アリの一言 

オキナワ、天皇制、朝鮮半島の現実と歴史などから、
  人権・平和・民主主義・生き方を考える。
   

「原爆」を被害の視点からだけ見ていいのか―BTS「Tシャツ」問題

2018年11月20日 | 被ばく

     

 韓国のアーティスト・BTS(防弾少年団)のいわゆる「原爆Tシャツ」問題について、19日付の琉球新報に乗松聡子さんが論考を寄せています(「乗松聡子の眼」)http://peacephilosophy.blogspot.com/2018/11/bts.html
 この問題について日本のメディア、「識者」からの的確なコメント・論評がない中、特筆すべき貴重な論考です。

 乗松さんはこの問題が韓国大法院の「元徴用工」判決(10月30日)を受けた日本の「韓国バッシング」の中で起こった点に注意を喚起し、「背景には、日本政府自身による、朝鮮学校差別、日本軍「慰安婦」の強制性否定、強制労働の歴史否定等の「官製ヘイト」がある」と「官民挙げての嫌韓ヘイト」を突いています。

 私が特に共感したのは次の指摘です。
 「この原爆のイメージ(BTSのメンバーの1人が着ていたTシャツに描かれていた原爆の写真―引用者)は韓国の人にとっての、植民地支配の歴史を経た「解放」という出来事全体の中で捉えるもので、日本人がこの一部だけを取り出して「原爆Tシャツ」と呼ぶことは、原爆に至るまでの加害の歴史を切り落としていることになるのだ

 その通りです。あのTシャツ(写真中)の主題は「光復節」(1945年8月15日の日本の敗戦=朝鮮半島の「解放」記念日)であり、「原爆Tシャツ」ではなく「光復節Tシャツ」です。
 それを原爆の写真だけ取り出して「原爆Tシャツ」と呼び、「被爆者・被爆国への配慮が足りない」などと批判するのは、日本の敗戦の意味、侵略戦争と植民地支配に対して下された歴史の審判の意味を「切り落としている」ことであり、論点をそらすものと言えるでしょう。

  広島、長崎への原爆投下はもちろん国際法上も人道上も絶対に許されません。しかし、日本人が「被爆」について語るとき、それは被害の視点からだけでなく、加害の視点もけっして忘れてはならない、というのがこれまで積み上げてきた貴重な教訓ではないでしょうか。

 広島の被爆詩人・栗原貞子(写真右)が「ヒロシマというとき」を書いたのは1972年5月のことです。

  <ヒロシマ>といえば<パール・ハーバー>
 <ヒロシマ>といえば<南京虐殺>
 <ヒロシマ>といえば 女や子供を壕のなかにとじこめ ガソリンをかけて焼いたマニラの火刑
 <ヒロシマ>といえば 血と炎のこだまが 返って来るのだ
(中略)
 <ヒロシマ>といえば <ああ ヒロシマ>とやさしくかえってくるためには
 捨てた筈の武器を ほんとうに捨てねばならない
 異国の基地を撤去せねばならない
 その日までヒロシマは 残酷と不信のにがい都市だ
(後略)

  この栗原貞子の「ヒロシマというとき」について、岩垂弘氏(元朝日新聞記者)はこう論評していました。

  「栗原さんが、『ヒロシマというとき』で提起したのは、被爆問題を考えるにあたっては『被害』と『加害』の両面から、つまり、複合的にみてゆくことが不可欠、ということであったと私は思う。…この詩がつくられてから四〇年余、原爆被害は『被害』と『加害』の両面からみてゆかねばという方向が、運動面とメディアでようやく定着しつつある」(『人類が滅びる前に―栗原貞子生誕百年記念』広島文学資料保全の会、2014年)

  岩垂氏が「運動面とメディアでようやく定着しつつある」と述べた「『被害』と『加害』の複合的」視点は、今はどうなっているのでしょうか。岩垂氏が指摘して以降の4年間で逆に後退しているのではないでしょうか。まさに「安倍政権」の4年間で。

  BTSの「光復節Tシャツ」から、私たちはその視点を取り戻さねばならないのではないでしょうか。


日本軍が空爆した都市で軍事同盟強化を宣言した安倍首相

2018年11月19日 | 日米同盟と安倍政権

     

 安倍首相は16日、オーストラリアのダーウィンを訪れ、モリソン首相と会談し「共同声明」を発表しました(写真左)。そこで合意されたことはけっして見過ごすことができません。

  「両首脳は…海洋進出を強める中国を念頭に『準同盟』と位置づける両国の安全保障協力を強化する方針を確認した。…安倍首相は会談後の共同記者発表で『日豪の特別な戦略パートナーシップをさらに深化させていくことを確認した』と強調した」(17日付産経新聞)

 「準同盟」とはもちろん「軍事同盟」のことです。発表された「日豪共同声明」にはこう明記されています。
 「日豪間の互恵的な防衛協力を深化させ、特別な戦略的パートナーシップを強化する。共同運用や演習を円滑化するため、行政的、法的手続きを改善する相互訪問に関する協定の交渉の来年早期の妥結を図る。日本、豪州、インド、米国の協力を一層強化する」(同産経新聞)

  これは日米安保体制にオーストラリア、インドを加え、4カ国の軍事同盟体制をインド太平洋全域に展開しようとするものに他なりません。これが安倍首相のいう「自由で開かれたインド太平洋」です。

  オーストラリア訪問に先立ち、安倍首相は10月29日、日本でインドのモディ首相と会談し、すでに軍事協力の強化で合意しています(写真右)。
 「会談で両首相は安保協力に関し、無人車両やロボットの共同研究を進めることで一致。海上自衛隊とインド海軍の連携や、宇宙、サイバー分野での協力を深化させる方針も共有した」(10月30日付中国新聞=共同)

  さらに、日豪合意に呼応するように産経新聞は18日付の1面トップで、「自衛隊、太平洋島嶼国を支援」と報じました。「防衛省は、自衛隊の他国軍に対する『能力構築支援(キャパシティ・ビルディング)』を、米国、オーストラリアと連携し、太平洋島嶼国で強化する方針を固めた。…安倍晋三首相が提唱する『自由で開かれたインド太平洋』の全域に(自衛隊の―引用者)支援の枠組みを広げていく」
 軍事同盟のインド太平洋地域への拡大に伴って、自衛隊(日本軍)がアメリカ軍、オーストラリア軍と連携して太平洋の島嶼国の軍隊(人材・施設)の強化に乗り出すというのです。

 こうしたインド太平洋地域への軍事同盟の拡大が、沖縄の石垣、宮古、与那国などへの自衛隊配備強化と密接に結び付いていることは言うまでもありません。

  軍事同盟の拡大という重大事項が、いつ国会で議論され決定されたでしょうか。されていません。国会素通り・無視です。本来こうしたことは条約で規定すべきです。それを首相間の会談や「共同声明」、あるいは政府間の「協定」(オーストラリア軍との「訪問部隊地位協定」)で決めてしまう。「条約」にしないのは国会の審議・議決を避けるためです。だから「準」同盟なのです。主権在民・憲法蹂躙も甚だしいと言わねばなりません。

 オーストラリアのダーウィンはかつて日本軍が空爆した都市です。1942年2月19日の日本軍の空爆で、死者243人、負傷者300人以上にのぼりました。オーストラリアが外国から受けた攻撃では史上最悪の犠牲者で、「もうひとつのパールハーバー」といわれています。その後も空爆は繰り返され、ダーウィンへは計64回、犠牲者は1000人以上にのぼりました(この項、NHK解説=写真中より)。

 安倍首相はかつて日本軍が多大な犠牲をあたえた国・都市を訪れ、そこで「(準)軍事同盟」の強化を宣言し合意したのです。侵略戦争の反省どころか、戦争の加害責任を新たな戦争準備の軍事同盟で塗りつぶそうとする歴史修正主義者の最悪の愚挙・暴挙と言わねばなりません。


日曜日記29・天皇と山下俊一氏・結婚式考・外山滋比古氏

2018年11月18日 | 日記・エッセイ・コラム

☆山下俊一氏を励ました天皇・皇后

  9日の天皇・皇后主催の園遊会の新聞記事を後日読んで驚いた。あの山下俊一福島県立医科大副学長と天皇・皇后の会話が載っている(10日付中国新聞=共同)。

  「山下俊一氏から、これまでの福島訪問に『勇気をたくさんいただきました』と声を掛けられた陛下は『原子力は非常に微妙な問題ですね。よろしくお願いします』と述べた。皇后さまは『福島の子どもたちの健康はどうでございますか』と尋ね、山下氏は『みなさん本当によく頑張っています』と答えた」

  中国新聞(共同)以外にも朝日新聞、産経新聞などがこのもようを報じていたが、これ以上詳しくは書かれていなかった。

 山下氏といえば、「3・11」直後から東電原発事故、放射能汚染、被曝を過小評価し、子どもたちの甲状腺異常も被曝の影響を否定しようとするとんでもない人物、政府にとってはまことに都合のいい「学者」だ。

  これだけの報道では天皇・皇后がどういう考えで山下氏にこういう言葉をかけたのか断定できないが、はっきりしているのは、こうして天皇・皇后と会話し激励されたと報じられたことが、山下氏に”好印象“を与え、これまでの同氏の言動の「正当化」につながる可能性があることだ。
 「象徴天皇制」が果たしている役割の一端がここにも表れている。

 ☆現代結婚式考

  4日、甥Dの結婚式が名古屋であった。昨年の姪Mの時もそうだったが、最近の結婚式・披露宴の料理はすごい。カーテンの隣が厨房で、フルコースの料理が次々運ばれてくる。100人以下の出席者に対し、料理を作り運ぶスタッフは20~30人もいたのではないだろうか。料理はもちろん美味しかったが、人件費も含め費用は相当な額に上るだろう。昔(?)の手作りの「会費制結婚式」がなつかしい。

  様変わりした結婚式だが、あいも変わらぬものもある。「A家とB家の結婚式」という呼称・形式だ。この場合の「家」は家族ではなく家系、イエ制度の名残としての「家」だ。そして披露宴の締めは「両家を代表して新郎のお父様のC様のご挨拶」となる(今回もそうだった)。

  なぜ新郎の方が代表になるのか。なぜ母親ではなく父親なのか。ここにも家制度と表裏一体の男尊女卑の名残がある。

 ずいぶん様変わりしたように見える現代の結婚式だが、家制度・男尊女卑が根深く引き継がれている。それに対して疑問を持つ出席者はいないようだ。
 こうした日本の無意識の風習・儀式が、草の根保守主義・草の根天皇制と無関係でないことは言うまでもない。

 ☆外山滋比古氏の「百歳人生」

  15日のラジオ深夜便で、外山滋比古氏の「百歳人生はこう歩く」と題したインタビューがあった。現在95歳。母より3つも上だ。『思考の整理学』(ちくま文庫、1986年)はおもしろかったが、今回の話も興味深かった。

  「日本人は目で見ることに頼りすぎている。大切なのは耳で聞いて考えることだ。目で読む文字はすでに過去のもの。それに依存すれば自分の考えを持とうとしなくなる。独創性が乏しくなる。人間が母親の胎内で最初に獲得する感覚器官は耳だ。次は口(泣く)。議論することで集合体思考が生まれる。耳と口による知的活動が大事だ」(要旨)

  聴きながら、「大事なものは目に見えない」という言葉が浮かんできた。

 「失敗から学ぶことが大切だ」とも。「人間には挽回力がある。貧しい家庭に生まれた人は努力して人生を切り拓く。挽回力だ。金持ちは努力しない。失敗は怖くない。成功した者は早く年をとる。失敗が薬だ。挽回力で力は120%になる。失敗を恐れずまずやってみる。失敗を前提に実験的に生きることだ」

 とても95歳の言葉とは思えない。人間の「老い」はけっして年月だけで訪れるものではないと、あらためて思う。


米政府に「安保体制の揺らぎ」を懸念した玉城訪米

2018年11月17日 | 沖縄・平和・基地

     

 沖縄の玉城デニー知事は14日(日本時間15日)、訪問先のワシントンで米国務省のマーク・ナッパー副次官補代行らと会談し、「辺野古新基地反対」を表明しましたが、国務省は「ゼロ回答どころか、聞く耳を持たない姿勢を明確にした」(16日付琉球新報社説)といいます(写真左)。
 沖縄の民意など歯牙にもかけない米政府の実態をあらためて示しましたが、これは十分予想されたことでした。安倍政権に対して「法的対抗措置」を棚上げして「対話」を求める姿勢では、米政府にとってインパクトはありません。

 今回の玉城氏の訪米について、「沖縄が置かれた不平等、不条理を米側に訴えることは意義がある」(16日付沖縄タイムス)という論評がありますが、実はそれ以上に、玉城氏は米政府に重大なメッセージを送りました。

  国務省との会談は、例によって非公開でしたが、会談後玉城氏は記者団にその内容の一端を明かしました。「当事者である日米両政府が今の状況では沖縄における日米安保体制そのものも揺らぎかねない。得策ではないと伝えた」(16日付琉球新報「一問一答」、写真中)というのです。

  これに対し米国務省は会談後、「普天間飛行場の代替施設建設は揺るぎないコミットメント(約束)」とする「声明」を出しました。この中で同省は玉城氏に、「沖縄での米軍駐留と日米同盟の中心的な役割に、深い感謝の意を表した」(16日付琉球新報)としています。

  玉城氏は持論である「日米同盟支持」を強調したうえで、このまま辺野古新基地を強行することは日米安保体制自体の「揺らぎ」を招くから「得策ではない」と述べ、米側は沖縄が日米軍事同盟の「中心的な役割」を果たしていることに「深い感謝」を表したというのです。

  非公開なので玉城氏の発言の詳細は分かりませんが、実は訪米前に玉城氏は同様のことを日本政府に対しても述べていました。10日に行われた岩屋毅防衛相との会談(写真右)です。

  岩屋氏との会談で玉城氏は14項目の「要望書」を提出しました。その第1項「辺野古新基地建設の断念について」で、こう述べています。

 「県民の理解が得られない辺野古新基地建設を強行することにより、これに反対する県民感情の高まりが米軍全体への抗議に変わると、在沖米軍基地の安定運用は難しくなり、ひいては、今後の日米安保体制に大きな禍根を残すことになるのではないかと心配しております

  これは驚くべき発言です。玉城氏が辺野古新基地建設を強行すべきでないというのは、県民の批判が「米軍全体への抗議に変わる」ことを懸念するためであり、在沖米軍基地・日米安保体制の「安定運用」が損なわれるのを避けるためだというのです。これが沖縄県知事から防衛相への公式の「要望」です。

 米国防省との会談で玉城氏が「日米安全保障体制そのものも揺らぎかねない。得策ではない」と述べたのも、この「要望書」と同じ趣旨とみて間違いないでしょう。

  玉城氏が日米安保体制=軍事同盟を支持する立場であることは周知の事実です。しかしそのことと、それを沖縄県知事として公式に日米両政府に表明し、まして「辺野古新基地反対」は在沖米軍基地・安保体制の「安定運用」のためだとし、それが「沖縄の立場」だと公言することとは全く別問題です。

 知事選で玉城氏の支持基盤となった「オール沖縄」陣営の中で日米安保体制=軍事同盟支持は一致点になっているのでしょうか?
 辺野古新基地に反対している人の中で、米軍基地の「安定運用」のために反対している人がどれほどいるのでしょうか?

 玉城氏の日米両政府に対する言明は、支持基盤である「オール沖縄」の一致点や支持者の意思を無視した独断専行・暴走であり、県政を誤った方向へ誘導するものです。
 「オール沖縄」陣営や選挙で玉城氏を支持した人々は、こうした玉城氏の言動を黙認するのでしょうか。


沖縄・米戦闘機FA18の墜落は何を示すか

2018年11月15日 | 日米安保・沖縄

     

 米海軍所属のFA18戦闘機(原子力空母ロナルド・レーガン艦載、岩国基地配備、写真中)が12日午前、沖縄・南大東島南西約140㌔(那覇市の東南東約290㌔)の海上に墜落しました。エンジントラブルとみられています。

 沖縄では今年6月に米軍F15戦闘機が那覇沖に墜落したばかり。「県内で発生した米軍機の墜落事故は1972年の沖縄の日本復帰以降、計50件に上った」(13日付琉球新報)

  琉球新報、沖縄タイムスが1面トップ(13日付)で大きく報じたのはいうまでもありません。しかし「本土」全国紙の報道は今回も、社会面で小さく扱う程度でした。軍事基地・日米安保体制(軍事同盟)の危険を沖縄に押し付けて知らん顔をしている「日本本土」の実態がここでも表れています。

  今回の墜落事故は、2つの重要な問題を提起しています。

  第1に、米軍の存在による危険から住民を守るためには、普天間基地だけでなく、嘉手納基地を含むすべての基地を沖縄から撤去する必要があることです。

  FA18戦闘機は嘉手納基地や普天間基地に頻繁に飛来しており、今年3月には15機が嘉手納基地に暫定配備されたこともあります。
 嘉手納基地爆音差止訴訟原告団の新川秀清団長は今回の事故に対し、「『いったいどれだけの墜落事故が繰り返されているのか』と怒りに声を震わせた。『根っこからの危険性を除去してもらわなければ、当たり前の生活はできない。沖縄からの基地撤去そのものに踏み込まないといけない』と力を込めた」(13日付琉球新報)。
 「根っこからの危険性除去」「沖縄からの基地撤去そのもの」とはすなわち全基地撤去です。
 嘉手納基地爆音差止訴訟原告団は2016年から「嘉手納基地の撤去を含めた全基地撤去」を要求しています。

 第2に、米軍と自衛隊の一体化の危険です。

 今回の事故は、「自衛隊と日米で共同訓練を実施中」(13日付琉球新報)に起こったものです。
 沖縄では米軍と自衛隊の一体化=共同訓練・基地の共同使用が、嘉手納基地を中心に強まっています。今回の墜落はそうした中で起こったものです。
 「在日米軍再編計画は、日米の軍事一体化を図るために、嘉手納基地なども自衛隊と共同使用にする方向を打ち出しています」(中村重一北谷町町議、「前衛」9月号)

 軍事基地に反対するたたかいは、米軍だけでなく自衛隊の基地強化も含め、また米軍と自衛隊の共同訓練・基地共同使用にも反対することを含めてすすめることが絶対に必要になっていることを今回の事故はあらためて浮き彫りにしました。

 玉城デニー沖縄県知事は12日午前(日本時間12日深夜)、訪問先のニューヨークで「県民に不安を与え、甚だ遺憾だ」(13日付沖縄タイムス)と抗議しました。
 しかし玉城氏は11日午後(日本時間12日未明)にニューヨーク大学で行った講演ではこう述べていました。

 「沖縄は今、辺野古で新基地を強行しようとする日米両政府とぶつかっている。この対立は反米とか反基地というイデオロギー的な主張ではなくこれ以上基地はいらないという、生活者の声である」「私は全ての米軍基地の即時封鎖ではなく、辺野古の新基地建設というさらなる負担に反対している」(13日付沖縄タイムス「講演要旨」)
 「反基地」を「イデオロギー」として否定したうえで、全基地閉鎖・撤去の立場ではなく、「これ以上」の「さらなる負担」でなければ現在の基地は容認する立場を強調したのです。

 また、当選直後の新聞インタビューでは、「将来、自衛隊と米軍が基地を共同使用するときには、基地の使用協定を作りましょうという話が出てくるかもしれません」(10月2日付産経新聞)と述べ、自衛隊と米軍の基地共同使用を容認する考えを示していました。

 玉城氏のこうした発言の根底には、訪米前の日本外国特派員協会での会見(9日、写真右)で、「日本とアメリカの安全保障体制を認める立場」(10日付琉球新報)だと強調したように、日米安保条約(軍事同盟)支持の基本的立場があります。

 翁長雄志前知事同様、日米安保体制を容認・支持する玉城知事の下で反基地闘争をすすめるのはきわめて困難ですが、少なくとも、石垣、宮古、与那国など八重山諸島への自衛隊基地増強・ミサイル基地化や、米軍と自衛隊の基地共同使用には知事として明確に反対を表明してもらう必要があります。