RCC(中国放送)は29日、昼のワイドショー番組(「イマなま」)で、「広島県周辺の米軍基地」の実態を約25分にわたって特集しました。
1つは岩国基地。空中給油機KC130が15機普天間から移転するのをはじめ、空母艦載機FA18が59機厚木から。さらにステルス戦闘機F35も配備が予定されるなど、増強計画が目白押しです。
岩国基地周辺で最近特に問題になっているのは、低空飛行の増加と、それにともなう騒音被害。訓練区域の北広島地域の騒音は85デシベルに達しています。低空飛行は朝鮮半島の地形を想定した訓練だと言われています。
もう1つは、東広島にある川上弾薬庫(写真右)。マツダスタジアム(野球場)51個分の広大な敷地で、「弾薬の集配センター」といわれる米軍のアジア最大の弾薬庫と言われています。川上基地周辺でも大変な騒音(79デシベル)に苦しめられています。古くなった弾薬を爆発処理するためです。29日広島高裁で判決があった国道2号高架訴訟で、65デシベルが「受忍限度」とされたことと比較しても、いかに耐え難い騒音かが分かります。
しかも川上弾薬庫に何が運び込まれているかは完全な秘密にされています。住民は「特定秘密保護法でますます基地の実態が隠される」ことに不安の声を上げています。
キャスターは、「日本はいつまでもアメリカの核のカサの下にいていいのか。きちんと(基地に)ノーと言えるスタンスをもっていなければ」と締めくくりました。
日米軍事同盟の下、強化される米軍基地、強まる住民被害、秘密法の不安・・・日米安保条約がある限り、沖縄も本土も、その危険性は共通で、強まるばかりだと改めて知らされました。
<気になる記事>(沖縄タイムス27日付から)
☆「イデオロギーよりアイデンティティ」か?
沖縄タイムス(27日付)は1面トップと2面で、翁長雄志那覇市長のインタビューを掲載。その中で翁長氏は、「沖縄の基地問題はイデオロギーよりもアイデンティティだ。保革を乗り越えないと解決しない」と主張しています。氏の持論ですが、名護市長選の結果を受けて改めて強調しているのが特徴です。
しかし果たしてそうでしょうか?私はそうは思いません。
「イデオロギー」とは何?「アイデンティティ」とは何?「保革を乗り越える」とは?
それぞれの言葉の中身を吟味する必要があります。この問題は来る知事選でも改めて問われる、沖縄の大きな問題です。あらためてともに考えていきましょう。