☆「大国」の空疎なパフォーマンス
「G20」とは何なのか。アメリカと中国の貿易摩擦も、プラスチックごみ問題も、別の所でやればいい。わざわざ「世界の主要国」が集まり、多くの税金を使い、3万人の警察官を動員し厳戒態勢をとる必要がどこにあるのか。
それは「大国」の政権(権力者)が自己PRする空疎なパフォーマンスにすぎない。無駄なだけではなく、大きなマイナス効果をもつ。
安倍にとってもトランプにとっても、今回の「G20」はたいへんな選挙対策・事前運動だ。参院選で「外交の安倍」が喧伝されるのは目に見えている。この事前運動にメディアは全面的に協力した。隣国(韓国)とさえ会談できないで何が「外交の安倍」か。
「G20」の本質的な害悪は、国連の弱体化・無力化に拍車をかけることだ。どんな「小国」も「大国」と平等な1票をもつ国連(総会)は、「大国」にとって都合が悪い。「大国」の仲間内で問題を処理したい。それが「サミット」だ。
有害無益、「大国」の談合・パフォーマンスの「G20」(サミット)はやめるべきだ。
☆野村萬斎と五輪の商業主義
「G20」夕食会の「文化行事」(28日)で野村萬斎が狂言を披露したそうだ。東京五輪開会式の演出担当に決まったのに続き、なにかと政府行事に顔を出すことが多くなった。
その野村萬斎が、コカ・コーラ社のお茶AのCMをしている。コカ・コーラ社は東京五輪のスポンサー企業の1つだ。AのCMでも五輪との関係が強調され、それを受けて野村萬斎がAが五輪の公認飲料になったかのようにコメントする。
おかしくないか。いくらスポンサーだといっても、五輪は一応、公的行事だろう。そのプロデューサーに決まった人物が五輪との関係を強調して特定の商品をPRする。これは地位利用ではないのか。
そんなこともお構え無しで横行するほど、五輪は商業主義に侵されているということか。
☆「トゥレット症候群」
「バリバラ」(Eテレ、27日)で「トゥレット症候群」が取り上げられた。初めて聞く名前だ。けいれんしたような動作(運動性チック)や突然の大声(音声チック)など、複数のチック症が1年以上続く病気をいうそうだ。「心の問題」ではなく、不随意運動を伴う脳の障害だ。
患者は壮絶ないじめ・差別を受ける。小学生の時に発症した男性(31)は、参観日に親がいる前で担任の教師に、「ここには1人”動物園“がいますが…」と言われた。電車に乗れば、避けられたり、「降りろ」と言われたり、暴力を振るわれることも。外に出られない。居場所がない。「みじめに生きるより死んだ方がいい」。いじめ・差別、孤独、自殺未遂の連鎖だ。
司会者の1人が「知らないからいろいろ質問したくなりますが、それは興味本位ですか?」と聞くと、男性は答えた。「いいえ、質問されるのはうれしい。全部しゃべります。聞いてほしい」
知らないことは恐ろしい。無知は人を差別者・加害者にする。
男性はこうも言った。「受け入れてくれる人がいたら、私の人生は変わっていたでしょう」
※当ブログは前身の「私の沖縄日記」から通算して今日で1500回目になりました(1回目は2012年11月26日)。お読みいただき、誠にありがとうございます。これからもほんとうに微力ながら、自分にできることをやってゆこうと思っています。よろしくお願いいたします。