アリの一言 

天皇制、朝鮮半島、沖縄の現実と歴史などから、
  人権・平和・民主主義・生き方を考える。
   

NHKの暴走を食い止めよう

2013年12月31日 | 日記・エッセイ・コラム

NhkNhk_2 NHKの偏向報道が目につきます。安倍政権になって、ますますおかしくなっています。このまま放置すると、「大本営発表」の政府機関として、「戦争をする国」の先導役になってしまいます。
 その現状を27日夜放送(28日朝再放送)された今年の「ニュースハイライト」で見てみましょう(写真はいずれも同番組から)。

 冒頭、「東京五輪招致」を延々10分以上にわたって取り上げました。ようやく他のニュースになったと思ったら、いきなり「アベノミクスによって日本経済に明るさが見えてきました」「ボーナスも平均8%アップ」。庶民の暮らしなどそっちのけで安倍賛美です。

 続く政治分野では、安倍政権の「決める政治」「安倍カラー」を持ち上げ、集団的自衛権、国家安全保障会議、秘密法を次々取り上げました。辺野古新基地建設の仲井真知事承認に対しては、「これで具体的に動き出すことができるとしています」とコメント。

 「中国船の領海侵入は53日」と“中国ウオッチ”の集約です。それほど毎日のように「中国船の侵入」を報じるなら、繰り返されるオスプレイの違反飛行を少しでも取り上げたらどうでしょうか。

 さすがに「靖国参拝」では中国、韓国の反発が強いと述べざるをえませんでした。が、なぜかアメリカが批判していることについては一言も触れませんでした。

 最後は再び「東京五輪」です。「五輪関連報道」は今後ますます増えると思われます。スポーツはもちろん素晴らしいものですが、これを「国威発揚・国民統合」に政治利用しようとするのは権力者の常套手段です。ヒトラーにおけるベルリン五輪はその典型的です。国民の思考停止にもつながりかねません。要注意です。

 安倍氏のNHKへの介入は自民党副幹事長時代の「慰安婦国際法廷」報道への圧力以来一貫しています。第2次安倍政権で経営委員に息のかかった人物を多数送り込むなど、その動きはますます強まっています。

 NHKに限らずメディアの最大のウィークポイントは視聴者・読者です。内部の人間は市民が考える以上にその声に敏感です。視聴者・読者の声は直接反映されなくても、中で頑張っている良心的な人たちを励ます力になります。NHKでもいい放送(Eテレなど)は褒め、ひどい放送はきびしく批判する。市民の声を強めていきましょう。

 余談ですが、再来年のNHK大河ドラマの舞台は山口県です(主人公は吉田松陰の妹)。偶然でしょうか?

 <今日の注目記事>(31日付琉球新報社会面トップ)

 ☆<県内補導 最多5万人 街頭活動強化要因 深夜徘徊7割 13年10月末
    通年で6万人超か>
 「2013年に県内で補導された少年の数が県警が統計を取り始めた1972年以降、最多となることが30日までに分かった。ことし10月末時点で5万81人に上り、今まで最多だった11年通年の4万4559人を既に超えている。通年では6万人を超えるペースとなっている。補導人数のうち約7割を深夜徘徊が占める。県警少年課は増加した理由について、警察官やボランティアの補導員が街頭での補導を強化したためとみている」

 ※年間6万人とは大変な数字で、単純計算で1日160人以上。背景に沖縄の貧困と学校の困難な状況があるのは確か。沖縄の将来にとって重大な問題です。


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毎年10月沖縄を訪れた元ベトナム帰還兵

2013年12月30日 | 日記・エッセイ・コラム

DvdPhoto 「地球上のすべての国に(日本国憲法)9条があってほしい」。そう語って日本全国を行脚した元米海兵隊員でベトナム帰還兵のアレン・ネルソンさん(1947~2009)の半生と活動を紹介したDVD「9条を抱きしめて」(企画・制作アレン・ネルソン平和プロジェクト)、が新たに発売され、講演録『そのとき赤ん坊が私の手の中に』(発行・K9MP)とともに注目されています(11月15日の「日記」参照)。

 そのネルソンさんの通訳として全国を回った平塚淳次郎さん(80=右写真)がこのほど来沖。「平塚さんを囲んで、ネルソンさんを語る集い」が27日夜、那覇市内でありました。ネルソンさんが沖縄に来るきっかけをつくり親交を結んだ宜野座映子さん(元高校教師=写真同)が企画したものです。平塚さんと宜野座さんの話で、ネルソンさんの新たな一面を知ることができました。

 発端は1995年9月の米兵による少女暴行事件でした。5万3千人の抗議署名を持って渡米した宜野座さんらに対し、「米海兵隊が日本で何をしたか、僕が話しましょう」と申し出たのがネルソンさんでした。翌96年に来沖し、高校で生徒らに「兵士は人殺しが仕事」と軍隊の本質と平和の大切さを語ったネルソンさんは、以後13年間、一度も欠かさず、少女暴行事件の抗議集会が行われる10月に来沖し、平和を語り続けたのです。この事件をきっかけに普天間飛行場の返還問題が今も続いているわけですが、その痛み・怒りに背を向けて新基地建設を容認した某知事とは雲泥の差です。

 ベトナム帰還後、PTSDに苦しみホームレスにもなったネルソンさんが、自らの体験を語るまでに再起できたのはなぜか。平塚さんは、「国家の罪を、個人が引き受けた。それでやっと語れるようになった」と言いました。戦争体験の継承という点からも、考え続けたい深い言葉です。

 兵士とは?軍隊とは?在沖海兵隊とは?ベトナム戦争と沖縄は?ネルソンさんが早世する原因となった枯葉剤は?戦争の加害責任とは?そして憲法9条の意味は?・・・ネルソンさんの体験と言葉は、まさに今こそ沖縄で、全国で広められる必要があります。

 集いに参加した18人のほとんどは、同日県庁前とロビーで行われた「仲井真知事辺野古埋め立て承認」抗議集会に参加した人たちでした。その中には、初めて来沖した兵庫県の夫婦や、「これまで自民党に投票してきて裏切られた」という人が、集会で初めて会った人に誘われて参加しました。ネルソンさんの引き合わせでしょう。厳しい情勢ですが、闘いの輪も広がっていることを実感しました。

 <今日の注目記事>(30日付)

 ☆<辺野古賛成 全国49% 共同通信世論調査 オスプレイ訓練県外へ71%>
   (沖縄タイムス1面トップ)

 ☆<知事承認不支持61% 「公約違反」72% 琉球新報社・OTV世論調査>
      (琉球新報1面トップ)

 ※全国調査で辺野古移設賛成が49・8%に対し、反対は33・6%。ただ、「安倍内閣不支持層」についてみると賛成38・0%に対し、反対45・2%と逆転します。
 県民調査では不支持61・4%に対し賛成は34・2%。この数字も意外です。もっと不支持が多いと思いました。
 それにしても、全国と県内の捉え方の違いは歴然です。沖縄から全国への不信感・反感があらためて高まるでしょう。本土の人間は何を見ているのか!
 ただ、世論調査だけで国民の意識を判断するのは危険です。一つは、数字は質問の仕方で容易に変わるため。もう一つは、世論調査はあくまでも現瞬間での意識調査であり、正しい情報、学習、討論によって大きく変わりうるからです。


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いま改めて「オール沖縄」を考える

2013年12月29日 | 日記・エッセイ・コラム

PhotoPhoto_2 仲井真知事の「辺野古埋め立て承認」に対する抗議集会は28日も、県庁前広場で行われました(写真右)。その中でも「オール沖縄」という言葉が聞かれました。
 27日の県庁ロビー集会(写真左)で、沖縄平和運動センターの山城博治氏は、「保革を超えたオール沖縄という財産を知事はぶっ壊した」と怒りをあらわにしました。新聞でも「県民大会代表『オール沖縄再構築を』」(沖縄タイムス)など、「オール沖縄」の文字が目立ちます。「オール沖縄」とは何なのか(何だったのか)。いま改めて考えてみる必要があると思います。

 仲井真知事の「裏切り」ととともにクローズアップされているのが、ことし1月、県下41市町村の首長らが連名で「普天間飛行場の閉鎖・撤去」「オスプレイ配備中止」を求めた「建白書」です。これこそ「オール沖縄の意思」(28日付琉球新報社説)であり、「オール沖縄体制」を崩すために「政府、自民党は必死の努力をし、成功した」(仲地博沖縄大副学長、28日付沖縄タイムス)との論評もあります。

 しかし、そもそも「オール沖縄」という「体制」が存在しうるのでしょうか。存在するとして、それは今回の仲井真知事の本性露呈によって簡単に崩されるものなのでしょうか。

 その疑問に示唆を与えてくれたのが、新崎盛暉沖縄大名誉教授でした。新崎さんは、自民党政府や仲井真知事は「追い詰められていた」のであり、追い詰めたのは「『オール沖縄』の力である」とした上でこう指摘します。「『オール沖縄』というのは、単に、政治的な保守・革新を超えて、という意味ではない。さまざまな多様性を持ち、内部矛盾を抱えながらも、抑止力とか、負担軽減とか、軍事的な地政学上の優位性とか、沖縄振興策という言葉の持つ欺瞞性を実感し始めた人たちが社会の大多数を占めてきたということである。それは、沖縄戦を起点とする沖縄現代史の、民衆抵抗闘争史の集積の結果である」。そして「『埋め立て承認』は、新たな闘いの起点にすぎない。われわれの課題は、これから何ができるのかを考え、実践することである」(28日付沖縄タイムス)。

 そうなんですね。「オール沖縄」を政党構図だけで考えてはいけない、それは「民衆闘争史の集積」なんですね。教えられました。でも、疑問は残ります。だとすれば、「オール沖縄」という言葉は誤解を招きます。どうしても政党的に「保革を超える」というニュアンスが強い。
 沖縄の基地・平和・民主主義の持続的・構造的運動において(沖縄だけではありませんが)「保革を超える」ことは不可能だと考えます。なぜなら、そこではどうしても「日本国憲法の平和・民主主義原則を守るのか」「日米安保条約をなくすのか」が問われるからです。そして、自民党は日米安保堅持、現憲法破棄(「自主憲法」制定)が党是の政党です。沖縄の保守が本土の自民党の系列下にある限り、「オール沖縄」は幻想です。それがこの間の5人の国会議員と仲井真知事の「裏切り」が証明したことです。

 沖縄にもしも本当の「オール沖縄」ができるとすれば、それは沖縄の保守が本土の自民党と決別し、「日米安保廃棄、憲法の平和・民主原則擁護」の新しい保守政党をつくる時ではないでしょうか。
 それは「沖縄独立」よりもはるかに現実的だと思います。

 <今日の注目記事>(29日付琉球新報3面)

 ☆<秘密法 大きな力に巻き込まれる 女優・大竹しのぶさんに聞く>

 「『いつの間にか、大きな力に巻き込まれていく怖さを感じる。なんだろう、今聞こえてくる足音は』。大竹さんは、拙速ともいえる秘密保護法の成立過程に不信感を募らせる。・・・『あの戦争も、人々が「変だよね」と感じているうちに始まってしまったのではないか』と、太平洋戦争前夜に思いをめぐらせる。法律の成立で、戦争につながる情報も秘密になるのではという不安もある。・・・劇中(1月から主演する舞台「太鼓たたいて笛ふいて」)、ある女性が夫の戦死について『靖国の神になりました』と手紙に記す。期せずして、安倍首相の靖国参拝を想起させるせりふとなった。『実際に起こるべきではない、芝居にとどめておくべき言葉を、背筋が凍るようなリアリティーを持って言うことになりました』と大竹さん」


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「ウチナーンチュスピリッツ」と新たなたたかい・・・

2013年12月28日 | 日記・エッセイ・コラム

PhotoPhoto_2 辺野古への新基地建設(埋め立て)を容認した仲井真弘多知事の27日の記者会見は、居直りとごまかしの連続でした。その表情が心の貧しさを映し出していました。
 一方、たたかう県民はこの日も正午過ぎ、約2000人(主催者発表)の「人間の鎖」で県庁を包囲したあと、約700人が県庁ロビーに詰めかけ、知事に直接県民の前で態度表明するよう要求しました。これに対し仲井真知事は、県庁には姿も見せず、遠く離れた知事公舎で記者会見したのです。抗議の県民から逃げるように。

 「県民は公約違反を絶対に許さないぞ」「仲井真知事は即刻辞任せよ」。県庁ロビーは夕方5時まで、怒りのるつぼと化しました。
 その中で、主催者団体のある代表が述べました。「仲井真知事にはウチナーンチュスピリッツのかけらもない。県民としてこんな知事を選んで悔しくてならない」「沖縄の将来は、われわれウチナーンチュの手でつくり上げていく。それが子子孫孫へのわれわれの義務だ」。ひときは大きな拍手と歓声が起こりました。

 仲井真知事はウチナーンチュスピリッツを投げ捨て、ヤマトに屈して、カネで沖縄を売った。参加した多くのウチナーンチュはそうとらえています。沖縄をアメとムチで屈服させようとしているのはヤマト政府だけれど、それを見て見ぬふりをしているヤマトの人間(日本国民)も、たたかうウチナーンチュにとってはほとんど同類です。ヤマトンチュの私は、立ち尽くしました。

 1月の「建白書」無視、4月の「屈辱の日」、そして「辺野古新基地容認」。わずか1年の間に、沖縄の人たちは何度も日本政府に踏みつけにされてきました。それが何年にもわたって繰り返されているのです。「ヤマト憎し」となるのは無理もありません。

 でもやっぱり、ヤマトの政府(権力者)と国民(庶民)は区別してほしい。「沖縄の将来」はウチナーンチュとヤマトンチュで協力してつくっていきたい。その思いは消えません。

 「今日が新しいたたかいのスタート」。県庁ロビーを埋めたすべての人の共通の思いでした。そのウチナーンチュのたたかいに、沖縄にいるヤマトンチュは、そして本土のヤマトンチュは、どう連帯できるのでしょうか、しなければならないのでしょうか。問われているのは私たちヤマトンチュです。

 <今日の注目記事>(28日付)

 ☆沖縄タイムス社説<辞職し県民に信を問え>

 「政治家の命綱である『選挙公約』をかなぐり捨てた姿というほかない。だが、本人はそうは思っていない。埋め立ては承認したが、『県外移設』の公約は変えていない、という。県外移設を実現するために、政府から何の担保も取っていないのに、である。こんな説明で県民の理解が得られるとほんとうに思っているのだろうか」

 ☆琉球新報社説<即刻辞職し信を問え 民意に背く歴史的汚点>

 「・・・知事の言う「(安倍政権の)応援団」の意味が、軍事を突出させる安倍政権の『積極平和主義』へ同調し『軍事の要石』の役割を担う意思表明であるならば看過できない。沖縄戦で本土防衛の『捨て石』にされた県民が、再び『捨て石』になる道を知事が容認することは許されない」


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仲井真知事は「県民の代表」ではない!

2013年12月27日 | 日記・エッセイ・コラム

Photo_5Photo_6 仲井真弘多知事は今日27日、辺野古埋め立て=新基地建設を正式に承認します。沖縄にとって、いえ日本にとって、大きな節目の日です。
 26日付沖縄タイムスは「知事承認」に対し、県民各層の反対の声を見開きで特集しました。いずれも心からの願いです。ただ、気になったのは、「県民代表の意地をみせてほしい」など、仲井真知事を「県民代表」とする声が複数あったことです。

 特集だけではありません。同日のタイムス社説(1面掲載)も、「仲井真知事が、ほかでもない140万沖縄県民を代表する知事なら・・・」と書いています。琉球新報の社説は「今回承認すると、沖縄は『自発的奴隷』となってしまう」「沖縄はカネ目当てという印象を全国に刻み込む」とし、仲井真知事=県民代表を前提にしています。以前にも、仲井真知事が承認したら、「この上ない政治不信になり沖縄の将来がめちゃくちゃになる」(大田昌秀氏、21付沖縄タイムス)という意見も紹介されました。そう思っている人は少なくないようです。

 私はこうした意見には賛同しかねます。これらの意見は、仲井真知事=県民代表、よって知事の恥(金で信念を捨てる)は沖縄の恥、という捉え方です。しかしズバリ言って、仲井真知事は沖縄県民の代表ではありません。その意味は「辺野古埋め立て承認」という決定が県民の多数意見に反している、というだけではありません。

 そもそも自治体の首長は行政上は確かに県を代表する権限を持っていますが、政治信条、まして思想・信条(金で信念を売るなど)において、けっして県民を代表するものではありません。百歩譲って、知事選挙で仲井真氏に投票した人が仲井真氏を「代表」とみて責任を感じることはあり得ても、仲井真氏に投票しなかった人が仲井真氏を「代表」と考える必要はまったくありません。例えば、沖縄に来る前私は千葉県人でしたが、森田健作知事を県民の代表、私の代表と考えたことはまったくありません。
 
 今回も、仲井真知事の「承認」で、沖縄(沖縄人)を「カネ目当て」と軽蔑する日本人はまずいないと思います。普通の国民は仲井真知事が「県民代表」でないことは見抜いています。だからこそ逆に、仲井真氏も安倍首相も25日の会談で「140万県民を代表して感謝・・・」などとことさら強調したのです。繰り返しますが、仲井真知事は公約を破った最低の政治屋ではあっても、「県民代表」などではなく、彼の醜態を県民が恥じ入る必要はまったくありません。

 ただ、そうはいっても、沖縄には、本土にない問題が県民感情に介在している気がします。それは、仲井真知事をも含め、政治的立場の違いを超えて、ウチナーンチュであるという民族的「同胞意識」があるのではないかということです。この政治性(階級性)と民族性の関係、その捉え方。これが沖縄の今と、これからを考える大きな課題だと痛感しています。

 <今日の注目記事>(27日付琉球新報3面・ワシントン島袋良太特派員)

 ☆<「反対運動爆発も」 米紙、知事判断を分析>

 「米有力紙ウォールストリート・ジャーナルは25日付電子版で、仲井真弘多知事が米軍普天間飛行場移設に関する埋め立てを承認する方針を固めたことについて、『安倍(晋三)首相の手法は危険』と分析する記事を掲載した。県民が過重な基地負担に差別を感じ、軽減を求めていると説明した上で『政府が県民の異議申し立てを無視すれば、反対運動が爆発すると予測している』と指摘した。・・・『知事が埋め立てを承認しても普天間移設には長い道のりが控えている』とも指摘。県民の反発が広がり、1月に予定されている名護市長選に向けて『反対の火に油を注ぐ可能性がある』とした」

 ※沖縄のこれからのたたかいを世界が注視しています。


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露呈した仲井真知事の本性。闘いはこれから

2013年12月26日 | 日記・エッセイ・コラム

PhotoPhoto_2Photo_3Photo_4 「いい正月になるなっていうのが私の実感です」。唖然としました。よくもそんな言葉が出るものです。ほかにもあります。「いろいろ驚くべき立派な内容をご提示いただきました」「有史以来の予算、税制です」「140万沖縄県民を代表して心から感謝し、お礼を申し上げます」

 仲井真弘多県知事が25日、安倍首相との会談とその後の記者会見で述べた言葉です。仲井真知事は27日に「辺野古埋め立て承認」を表明する意向です。

 本土の方はこの仲井真知事の言葉をどう聞いたでしょうか。沖縄の私の友人たちは、怒りを通り越して、悔しくて、情けなくて、涙が出て、夜も眠れないという人が少なくありません。それほど、仲井真知事のこの言葉、態度は、沖縄県民にとっては歴史的ともいえる意味を持っているのです。

 この日正午過ぎ、雨の中を1500人の「人間の鎖」が県庁を取り囲みました。「知事は承認するな。県民がついているぞ」「われわれは屈しないぞ」。祈るような叫びが続きました。参加した人たちはみんな同じ思いで知事の言葉を聞いたことでしょう。

 もちろん私も怒り心頭です。ですが、おそらく多くのウチナーンチュの人たち、友人たちとは少し受け取り方が違うのではないかと思います。怒りはありますが、私は悔しいとは思いません。これで沖縄県民が日本人から見下されるなどということがあるとは思いません。恥ずかしいのは、仲井真知事だけです。さらには一足先に公約を破った県選出自民党国会議員と県連だけです。県民は少しも恥ずかしくはありません。県民は被害者・犠牲者でしかありません。
 
 仲井真知事はもともとこういう人物なのです。2006年に「県内移設やむなし」と言って自民党に推されて初当選。2期目の選挙直前に、県内世論の手前「県外移設」を表明して再選。それから世論に押されて「県内は無理」と言ってきただけです。それが安倍ファッショ内閣の誕生で本性を出したということです。東京の入院も「拉致」ではなく「避難」だったわけです。

 沖縄でたたかっている人たちは、おそらくこんなことは百も承知でしょう。それでも知事を押し立てて県内移設をなんとしても阻止したいという思いだったのでしょう。そこにはこれまで沖縄が味わわされてきた屈辱、怒りの蓄積・歴史があるのだと思います。正直なところ、今の私にはそれを体で共有することはできません。

 「オール沖縄」はもともと幻想です。沖縄に自民党がある限り、ある瞬間にはありえても、基地問題の持続的、本質的なたたかいにおいて「オール沖縄」はあり得ません。
 この日の仲井真知事の本性露呈によって、沖縄はまた、本来のたたかいの姿に戻る。たたかいはこれからだと思えてなりません。そして、確信できます。たたかう沖縄の人たちは決して屈しないと。

 <今日の注目記事>(26日付沖縄タイムス社会面)

 ☆<知事 声荒らげる場面も 帰任取材2問で打ち切り>

 「10日ぶりに沖縄に戻った仲井真弘多知事は、那覇空港で多くの報道陣に出迎えられた。日ごろはない県警の警備が付き、VIP専用の通用口を抜けて建物の外に出ると、すぐに報道陣に取り囲まれ、カメラを向けられ不機嫌そうな表情に。・・・埋め立て申請を承認するかどうかは、はぐらかしながらも『ぼちぼちまとまってきているもんですから、明日あたりいろんな打ち合わせをしてみたい』。吹っ切れた様子でストレートに答えた。首相回答に普天間の5年以内の運用停止が示されなかった点を指摘されると、『ちゃんと示されていましたよ』と青筋を立て、不快感をあらわにした。質問は2問だけで打ち切り。仲井真知事は、迎えの車まで車いすで急ぐが、報道陣の間をなかなか抜けることができない。上半身が記者団に接触したようで『だめじゃない、ぶんなぐっちゃ。誰ですか』と声を荒げる場面もあった」

 ※やましいところがあれば柳も幽霊に見えるといいます。「ぶんなぐ」られたように感じたのは、やましいことをした証拠でしょう。あわれな人間の末路を見る思いです。


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「なぜ沖縄は報道されないのか」で問われるものは・・・

2013年12月25日 | 日記・エッセイ・コラム

PhotoPhoto_2 沖縄と奄美に関するドキュメンタリーテレビ番組の秀作を集めた「沖縄・奄美の映像祭」が2123日、沖縄大学でありました。その一環として、「“沖縄”はなぜ報道されないのか」と題するシンポジウムが22日ありました。連休中日の夕方にもかかわらず会場をほぼ埋める約120人が参加。このテーマへの関心の高さを示しました。

冒頭、主催者でもある文化経済フォーラムの具志堅勝也理事長(元琉球朝日放送報道制作局長)が、沖縄にとって画期的だった今年1月の反オスプレイ「オール沖縄」東京行動が、本土では新聞、テレビともにきわめて小さくしか扱われなかったことを、具体的なデータで示しました。沖縄の新聞やテレビとは、地元であることを割り引いても、あまりにも大きな落差です。これはなぜなのか?

屋良朝博氏(元沖縄タイムス社会部長・フリーライター)は、「本土のメディアは米海兵隊がどういうものかも知らないで普天間を議論している」と、大手メディア(記者)の基本的な知識・認識不足や、安易なニュースソースに頼って多角的な取材をしようとしない怠慢を指摘しました。

金平茂紀氏(TBS「報道特集」キャスター)は、「沖縄は報道されていないわけではなく、多くが政府の視点に立った報道になっていることが問題」だとし、「本土メディアは(沖縄問題の本質を)知らんふりしている。その根底にあるのは植民地主義だ」と強調しました。

特に注目したのは、渡辺武達氏(同志社大教授)の発言でした。渡辺氏は本土における沖縄報道については、「メディアは責任を果たしているのか」という側面と同時に、「市民は本当のことを知ろうとしているのか、社会の不条理を正そうとしているのか」が問題だと指摘。メディア学会でも「沖縄報道は政治性が強く論文になりにくい」とほとんど取り上げられていない実態を示しながら、「世の中の知識には、ジャーナリスト的知識、日常的知識、専門的知識の3つがあるが、これらがうまくかみ合っていない」「(ジャーナリズムに対する)市民の側からの応援団をつくらなければならない」と述べました。

 本土と沖縄の報道格差、あるいは大手メディアの権力寄り報道という問題は、何度も取り上げられていることです。そのたびに、これはいくつもの問題が複合的に絡み合っていて、特効薬はないと感じてきました。この日の議論でもそう思いました。

 そのいくつもの問題の中でも、今特に問われなければならないのは、渡辺氏が指摘した「市民の側」の問題ではないでしょうか。メディアを生かすも殺すも、新聞なら読者、テレビなら視聴者です。メディアの腐敗・退廃を嘆き、指摘しつつ、市民が「本当のことを知ろうとしているのか、不条理を正そうとしているのか」を自ら問い直すことが必要でしょう。

 そしてダメな報道は批判し、いい報道は褒める。それを個人まかせにするのではなく共同で行う。そのための「メディアを応援する市民組織」が必要ではないか、というのが私の永年の問題意識です。

 <今日の注目記事>(25日付琉球新報社説)

 ☆<14年度予算 「厚遇」は印象操作だ 基地強要の正当化やめよ>

 「2014年度沖縄関係予算が前年度比15・3%増の3460億円で決まった。増額となったのはともかく、政府が『厚遇』を強調する点に強い違和感を抱く。政府は躍起になって『沖縄に対し他の都道府県ではあり得ないほど特別に国費をつぎこんでいる』というイメージを振りまいている。だがそれは事実と異なる。むしろ他府県にはあり得ない水増しやごまかしがまかり通っている。政府はこれで基地強要を正当化したつもりだろうが、不当な印象操作は直ちにやめてもらいたい。『水増し』『ごまかし』の最たるものは那覇空港の整備予算だ。…沖縄関係予算を『かさ上げ』しているのは沖縄科学技術大学院大学も同様だ。…本来、入るべきでないこれらを除くと、14年度の沖縄関係予算は2930億円だ。99年度は3282億円だから15年で1割減った。国全体ではこの間、逆に1割以上増えている」

 ※「アメとムチ」といいますが、アメにもなっていないわけです。辺野古新基地建設を「予算」でごまかすことは絶対にできません。


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「天皇誕生日」と「日本国憲法」

2013年12月24日 | 日記・エッセイ・コラム

PhotoPhoto_2 23日の「天皇誕生日」に、NHKテレビは朝8:20~9:05「傘寿を迎えられて」という特集番組を放送しました。その後も終日、ニュース枠でそのダイジェスト版や参賀のもようを繰り返し放映しました。

 政府・宮内庁はこの日を機に、これまで公表してこなかった「内奏」や「新嘗祭」、さらには天皇が皇后を乗せて車を運転する映像まで新たに公開しました。
 宮内庁やNHKのねらいが、“被災者や戦没者、障がい者にやさしい天皇”“家庭的で親しみやすい天皇”を印象付けることにあるのは明らかです。

 この日に先立って行われた記者会見(この日放送)で、天皇は80歳を迎えた感想を述べました。NHKはじめテレビや新聞は、「最も印象に残っているのは先の戦争」「天皇という立場にあることは孤独とも思える」という言葉や皇后に対するねぎらいの言葉を取り上げました。

 しかし私は天皇の別の言葉が気になりました。NHKが長時間番組やニュースの中で一言も触れなかった言葉です。それは「日本国憲法」です。記者会見の全文(宮内庁HP)を読むと、短い問答の中で天皇は3度、「日本国憲法(憲法)」を口にしています。

 「戦後、連合国軍の占領下にあった日本は、平和と民主主義を、守るべき大切なものとして、日本国憲法を作り、様々な改革を行って、今日の日本を築きました」
 「(政治との関わりについての質問に対し)日本国憲法には『天皇は、この憲法の定める国事に関する行為のみを行ひ、国政に関する権能を有しない。』と規定されています。この条項を遵守することを念頭において、私は天皇としての活動を律しています」
 「今後とも憲法を遵守する立場に立って、事に当たっていくつもりです」

 私はある種の感動を覚えました。当然といえば当然のことばかりです。憲法99条は天皇に対しても明確に「憲法を尊重し擁護する義務」を課しているのですから。しかし、その日本国憲法を破棄し、まったく別ものにつくり替え、天皇を「元首」にしようとしているのが自民党の「憲法改正草案」です。

 この日の天皇発言は、そうした自民党改憲草案に対する反論・批判ではないでしょうか。もちろん天皇発言は事前に政府によってチェックされますから、露骨には言えません。でも心の中で天皇は、“今の憲法でいいんだよ”と叫んでいるような気がするのです。天皇の真意は「現憲法擁護」ではないでしょうか。政府・自民党の中には天皇の代替わりの早期実現を期待する勢力があると聞いたことがありますが、あながちウソではないような気がします。

 だとすれば明仁天皇存命中に、ぜひ期待したいことがあります。「最も印象に残っている先の戦争」について、「本当に痛ましい限り」と言うだけでなく、「申し訳なかった」と言ってください。父親である昭和天皇の戦争責任を踏まえ、一言謝罪してください。生放送で。それが日本国憲法の精神に沿う天皇としての態度です。その一言で、日本の歴史と社会は大きく変わるでしょう。

 <今日の注目記事>(24日付沖縄タイムス1面)

 ☆<政府、初の武器提供 国連軍に銃弾1万発 三原則の「例外」>

 「政府は23日の国家安全保障会議(NSC)と持ち回り閣議で、治安情勢が悪化している南スーダンに国連平和維持活動(PKO)で展開する国連部隊に銃弾1万発を無償で譲渡する方針を決定した。日本時間同日夜に韓国軍に提供された。PKO協力法に基づき日本が他国軍に武器を提供するのは初めて」

 ※国是である武器輸出禁止三原則も、国会答弁も踏みにじる暴挙です。こんな重大なことをNSCと持ち回り閣議で即決してしまう。指摘されてきたNSCの危険性が早くもあらわになりました。「銃弾1万発」は税金で購入されたものです。つまり私たちの金で買われた武器が、ついに戦闘に使われ、人を殺傷するのです。このことの意味を、私たちはしっかりとらえなければなりません。


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沖縄に学び、都知事選は「反安倍」で革新統一候補を

2013年12月23日 | 日記・エッセイ・コラム

PhotoPhoto_2 猪瀬直樹氏の辞職に伴う都知事選挙(1月23日告示、2月9日投票が有力)へ向け、各党は候補者選定を急いでいます。テレビや新聞で報道されるのは、自民党サイドの動きばかり。タレント議員やスポーツ関係者の名前が取りざたされています。

 しかし、今度の都知事選挙はそんな興味本位の選挙ではありません。安倍政権誕生後初の国政並み、いや、ある意味それ以上の大型選挙です。
 沖縄から見れば、「辺野古新基地」問題で仲井真知事の判断が出て、名護市長選挙(1月19日投票)が行われ、普天間・基地撤去問題が大きく動き出す中での首都の首長選挙です。

 都政はもちろん、安倍改憲・暴走政権に対する評価が大きな争点です。革新・民主勢力にとっては絶好のチャンスです。メディアの興味本位の報道とは裏腹に、注目すべきは革新・民主勢力の動向です。
 革新・民主勢力はいまこそ、憲法9条擁護、日米安保条約廃棄・米軍基地撤去、原発ゼロ、「特定秘密保護法」(1年以内施行)廃止で大同団結し、統一候補を擁立すべきです。
 具体的には、前回(2012年)の知事選で善戦した宇都宮健児氏を、革新統一候補として、前回を大きく上回る共同の輪で押し立てるべきです。

 沖縄に来て、市民・県民運動の根強さを実感します。それを支えているのは、沖縄タイムス、琉球新報の2つの県紙と、党派を超えた共同だと常づね思っています。直近の県知事選挙をみても、2010年(伊波洋一候補)、2006年(糸数慶子候補)と、いずれも共産党、社民党、社大党、その他の政党の共同の下に平和・市民団体、個人が結集する形でたたかわれています。これが沖縄の強さの秘密です。

 本土ではどうしてそれができないのでしょうか。共産党と社民党、その他の反自民・民主政党はなぜ日常的に共闘できないのでしょうか。巨大な自民党・安倍政権に対し、小異にこだわっている場合ではありません。

 かつて美濃部革新都政を誕生させた時は、松本清張氏や中野好夫氏などの文化・知識人を中心に、社会党や共産党も加わって「明るい革新都政をつくる会」が結成され、母体になりました。いまこそ現代版「革新都政をつくる会」、いや、「革新日本をつくる会」を全日本規模で結成すべき時です。
 
 日本人が沖縄から、沖縄の市民運動から学ぶべきことは多々あります。革新・民主勢力の共同の理念と実践はその大きな柱の1つです。都民は、本土の日本人はいまこそそれを学び、実行すべきです。安倍ファッショ内閣の暴挙を見るたびにそう痛感しています。

 <今日の注目記事>(23日付沖縄タイムス社会面トップ)

 ☆<知事へ不服従求め手紙 「金で容認」屈辱的 東京在住県出身者 辺野古に思い>

 「『政府の圧力に屈しないで―』。米軍普天間飛行場の辺野古移設に伴う埋め立て申請の知事判断が迫る中、東京沖縄県人会の金城たけし副会長や一坪反戦地主会関東ブロックの木村辰彦事務局長ら東京在住の県出身者らが22日、仲井真弘多知事への手紙を携え、知事が入院する都内の病院を訪れた。手紙には『本土の周囲の人々から「結局、沖縄は金で基地を受け入れる」と言われるのがつらくて屈辱的です』とつづられていた」

 ※県外在住のウチナーンチュも県内市民とこころは一つです。ただ、「入院中の知事が、政府のすさまじい圧力にさらされていることは、明治政府が琉球国王を東京に監禁して、琉球処分を断行した歴史に重なって見える」という文面(見方)には違和感があります。それはなぜか。改めて記します。


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「秘密法施行阻止を」“憲法の伝道師”渾身の訴え

2013年12月22日 | 日記・エッセイ・コラム

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Photo_3 小林武さん(沖縄大学)による「憲法の動きを学ぶ講演会」が21日、浦添市社会福祉センターでありました。沖縄県生活協同組合連合会と沖縄県憲法普及協議会の共催。同時にスタートして好評の「憲法出前講座」と二人三脚の企画で、これまで県内各地で連続的に実施し、この日が年内最後でした。

 「憲法の伝道師でありたい」と講演会や出前講座の先頭に立っている小林さん。「安倍政権の暴走によって、日本国憲法は未曾有の危機に瀕している」とし、特に沖縄が直面している「辺野古新基地建設」をめぐる動きと、「秘密法」問題に時間をさきました。

 小林さんは、安倍政権が沖縄選出の自民党国会議員を屈服させ、いま仲井真弘多知事を東京に囲って圧力を加えている事態は、「国家権力の力の強さ、厳しさを見せつけるもの」と指摘。その狙いは菅官房長官の「(辺野古新基地で)日米同盟関係は50年間安泰」という言葉に示されているとし、「仲井真さんに那覇に戻ってきてもらう、身柄を取り戻す具体的な手立てはとれないものだろうか」と提起しました。

 「秘密法」について小林さんは、かつて沖縄が米軍統治下で悪法の施行を無期延期にした経験に触れ、「法律は成立し公布されたが、施行(1年以内)させないことはできる」と強調。「そのためにも、わかりにくい法律だが、いまこそその内容を学び、廃止の声を上げよう」と呼び掛けました。

 小林さんの講演に先立ち、絵本『戦争のつくりかた』(2004年、りぼん・ぷろじぇくと)が朗読されました。そこにはこうあります。「国のしくみやきまりをすこしずつ変えていけば、戦争しないと決めた国も、戦争できる国になります」。そして、「戦争のことはほんの何人かの政府の人たちで決めていい、というきまりを作ります。ほかの人には、『戦争することにしたよ』と言います。時間がなければ、あとで」。小林さんは「これがまさに国家安全保障会議であり、秘密保護法だ」と指摘しました。

 『戦争のつくりかた』は最後にこう結んでいます。「ここに書いてあることが、ひとつでもおこっていると気づいたら、おとなたちに、『たいへんだよ、なんとかしようよ』と言ってください。おとなたちは『いそがしい』とか言って、こういうことになかなか気づこうとしませんから」「わたしたちは、未来をつくりだすことができます。戦争しない方法を、えらびとることも」

 私たち「おとな」は、どんなに「いそがし」くても、気づかなければなりません。子どもたちの「未来」のために。

 <今日の注目記事>(22日付琉球新報1面トップ、沖縄タイムス社会面トップ=共同電)

 ☆<船がジュゴンに悪影響 辺野古沖で防衛局観察 アセス記載なし>

 「米軍普天間飛行場の移設予定地周辺で、絶滅の恐れが極めて高いジュゴンが1㌔近く離れた船に気付いて逃れようとするなど、船による悪影響を示す観察結果が数多くあることが21日、共同通信が入手した防衛省沖縄防衛局の記録で分かった。
 仲井真弘多知事が予定地の埋め立ての可否を近く決めるが、重要な判断材料となる防衛局の環境影響評価(アセスメント)書には船の影響について十分な記載がなかった。工事では巨大な作業船が多数稼動するため、環境保護団体は『都合の悪いデータを隠したのではないか。船の影響で生息域が変わる恐れがあり、埋め立ては認めるべきではない』としている」

 ※次々明るみに出る政府・防衛局のアセス偽装。これで「承認」なんてとんでもありません。


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