい。不景気というのは大きい。満州事変が国民に支持され新聞もいい気になったのは、戦争が金儲けになったからだ。日本人は失敗をきちんと残して後のために考えることをしない。言論の自由は国家を平和にしておく一番の根本だ。上からの統制で新聞が一色になるのが一番おっかない。
 半藤さんが言う戦前のラジオは今のインターネット、世界恐慌はグローバル経済の行き詰まり、中国敵視、教育・情報統制、新聞経営の危機、偏狂ナショナリズム、そして報道の一色化。なんという酷似でしょう。今はまさに「戦前」。「新聞の屈服」をなんとしても食い止めねばなりません。

 <今日の注目記事>(22日付沖縄タイムス1面トップ)※琉球新報も同じ記事を1面トップ

 ☆<武器輸出三原則見直し 国家安全保障戦略に明記 有識者懇 中国と北朝鮮警戒>

 「安倍晋三首相が設置した有識者のよる『安全保障と防衛力に関する懇談会』(座長・北岡伸一国際大学長)は21日、外交と安全保障の包括的な指針となる『国家安全保障戦略』の概要をまとめ、武器や関連技術の輸出を原則的に禁じる『武器輸出三原則』の見直しを明記した。中国や北朝鮮の軍事力を脅威と位置付け、領域保全強化や海上安全保障の確保を打ち出した」
 ※まさに「戦争で金儲け」という戦前回帰です。「有識者」という言葉も安易に使うべきではありません。いかにも立派な懇談会のような印象を与えます。実際は御用学者らによる権力のお先棒担ぎ会にほかなりません。