アリの一言 

天皇制、朝鮮半島、沖縄の現実と歴史などから、
  人権・平和・民主主義・生き方を考える。
   

安倍首相は何をしにイランへ行ったのか

2019年06月13日 | 日米同盟・日米安保

     

 安倍首相は12日イランへ行き、ロウハニ大統領と会談した後、13日未明(日本時間)共同記者発表しました(写真)。
 きわめて奇妙で不可解な記者発表でした。安倍氏はいったい何をしにイランへ行ったのでしょうか。

 今日の中東情勢の緊張激化の発端は、トランプ大統領による「イラン核合意」からの突然の離脱(2018年5月)であることは周知の事実です。
 その後アメリカは、イラン産原油の禁輸などの制裁(同11月)、イランの革命防衛隊を「テロ組織」に指定(19年4月)、さらに空母の中東派遣(5月)と次々にイランへの圧力を強めてきました。イランとアメリカの関係悪化の原因がアメリカ・トランプ政権にあることは明白な事実です。

 共同記者発表で、ロウハニ大統領は「現在の地域の緊張の原因はアメリカの経済戦争であり、それが終われば安定は確保される」と述べましたが、その通りです。

 一方、日本は「イラン核合意」を支持する立場です。だからロウハニ大統領も「日本がこれからも核合意を支持することを期待する。この分野では日本と協力できる」と述べたのです。

 ところが安倍首相は共同記者発表で、「緊張緩和に向けて役割を果たしたい」と言いながら、「イランが核合意を遵守することを期待したい」「忍耐がいる努力が必要だ」「日本はあきらめない」などと述べました。方向違いも甚だしいと言わねばなりません。

 安倍氏に言われるまでもなく、イランは核合意を遵守しています。遵守していない(どころか離脱した)のはアメリカの方です。安倍氏が「核合意を遵守することを期待したい」というべき相手は、イランではなくアメリカではありませんか。安倍氏はいったいイランにどんな「忍耐がいる努力」を求めるというのでしょうか。

 重ねて言いますが、安倍氏が向かうべき相手はイランではなくアメリカです。トランプ大統領に対し、「核合意を遵守するように」と進言すべきなのです。

 にもかかわらず、トランプ氏との会談を受け、「仲介役」を気取ってイランへ行き、お門違いのことを言う。これでは、日本がアメリカの手先、使い走りと見られても当然です。事実そうですから。日本がこの姿勢を改めない限り、やがてイランの批判は日本へも向けられることになるでしょう。

 ここに日米同盟(日米安保条約による軍事同盟)の実態・本質がはっきり表れています。

 アメリカに追随する安倍氏の醜態は、もちろん安倍氏個人の問題ではありません。世界から見れば、それが日本という国だということです。その責任は主権者である「日本国民」にあることを銘記する必要があります。


東京新聞・軍事費連載の秀逸と点睛

2018年11月27日 | 日米同盟・日米安保

     

 東京新聞の連載「税を追う―歯止めなき防衛費」(11月13日~25日)は、最近にない優れた連載でした。軍事費をめぐる安倍政権の暴走、対米従属、膨張のからくりを綿密な取材で検証しています。10回に及ぶ連載の各回のテーマ、見出しが要点をとらえているので、記事中の注目される記述とともに列挙します(写真中、右は連載とは関係ありません)。

 ①    かすむ専守防衛 官邸主導で攻撃兵器選定 自民国防部会でも詳細説明せず

  <防衛省の幹部が内情を明かした。「総理は、『敵にやられっぱなしで、日本が守るしかないだけでは良くない。攻撃的な技術をやった方がいい』という考えだと周囲は受け止めている。NSS(国家安全保障会議)で『総理の意』をくんだ議論を重ね、防衛省に提示させたんだ」>

 ②    コストより日米同盟 覆った偵察機導入中止 再考促したNSS(官邸)

 <ある欧米系軍事企業の幹部は「GH(米国から輸入する無人偵察機グルーバルホーク)は米空軍でもコストが問題視されたが、(日本)政府はコストより日米安保を踏まえ、米国との関係を重視したのでは」と話す。
 GH三機の年間の維持整備費は計百二十億円余り。かつて一時間飛ばすのに三百万円かかるという米側の試算もあった。日米同盟の名の下、兵器ローンのツケが国民に重くのしかかる>

③    進む日米一体化 軍事戦略の一翼担う 集団的自衛権を誇示

 <昨年末、日本は地上イージスの導入を決めた。トランプ米大統領が日米首脳会談で、安倍晋三首相に大量の防衛装備品の購入を迫った翌月のことだ。
 「地上イージスだけではなく、どんどん日米の軍事一体化が加速している」。民主党政権で防衛相を務めた北沢俊美氏は、第二次安倍政権下での日米同盟の変貌ぶりに目を見張る>

④    レーダー商戦 しのぎ削る米メーカー イージス艦搭載・更新1基100億円超

 <次のレーダー商戦は海上自衛隊のイージス艦だ。海自は保有する六隻のイージス艦のミサイル防衛能力を向上させながら、二〇年度までに八隻に増やす計画だ。…レーダー更新は一基百億円を超す一大ビジネスだ。今や米国製を中心に高額兵器を次々と導入するようになった日本。世界の軍事メーカーや商社が虎視眈々と商機をうかがう>

⑤    貿易赤字解消図る米大統領 「兵器買え」強まる流れ 「自動車を守るバーターに」

 <「私は(安倍首相に)『われわれは巨額の赤字は望まない。あなたたちはもっと買わざるを得なくなるだろう』と言った。彼らは今も大量の防衛装備品を買い続けている」。米紙ワシントン・ポストによれば、トランプ氏は九月下旬のニューヨークでの記者会見の際、直前に行われた安倍首相との会談で、そう迫ったことを強調した>

⑥    対外有償軍事援助(FMS 米優位もの言えぬ日本 ずさんな精算処理「足元見られている」

 <FMSは米国に有利な取引で、価格や納期は米側が主導権を握る。…(会計)検査院が調べたところ、早期警戒機など二〇一四~一五年度の六十四契約(総額六百七十一億円)すべてで、米側から届いた納品書と積算書の記載に食い違いがあった。…今年一~八月の六十六契約のうち、食い違いは実に七割超の五十契約(総額二千百八十億円)で見つかっている>

⑦    国内防衛産業 機関銃価格米の7倍 コスト意識薄く、水増し請求も

 <防衛省と契約実績のある企業には毎年、自衛隊の一佐以上と本省課長相当以上の幹部だけで六十~八十人が天下る。…防衛省の契約上位十社のうち八社は一六年、自民党の政治資金団体「国民政治協会」に計一億三千二百八十万円という多額の献金をしている。…政界と業界、防衛省・自衛隊のもたれ合いが浮かび上がる>

⑧    中期防兵器リスト 「八掛け」で詰め込む コスト管理ずさん 購入計画に狂い

 <「『ポツハチ』を掛けたりするんだよ。十年ほど前に退官した元自衛隊幹部が明かした。ポツハチとは「見積もりを0・8倍する」という意味だ。「中期防のリストに(兵器の)アイテムが載っていないと、絶対に事業化されない。だから、見積額を八掛けして無理やり入れている、というのが実態だ」>

⑨    米軍再編費要求ゼロ 膨らむ予算「裏技」駆使 兵器ローン重く自転車操業

 <二〇一九年度予算の概算要求は…本来盛り込むべき費用を外していた。…原因は後年度負担と呼ばれる国産・輸入の兵器ローンにある。…ローン残高はわずか六年間で二兆一千億円も増え、来年度は五兆三千億円を超す。…防衛省は補正予算にもローン返済を組み込む「裏技」を使うようになった>

⑩    辺野古新基地建設 県民抑え際限なき予算 警備「1日2000万円」

 <海上警備の予算は一五~一七年度で計百六十一億円。…陸上警備の予算を合わせると、三年間の総額は二百六十億円に上る。…一日の人件費は一人九万円で積算されており…辺野古には既に千二百七十億円が支出されている。…巨額の税金を垂れ流しながら、今後いくらかかるのか、見通しさえ国民に明らかにしようとしない>

 軍事費の闇を暴いて秀逸です。国会で徹底的に追及する必要があります。

 しかし、この優れた連載には、画竜点睛を欠くと言うべき欠陥があります。連載は軍事費の膨張・からくりの背景・根底に対米従属の「日米安保・軍事同盟」があることを暴きながら、その廃棄を主張していないことです。

 取材班は「問われているのは戦争のリアルを想像し、軍拡に頼らずに平和を求め続ける強い意思だ」(望月衣塑子記者、13日付)と主張しています。
 同感です。しかしそれは、小手先の修正や現状維持では実現しません。「軍拡に頼らずに平和を求め続ける」ためには、憲法違反の自衛隊の解散(防災復興組織への改組)、日米安保条約の廃棄という根本的改革が不可欠です。その明確な主張があってこそ、この連載に”魂“が入ったのではないでしょうか。


空から「有害物質」ばらまく米軍・日米安保の危険

2018年01月04日 | 日米同盟・日米安保

     

 日米軍事同盟(安保条約)がいかに市民の生命・安全を脅かしているか。それを端的に示したのが、昨年沖縄で相次いだ米軍機の故障・落下ではなかったでしょうか。

 10月以降だけをとっても、次の通りでした。

高江の民有地に米軍大型ヘリCH53Eが墜落(10月11日)

普天間基地に隣接する緑ヶ丘保育園の屋根に米軍機の付属物が落下(12月7日、写真左)

普天間基地に隣接する普天間第二小学校の校庭に大型へりCH53Eの窓枠(約8㌔)が落下(12月13日、写真中)

  いずれの事故(事件)も、米軍は原因究明さえせず、「人的ミス」などと言って訓練を再開しました。安倍政権は米軍のいいなりにそれを容認し、対米従属の実態をあらわにしました。

 米軍のこうした横暴を許している元凶が、日米安保条約(運用規定の日米地位協定)であることは言うまでもありません。その害悪を集中的に受けている沖縄の実態を、「本土」の私たちは自らの問題として受け止める必要があります。

  同時に、米軍によって市民の安全・生命が脅かされているのは沖縄だけではありません。そのことを示す事実が先月起こりました。

  12月11日、広島県上空で「火の玉」が複数の市民によって目撃されました(写真右)。それは、「ミサイル回避」のためにおとりに発射する火炎弾「フレア」といわれるもので、小野寺防衛相は12月17日、米軍機FA18の訓練によって発射されたものだったと認めました。

 「フレア」は「通常海上の訓練空域で発射される」(軍事ジャーナリスト黒井文太郎氏)もので、陸地しかも住宅地上空での発射は異例です。さすがに小野寺氏も「住民が不安を覚える訓練は決して適当ではない」(12月18日付中国新聞)と認めざるをえませんでした。しかし防衛省は、陸地上空の「フレア」発射も「日米地位協定違反に当たらない」(同)と強弁し、米軍の横暴を容認しました。
 
 広島県の湯崎知事が「大変遺憾だ」と述べたのをはじめ、関係自治体や市民団体から相次いで抗議や申し入れが行われました。しかしその後、「フレア」をめぐる報道はみられず、このままうやむやになるかと思われました。

 ところが、ある新聞記事に驚くべきことが書かれていました。

 「米軍落下物絶えず 首都圏 紛失含め14件」という見出しの東京新聞の記事(12月14日付)で、その中にこうあります。
 「今月初めには敵ミサイルを避けるためのおとりの火炎弾『フレア』の一部が紛失都によると、北関東防衛局から『有害物質で触れるべきではない』との通知があった」(12月14日付東京新聞)

  記事は米軍横田基地の話です。広島の民家上空の訓練で発射され目撃されたもの以外に、「フレアの一部」が横田基地で紛失していたというのです。
 しかもそれは、「有害物質」だから「触れるべきでない」、と北関東防衛局から東京都に通知があったというのです。
 これ自体、単独で報じるべき重大ニュースですが、見過ごされていました。

  「フレア」は「有害物質」。ということは、防衛局が「触れるべきではない」と警告したその「有害物質」が、広島の住宅地に何発もばらまかれたということです。

 「有害物質」とは具体的に何かは明らかにされていませんが、沖縄で墜落した大型ヘリCH53Eには放射性物質があったことから、「フレア」の「有害物質」も放射性物質である可能性は否定できません。

  米軍は「訓練」と称して日本の住宅地上空で放射性物質の可能性もある「有害物質」をばらまくのです。それを日本政府は口では「適当ではない」と言いながら容認する。
 これが日米軍事同盟=安保条約体制の実態です。
 「北朝鮮脅威」論をふりまきながら、「ミサイル防衛」と称して「有害物質・フレア」が住宅地にばらまかれる危険性は今年一段と強まる恐れがあります。

  書かねばならないテーマがたまっているので、明日も書きます。


安倍政権で急増、米兵器購入・FMSの闇

2017年12月21日 | 日米同盟・日米安保

     

 安倍政権は19日の閣議で、地上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」を2基アメリカから購入することを決めました。

 「防衛計画の大綱」や「中期防(2014年~18年)にはないものを、話が持ち上がって(今年3月30日の自民党安全保障調査会=座長・小野寺五典現防衛相の提言)わずか9カ月で導入決定という異常な経過です。自衛隊幹部が「官邸から『とにかく早く』と圧力が増していた」(20日付中国新聞=共同配信)と内幕を明かしています。

 異常さは経過だけではありません。なんといっても価格です。1基1000億円。2基で2000億円。2000億円といえば、年収300万円の福祉・保育職員6万6000人分の年間給与に匹敵する巨大なムダ遣いです。

 ところが、この「1基1000億円」も暫定的なもの、というよりさらに増えることが必至の少なめな見積もりにすぎません。

 「防衛省は…『イージス・アショア』について、取得費が1基当たり1千億弱と説明した。レーダーなど装備の性能によりさらに高額となる可能性も指摘」(13日付中国新聞=共同配信)
 「政府が当初示した費用は膨らみ、最終的な額は不透明だ」(20日付中国新聞=共同配信)

 現に、政府は11月29日の参院予算委員会では「一般的な見積もり」として「1基800億円」と答弁していました。それが20日余で「1基1000億円」に跳ね上がったのです。

 おかしくないですか?「最終的な額は不透明」、どれだけ膨らむか分からないものを、購入することだけは急いで決める。こんな買い物があるでしょうか。まして、税金を2000億円も使う買い物です。

 これにはカラクリがあります。FMS(Foreign Military Sales)というシステムです。
 日本政府は「有償軍事援助」と訳し、日本のメディアはそれをそのまま使っていますが、この訳自体が不当です。本来「対外兵器売り込み」と訳すべきでしょう。つまり、米兵器産業になりかわってアメリカ政府が外国に兵器を売り込む制度です。

 FMSの最大の問題は、購入する兵器の価格も納期も米政府の言いなりで、しかも前払いだということです。

 「日本が米国から最新鋭の武器や装備品を買うときは、米政府の有償軍事援助(FMS)に基づく。価格や納期は、米国の提示する条件を受け入れなければならない。要は彼の国の『言い値』」(久江雅彦共同通信編集委員、12日付中国新聞=共同配信)

 信じられない制度です。さすがに防衛省自身、これは改善しなければならないという提言を出していたことがあります。

 2008年1月、防衛省(装備政策課)は「FMSの一層の改善」と題した19㌻にわたる文書を発表しました。その中で、「FMSの課題」として、「納入・生産の促進」「価格の適正性の確保」の2点をあげ、こう指摘しています(防衛省HPより、写真中)。

 「出荷予定時期から1年以上納入が遅延しているケースの未納入額の合計は約272億円(平成18年度末現在)…未納入額、未精算額の縮小を図る必要がある

 「FMSの見積書や引合書(FMSにおいて契約書に相当するもので、米国防省が作成)に、価格内訳が明確に示されていない場合が多く、一層の価格内訳の開示が課題

 防衛省自身が強調していたこうした「FMSの課題」は、9年たっても何ひとつ改善されていません。

 にもかかわらず、重大なのは、FMSによる米政府からの兵器購入が安倍政権になって急増していることです。
 
 「安倍政権が予算編成する前の2012年度に1372億円だったFMS購入は、18年度(概算要求)には4804億円へと上昇している」(20日付中国新聞=共同)
 「FMSによる購入額は08~12年度の計約3647億円から、安倍政権が予算編成した13~17年度にはF35など高額な買い物で計約1兆6244億円へ跳ね上がった。米国からの購入を増やすほど米軍と自衛隊の一体化は加速する」(久江氏、前出) 

 安倍政権で実に4・5倍に跳ね上がったわけです。「イージス・アショア」の購入によってこの数字はさらに大きくなります。

 FMSは兵器購入における露骨な対米従属にほかなりません。安倍政権におけるその急増は、「北朝鮮脅威」論などトランプ大統領と「百パーセント一致」と公言してはばからない安倍氏の対米追随、さらに戦争法(安保法制)による米軍と自衛隊の一体化、集団的自衛権行使と密接にリンクしています。


安倍所信表明で明らかになった「北朝鮮脅威」論の狙い

2017年11月18日 | 日米同盟・日米安保

     

 安倍首相が17日、所信表明演説を行いました。野党やメディアは「時間の短さ」を問題にしていますが、そんなところに目を奪われてはなりません。肝心なのは中身です。

 総選挙の「大勝」、トランプ米大統領の訪日を受けて行われた今回の所信表明には、極めて重大な内容が含まれています。

 開口一番、「緊迫する北朝鮮情勢…」で始まった所信表明の最大の特徴は、あらためて「北朝鮮の挑発・脅威」論を前面に出したことですが、同時に、安倍政権がそれで何を狙っているのかが浮き彫りになりました。注目すべきは次のくだりです。

 「北朝鮮による挑発がエスカレートする中にあって、あらゆる事態に備え、強固な日米同盟の下、具体的行動を取っていく。ミサイル防衛体制をはじめとするわが国防衛力を強化し…」

 思い起こされるのは、安倍氏との共同記者会見におけるトランプ氏の発言です。

 「首相は大量の(米国製)軍事装備を購入するようになるだろう。そうすれば、ミサイルを上空で撃ち落とせるようになる」(6日)

 「北朝鮮の挑発・脅威」論は、アメリカ製の兵器の売り込み・購入による大軍拡のための口実であることは明白です。
 それは日本の財界の要望・言い分でもあります。

 「日本をとりまく安全保障環境は、北朝鮮のミサイル発射、核実験などの挑発的行為等、厳しさを増している。…日本の安全保障環境に照らし合わせ、必要な防衛力、防衛体制の整備の観点から、防衛費のさらなる増強について、大局観を持った冷静な議論がなされることを期待する」(関西経済同友会「新政権に望む」2017・11・6)

 重要なのは、安倍・トランプ政権が狙う大軍拡は、たんに軍事費の量的膨張にとどまらず、重大な質的転換をもたらそうとしていることです。

 トランプ氏が共同会見で公言した「ミサイルを上空で撃ち落とせるようになる」発言、それに呼応するように安倍氏が所信表明で強調した「ミサイル防衛体制」。これはいったい何を意味しているでしょうか。

 「トランプ氏は北朝鮮の弾道ミサイルに対する米国の迎撃技術も積極的にアピールした。自民党内には、北朝鮮ミサイルへの対処策として発射直前に拠点を壊滅させる「敵基地攻撃能力」の保有論がくすぶる。トランプ氏の要求を背景に、こうした声が勢いづく可能性もある」(7日付中国新聞=共同配信)

 「ミサイル(ロケット)」が発射されてもいないのに、日本が北朝鮮を攻撃する。そんな恐るべきシナリオが、トランプ氏の要求を背景に、現実のものとなる可能性が強まるだろうというのです。安倍氏が言う「具体的な行動」とはこのことなのか。
 まさに日本は、アメリカの目下の同盟国として戦争をする国になり下がってしまいます。

 安倍氏やトランプ氏がふりまく「北朝鮮の挑発・脅威」論の先には、こんなおぞましいシナリオがあることを見逃すことはできません。


米軍機傍若無人ー炎上ヘリに放射性物質、広島上空に”火の玉”

2017年10月14日 | 日米同盟・日米安保

       

 11日夕、高江の民有地で炎上した米軍大型ヘリCH53Eは「不時着」とされていますが、元運輸安全委員会航空事故調査官の楠原利行第一工業大教授は、「機体の壊れ方をみると、不時着以上の、墜落に近い『ハードランディング』だったのではないか。…米軍が『墜落』と言わないのは、沖縄の県民感情を考慮しているのだろう」(13日付中国新聞)と指摘しています。

 沖縄県民の不安・怒りをさらにかきたてているのが、炎上したヘリの機材に放射性物質が使われていたことです。

 「在沖米海兵隊は13日、本紙取材に『CH53Eのインジゲーター(指示器)の一つに放射性の材料が使われている』と認めた」(14日付琉球新報)
 「炎上事故があった東村高江では放射能測定器とみられる機器を持った米兵が現場に入った」(同)(写真左はそのもようと思われます)

 2004年8月13日にも同じCH53Eが沖縄国際大学に墜落しましたが、その時米軍は機体に放射性物質「ストロンチウム90」が含まれていたと発表しました。

 放射性物質に詳しい矢ケ崎克馬琉球大学名誉教授は、ストロンチウム90はプロペラローターにダメージが入った時にいち早く感知するためのものだとしたうえで、「一番激しく燃えたところにストロンチウム90の装置が搭載されている可能性が非常に大きい。沖縄国際大に墜落したときは6本のローターの1本だけが燃え上がったが、今回は6本全部燃え上がっている可能性が大きく、大変危惧している」(13日の報道ステーション)と警鐘を鳴らしています。

 米軍は放射性物質は「健康を害するのに十分な量ではない」(14日付琉球新報)としていますが、沖縄国際大に墜落した時は、消火活動にあたった米軍の消防隊員は消火活動の直後に放射能検査を行っています(日本の消防隊員には行われませんでした)。

 ストロンチウム90は、「骨の中に入ると内部被ばくとしてベータ線を浴び続ける危険性がある」(勝田忠広明治大学准教授・原子力規制委員会審査会委員、13日報道ステーション)という恐ろしい物質です。

 米軍機には放射性物質が使われており、事故で炎上すればそれが飛散し、住民が内部被ばくする危険性がある。それが現実のものとなりました。
 これはもちろん沖縄だけの問題ではありません。米軍機が傍若無人に飛び回る日本全土が直面している恐怖です(日米安保条約の「全土基地方式」)。

 時を同じくして、13日夕、RCC(中国放送)が重大なニュースを流しました。広島県北広島町の複数の視聴者から、11日、米軍機(F18か)から〝火の玉”がいくつも落ちてきた、という情報が寄せられたというのです(写真右)。

 軍事ジャーナリストの黒井文太郎氏によれば、この”火の玉”は「フレア」というもので、ミサイルを回避するためのおとりの熱源。黒井氏は、「フレアは通常海上の訓練空域で発射される。民家の上空で発射されたことは聞いた記憶がない」(13日RCCニュース)と驚きを隠しませんでした。

 「ストロンチウム90」も「フレア」も、住民が暮らしている地域(上空)に、米軍がばらまいたものです。日本の領土領空をわがもの顔で飛び回り、住民を危険にさらす。
 これが在日米軍の姿、それを許している日米安保条約の実態です。


憲法に反する「力による平和」の日米同盟

2017年04月20日 | 日米同盟・日米安保

     

 アメリカのペンス副大統領は18日の安倍首相との会談で、北朝鮮に対する軍事圧力に関連して、「平和は力によってのみ初めて達成される」と述べました。これに対し安倍首相は、「(アメリカが)全ての選択肢があるとの考えで対処しようとしていることを日本は評価する」と賛辞を送りました。
 日米同盟とは「力による平和」を共通基盤にしたものであることを白日の下にさらした会談でしたが、これを過小評価したり見逃したりすることは絶対にできません。
 なぜなら「力による平和」は、日本国憲法はもちろん、国連憲章の基本理念にさえ反し、大戦の歴史的教訓を踏みにじるものだからです。

 国連憲章は前文でこううたっています。
 「われら連合国の人民は、われらの一生のうちに二度まで言語に絶する悲哀を人類に与えた戦争の惨害から将来の世代を救い、基本的人権と人間の尊厳及び価値と男女及び大小各国の同権とに関する信念をあらためて確認し…共同の利益の場合を除く外は武力を用いないことを原則の受諾と方法の設定によって確保(する)」

 そのうえで憲章第2条第3項は、「すべて加盟国は、その国際紛争を平和的手段によって国際の平和及び安全並びに正義を危うくしないように解決しなければならない」と規定しています。

 国連憲章がこう定めているのは、「紛争の平和的解決つまり非軍事的解決こそは、国連憲章の最も基本的な精神である。これは、第二次大戦の苦い教訓の上に立っている」(渡辺洋三氏『憲法と国連憲章』岩波書店)からです。

 さらに、憲章第2条第4項は、「すべて加盟国は、その国際関係において、武力による威嚇又は武力の行使を…慎まなければならない」と規定しています。
 「ここで特に注目されるのは、単に武力行使のみならず、武力による威嚇もまた禁止されていることである。これは、戦争を禁止しても、すでに戦争(武力行使)に入ってからでは手おくれとなるので、戦争になる以前に武力による威嚇そのものを禁止しなければならないという趣旨である」(渡辺洋三氏、前掲書)

 こうした国連憲章の基本理念をさらに徹底させたのが、いうまでもなく日本国憲法です。

 憲法は前文で、「日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであって、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」と宣言しています。

 そして第9条第1項は「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇または武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」と、「武力の行使」だけでなく「武力による威嚇」の放棄を明言し、第2項で「前項の目的を達成するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない」と戦力不保持を明記しています。

 日本国憲法の平和主義は、欧米の憲法や国連憲章とくらべても傑出しています。

 「立憲主義を生み出した西欧の文明は、『最終的には力によって擁護される正義』という思想と分かちがたく結びついてきた。…ほかならぬ国際連合憲章も、『戦争』の違法化を前提としながらも、最終的には、軍事力による制裁によって平和を回復するという考え方のうえに組み立てられている。…それに対し、日本国憲法は、九条によって、二一世紀にむけての人類社会に対し、あえて、もうひとつの別の選択を提示したものである」(樋口陽一氏『憲法入門』勁草書房)

 トランプ政権による北朝鮮への軍事圧力が、国連憲章が禁じている「武力による威嚇」にあたり、「力による平和」が日本国憲法の基本原則に反していることは明白です。
 そして実態的にも、米軍と憲法違反の軍隊(戦力)である自衛隊の一体化が急速に進行しています。海自は朝鮮半島沖で米原子力空母カール・ビンソンと共同「訓練」を行う計画です。ペンス副大統領が19日に横須賀の米原子力空母ロナルド・レーガンで行った北朝鮮をけん制する演説には自衛隊も参加していました=写真右。

 これが日米安保条約による憲法違反の「日米同盟」の実態です。

 ところがこの憲法違反の「日米同盟」を擁護しているのが日本のメディアです。
 ペンス副大統領の「力による平和」発言とそれを「評価」した安倍首相を社説で批判した新聞は1つもありません。
 「北朝鮮への圧力は、外交、軍事両面で戦略的に高めるべきだ。…厳しい懲罰行動も辞さない姿勢を示すことが欠かせない」(19日付社説)と「武力による威嚇」をたきつけている読売新聞は論外として、「平和解決へ日米連携を」という東京新聞でも、「対話を呼び掛けるだけで北朝鮮が核、ミサイル開発の断念に応じるようなことはないだろう。残念ながら軍事力の存在がなければ、交渉のテーブルに着けることすらできないというのが、国際政治の現実ではある」(19日付社説)と、「武力による威嚇」を肯定しています。

 憲法違反の「日米同盟」(日米安保体制)を擁護・肯定してはばからないこうした日本のメディアが、「安倍内閣の高支持率」を作り出している要因の1つであることは明らかです。


なぜ日米軍事同盟を問い直さないのか

2017年04月17日 | 日米同盟・日米安保

     

 トランプ大統領が北朝鮮への軍事圧力を強める中、朝鮮半島・東アジアで軍事衝突(戦争)を回避するために、日本は何をすべきでしょうか。

 朝日新聞は「北朝鮮と日本 軍事より対話の道描け」と題した12日の社説で、「安倍政権が米国の『力の誇示』を評価する姿勢を示していることに疑問を禁じ得ない。大事なのは、対話による危機回避の道筋を描くことだ」と指摘し、「軍事に偏らない選択肢をトランプ政権に説く。それこそが、日本がいま果たすべき喫緊の使命だ」と主張しています。

 また、16日放送の「サンデーモーニング」(TBS、写真右)で、寺島実郎氏は、「アメリカの単独行動を許してはいけない」とし、「問題を国連に持ち込む。その中で日本の役割も出てくる。アメリカの単独行動に日本がついて行くことだけはやってはならない」と強調しました。

 日本政府(安倍政権)に対する批判がきわめて乏しい日本のメディアの中で、いずれも注目される主張ですが、共通した問題を指摘せざるをえません。それは、日米安保=日米軍事同盟について一言も触れていないことです。
 もちろん両者に限ったことではなく、今回の事態に関連して新聞の社説やテレビのコメンテーターで、日米安保・軍事同盟の問題に言及したものは(私が見た限り)皆無です。日本のメディア(社会)にまん延する「安保タブー」が浮き彫りになっています。

 現実はどうでしょうか。
 安倍首相はトランプ大統領のシリア攻撃を真っ先に「理解・支持」した談話の中でこう述べました。
 「東アジアでも…同盟国と世界の平和と安全に対するトランプ米大統領の強いコミットメントを日本は高く評価する」(7日)

 一方、トランプ大統領は米中首脳会談の直後、ツイッターにこう書きました。
 「中国がやらないなら、アメリカと同盟国がやる」(13日)

 安倍首相がトランプ大統領に追随し、米軍と自衛隊の一体化を強めているのは、日米安保条約によって日本がアメリカの従属的軍事同盟国になっているからにほかなりません。この同盟関係を見直さない限り、「軍事に偏らない選択肢をトランプ政権に説く」ことも「アメリカの単独行動について行かない」ことも夢物語です。

 朝鮮半島・東アジアでの武力衝突(戦争)を避けるために、日本は、日本国民は何をすべきか。それが私たちにとっての最大課題であり、日米安保=軍事同盟の見直し・解消を抜きにそれは考えられません。「安保タブー」をいまこそ打ち破るときです。

 


トランプ勝利<下>日本を覆う「日米軍事同盟タブー」

2016年11月14日 | 日米同盟・日米安保

    

 「米軍基地負担」など「日米同盟」に関するトランプ氏の発言が今後どう修正・変化するかは不透明です。しかし確かなことは、今回の米大統領選を契機に日本の私たちが考えるべき最大の問題は、今後の日米関係のあり方、言い換えれば日米軍事同盟(日米安保条約体制)の再検討ではないでしょうか。

 「世界の警察官になるべきではない」という米大統領が誕生することは、たとえそれが今後撤回・修正されるとしても、日米軍事同盟にとっては最大の「危機」でしょう。
 安倍首相が電話でトランプ氏に直ちに、「日米同盟は普遍的価値で結ばれたゆるぎない同盟だ。さらに強固にしていきたい」(9日)と述べたのは、その「ゆるぎ」を恐れたからにほかなりません。

 では、日本のメディアは、「トランプ勝利」を受けて日米(軍事)同盟をどう再検討しようとしているでしょうか。10日の各紙の社説を見てみましょう。

 朝日新聞…「米国の役割とは何か。同盟国や世界との協働がいかに米国と世界の利益になるか。…日本など同盟国は次期政権と緊密な関係づくりを急ぎ、ねばり強く国際協調の重みを説明していく必要がある」

 毎日新聞…「第二次世界大戦後の世界は冷戦とソ連崩壊を経て米一極支配の時代に入り、米国の理念に基づいて国際秩序が形成されてきた。…『米国を再び偉大な国に』をスローガンにするのはいいが、同盟国との関係や国際協調を粗末にして『偉大な国』であり続けることはできない」

 読売新聞…「何よりも懸念されるのは、同盟国を軽視するトランプ氏の不安定な外交・安保政策だ。…米主導の国際秩序をこれ以上揺るがしてはならないだろう。…日本は、新政権の方針を慎重に見極めながら、同盟の新たな在り方を検討すべきである

 日経新聞…「日本の安全保障が米軍に依存しているのは事実であり、ある程度の負担増はやむを得ない。日本の防衛力強化も避けて通れない道だ。…国連平和維持活動(PKO)など世界平和への協力に日本も汗を流すなどして日米の絆を深めるのが現実的だ」

 産経新聞…「より重要なのは、東シナ海の尖閣諸島の危機を抱える日本として、自らの防衛努力を強める覚悟を持つことである。(安倍首相の言葉を引いてー引用者)決意のみならず、具体的な防衛力の強化策を講じることが不可欠といえよう」

 読売、日経、産経はいかにも率直に安倍政権の考えを代弁しています。稲田防衛相も述べたように、彼らはトランプの発言を奇貨として、日本の軍事力(自衛隊)の一層の強化を図り日米軍事同盟をさらに強固にしようとしています。

 朝日、毎日はさすがにそうストレートには言いませんが、共通しているのは、「アメリカ中心の世界秩序」の維持(「世界の警察官」の継続)であり、そのための同盟国・日本との「協働」です。

 こうして日本の主要メディアはすべて、強弱の差はあっても、トランプ政権下での日米軍事同盟の維持・強化を主張しています。その点で安倍首相との違いはありません。

 メディアだけではありません。新聞やテレビに登場するいわゆる「学者・識者」も、「日米関係を見直す好機」(田岡俊次氏、14日付沖縄タイムス)とは言っても、日米軍事同盟を廃棄すべきだと主張する人は、私が見た限り、1人もいません。逆に、リベラルと見られている学者からも、「国際関係を維持していくには…これまで日本は米国依存だったが、今後は責任ある同盟国として対応していくべきだ」(西崎文子東大教授、10日付中国新聞=共同)などの論調が出ています。

 政党はどうでしょうか。
 民進党の蓮舫代表は「トランプ勝利」で、「日米関係の重要性は不変だ」「安定した日米同盟を引き続き維持し、経済関係の連携を図りたい」(10日付共同)との「談話」を発表しました。

 政党で唯一日米安保条約に「反対」の日本共産党はどうでしょうか。志位和夫委員長は「談話」(10日付「赤旗」)で、「アメリカ社会の矛盾と行き詰まり」や「グローバル資本主義の深い矛盾」を指摘しながら、「新大統領として、今後どのような政策を提示するのか、注視していきたい」と言うだけで、「日米(軍事)同盟」の言葉(まして見直し・廃棄)は一言もありません。

 こうして日本は、メディアも「学者・識者」も政党も、日米軍事同盟(安保条約体制)を維持・推進・黙認する点で、すべて1つの傘の中にすっぽり入っています。「トランプ政権誕生」でもそれは変わりません。変えようとしていません。

 それでいいのでしょうか。
 「日米同盟の普遍的価値」とは何ですか。日米軍事同盟に縛られていて、中国、北朝鮮と良好な関係が築けますか。「軍事同盟」で平和がつくれるでしょうか。

 いま必要なのは、日本を覆っている「日米軍事同盟(安保条約体制)タブー」を打ち破って、「非同盟・中立の日本」を構想し議論することではないでしょうか。


トランプ勝利<上>〝格差社会の反乱”だけれども・・・

2016年11月11日 | 日米同盟・日米安保

    

 米大統領選でのトランプ氏の勝利についは、これからもさまざまな報道・論説があるでしょう。トランプ氏自身の言明・政策にも変化が予想され、まったく流動的です。
 そんな中で、今の段階で思うことを何回かに分けて書きます。

 トランプ氏が勝った要因はいくつか指摘されていますが、私がもっとも大きいと考えるのは、格差社会における「貧困層」(広い意味で)の既成政治(政権)への反発です。それが予想以上に大きかったということではないでしょうか。

 「白人労働者」をはじめトランプ氏を支持した人々が異口同音に「変化」を求めていたことにそれが示されています。背景に、人口の3%の層が富の54%を独占しているアメリカの超格差社会があることは言うまでもありません。
 私も含め「トランプ勝利」を予測できなかったのは、この格差社会の中でいかに労働者・市民が厳しい生活・状態におかれているかがよくわかっていなかったからではないでしょうか。メディアの、そして私自身の「立ち位置」が改めて問われます。

 労働者・市民は「二大政党制」という時代遅れの政治制度の中でとりうる限られた手段で、現状変革を求めて立ち上がったと言えるのではないでしょうか。いわば格差社会における労働者・市民の〝反乱”(革命)だったのではないでしょうか。

 開票1日目はそう肯定的に考えました。しかし、その後全米各地で起こっている「反トランプデモ」を見て、こうも考えました。
 たとえそれが労働者・市民の〝反乱”(革命)だったとしても、それでもやはり、トランプに投票すべきではなかった、と。

 核兵器容認(使用を含め)、国境の「壁」建設、移民の排斥、女性蔑視(というより強制わいせつの居直り)…トランプ氏は政治的信条や政策以前の問題として、大統領はおろか政治家、人間として失格です。たとえ「既成政治」に不満があって「変化」を望んだとしても、そんな人物に1票を投じる(彼の暴言を許し容認する)ことが、有権者として、人間として、果たして正しい行為でしょうか。

 どんなに生活が苦しくても、人には曲げてはいけないものがある。認めてはいけないことがある。カネよりも尊いもの(こと)がある。

 そう思うにつけ、日本における「米大統領選報道」には絶望的な思いを禁じ得ません。
 「トランプ勝利」が株価や為替にどう反映し「日本経済」にどう影響するか、すなわち自分たちにとって得か損かの一辺倒ではありませんか(メディアも市民の反応も)。
 「一般市民」にも株や投機が浸透している「カジノ資本主義」の病理現象です。世界情勢にとって重要な出来事も、株や為替の動き、得か損かを最優先で考える。これこそ本当の「貧困」ではないでしょうか。

 日本の私たちは、「トランプ勝利」にどう向き合うべきか。次回はそれを考えます。

 当ブログは基本的に月、火、木、土に書きます。ただ、介護している母の状況により、今回のように不規則になることが今後もありうると思います。どうかご了承ください。