☆「夜の街」の人々の奮闘と願い
30日夜のNHKスペシャル「“夜の街”で生きる~歌舞伎町 試練の冬~」。
小池百合子都知事らからまるでコロナ感染の元凶のように攻撃された新宿・歌舞伎町の人たち。女性従業員らの代表、集合ビルのオーナー、ホストクラブの社長、クラブのママたちが、たたかっている。
「感染予防か営業(生活)かではなく、どちらも両立させる」。これまでバラバラだった人たちがつながり合い、声を掛け合っている。「(営業)時間短縮じゃなく、思い切ってしばらく休もう」。ホストクラブの社長は定期的に自ら採血に出向き抗体検査に協力している。
「都の補償金ではどうにもならない。一律ではなく店の面積(家賃)に応じた補償にしてもらいたい」「やるべきことをやって、言うべきことを言おう」…。
ギリギリの瀬戸際。代表らが新宿区長に要請に行った。「(区長から、特措法改悪の)罰則に賛成の人が多いと聞いて、ショックだった」。クラブのママが肩を落とした。
世間の冷たい視線にさらされながら、人の何倍も感染防止に努力し、協力し、自らの生活と庶民の文化を守るために奮闘している人たちが、「夜の街」にはいる。そんな人たちを「犯罪者」扱いすることは、絶対に許されない。
☆新谷仁美選手の勇気ある発言
菅政権がいまだに「東京オリ・パラ開催」に固執し、NHKはじめメディアがそれを煽る報道を続けている中、陸上女子1万メートルで日本新記録を出し五輪代表に選ばれている新谷仁美選手が、23日のニュースでこう言っていた。
「(東京五輪開催に)アスリートとしては賛成です。でも、国民としては賛成できません。国民と一体になってこそのオリンピックです。私たち(アスリート)も(国民に)よりそわなければなりません」
アスリートとしては東京五輪はまさに夢の舞台だろう。32歳で日本新記録を出し代表に選ばれた新谷選手にとってその思いは人一倍強いだろう。しかし、現実を見れば…。激しい葛藤を胸に秘めた新谷選手の冷静で理知的な発言に、そして、日本のスポーツ界でそれをメディアに公言する勇気に、1万メートルの日本新記録以上の感動をおぼえた。
☆森滝春子さんの日米安保発言
核兵器禁止条約発効にあたり、被爆者・市民団体から日米安保条約(軍事同盟)に反対する声が聞かれないのはどうしたことか、と書いた(26日のブログ)。貴重な発言を見落としていたので、追記する。
核兵器廃絶をめざすヒロシマの会共同代表の森滝春子さんが、こう述べている。
「(日本が条約に参加しようとしないのは)米国との同盟を基盤とし、「核の傘」への依存を打ち出していることが最大の障害だ。…ここをえぐり出さなければ、被爆国の条約参加はない。被爆地が問われている。壮絶な闘いはこれからだ」(25日付中国新聞)
それぞれの場所で、誠実に、真剣に生き、たたかっている人たちがいる。この日本にも、確かにいる。