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ツールドフランス7連覇のアームストロング

2013-01-19 04:21:41 | 身辺雑記
ツールドフランス7連覇のランス・アームストロング氏のドーピング違反は本当のことだった。自ら90年代から使っていたことを告白した。衝撃的なことだ。パリに居た頃、ツールドフランスのゴールでシャンゼリゼ通りがお祭り騒ぎだった。余りの興奮状態を見てヨーロッパ人が自転車競技に格別な思いがあることを知った。長年、ヨーロッパ選手が勝利を独占していた、ツールドフランスをアームストロング選手というアメリカ選手が7連覇もした。けた外れの特に山登りでの強さは認めざる得なかった。それ位傑出して強かった。この選手はガンを克服したことでも、注目をされていた。その経歴からガン撲滅キャンペーンの財団の代表でもあった。ガンになり、独自の闘病を経て生還してから、勝つようになった選手である。ガンで上半身が痩せたことが、却って良かったと言われていた。子供の頃からトライアスロンをやっていて、世界のトップに近い選手だった。

アメリカの郵政省チームとしてツールドフランスに参戦していた。自転車レースは、個人競技ではあるのだが、一心同体の共同で闘わないと勝てないという競技だ。先頭が風の影響を受けて、不利である。長距離レースでは初めから終わりまで先頭という訳には、行かない。チームで誰を勝たせるかを決めて、引っ張り役や追いつくことを阻止する役割と使い分けて、一人を勝たせるためにチームで支え合い戦う。9人編成のチームが、20~22チーム参加する。個人競技であるのに個人の気持ちは抑えなければならない。我慢して引っ張る役をしなければならない。チーム内でもめ事が起き、移籍が行われたりする。とても危険なスポーツで、昨年もテレビ中継の車との接触で死亡者が出た。ヨーロッパのプロスポーツの生まれ方という物が見えてくる。この独特のチームで行う競技である所が、自転車競技がすごい盛り上がりになる理由だと思う。

ところがこの頃から、アームストロング選手はすでにドーピングをしていたらしい。同僚だった選手の告発から問題は発覚する。ドーピングをしていたからガンになった可能性もかなりの確率であるだろう。アメリカのスポーツ選手は一番でなければならない。しかも巨額のお金が動く。勝利至上主義のアメリカンドリームのプロスポーツである。アメリカのプロレスリングの世界は、大衆というものの本音を表している。例えば日本人レスラー、グレート・トウゴウは、下駄を履きはっぴを着た卑怯な悪役であった。もちろんロシア人の悪役レスラーというのも存在した。スミノフなど、フランス系カナダ人でありながら、ロシアの悪役をしていた。しかし、アメリカプロレスは当時から日本を市場と考えていた節があり、そうした差別的なだけでもなかった。ジャイアント馬場はアメリカで参戦していた時期がある。力道山のプロジューサーとしての先見の明というものだ。

アメリカでは、プロレスは衰退を始めていた。日本のリングで一流レスラーが戦った。ルーテーズとかカールゴッチはいかにもスポーツ選手体形だった。馬場のアメリカの試合を見て驚いたのは、悪役という訳でもなかったことだ。1960年代のアメリカという国は、とても差別的な国ではあったが、アメリカの興行師は馬場の資質を見抜いていた。その時代の人間関係が力道山後の日本のプロレスを作り上げる。アメリカでは強いことが価値である。その後再生するアメリカプロレスはザ・ロードウォリアーズの強烈な強さを作り出した。アメリカのプロレスは日本とまるで違うストーリになる。勝利の形が、圧倒的で一度も相手に技を許すこともなく勝利してしまう。プロレスラーは筋肉マンタイプ一辺倒になった。このあたりにアメリカ人の価値観が反映している。アームストロング選手はガンになっても、ドーピングをして、勝ち続けなければならなかった。アメリカンドりームは、悲しい夢である。

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