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米の過剰生産と給食

2008-03-07 05:00:18 | 稲作
例の「米の作りすぎは、もったいない」の東北農政局のポスターがあった。こんなポスターで、米の過剰生産がどうにか成る、と考える発想が一番いけない。作りすぎと考える前にやることはないか。これを考えるのが、農政局の役目。先ずやるべき政策。給食の米飯化だ。よく言われるのが、戦後のアメリカ政府のありがたいパン給食の結果、日本にパンが広がり、ついには、作りもしない、小麦を主食にするような、愚かなズクのない日本になってしまったこと。小田原では、農協から学校給食のために、米の集荷に協力下さい。こういう主旨のビラがの2度入った。神奈川県では、県下の米の15%程度しか、農協が集荷がされない。今年は更に下がったのかもしれない。農協に出すより、高く売れる所がある。農協に出荷する人が居なくなるのも当然の結果。神奈川県では、「米を作らないのは、もったいない」という状況。今年は、減反をやめて農協に出荷しよう。こういうお触れが出るのか。

神奈川県のように、地場の食材で学校給食をしたいと考えても、進まない地域もある。畑や田んぼがないからという訳ではない。理由は2つある。一つ目は、神奈川県学校給食会という、戦後の食糧事情の悪いときに出来た、不明朗な組織が、今でも学校給食全体を取り仕切っているためだ。流通実態が見えない。今は、間に三つの組織が流通経費を加えている。米飯給食の方が、パン給食より費用がかかり、副食が貧しく成るというのだ。高いから出来ないのが理由なら、安くする努力をすればいい。もし、小田原市が西湘農協という地域の組織から直接購入して、自校調理する。お米の適正価格購入も可能になる。少なくともパン給食と同程度にはなる。二つ目は子供が麺やパンの方が好むから。こういう理由がある。これはアメリカ政府の発想の成功の結果だ。給食関係者に、食育などという考えはないのだろうか。子供がお米を好きになるように教育するのが、日本という風土を前提にした、学校給食の第一の任務だ。

山形県は米飯給食日本1を目指すそうだ。小中学校の米飯給食回数は平均週3.5回で全国3位。これを08年度中に3.8回以上に増やし、福井県(3.7回)を抜いて日本一となる。米飯給食はパン給食に比べ一食当たり小学校で約15円、中学校で約19円、それぞれ割高。県予算で、5756万円を計上したのだそうです。同時にお米だけでなく、地元の農産物を使うことにも力をいれ、「地産地消」と「食育」の両面から米飯給食を推進していく、ということです。全国的に米飯給食を見ると、週3回実施という学校が70.9%ともっとも多く、ついで4回の12.3%、続いて2回が11.5%。完全米飯給食実施校は1425校で4.5%だそうです。小田原は、2回の11,5%の最下位グループです。それでいて、お米が足りない。しかも、減反もしろ。一体どうなっているのかと思います。

自治体予算が不足する中で、5756万円が高いか安いか。明らかに安いというのが、実感。箱物を作るのでなく、こういう使い方は、有効にまわる。すぐに小麦は高くなる。間違いなく、パン食にすると、高くなる時代は近い。早く転換を進めるのが、賢明な政策だろう。第一に、お米がこれで、100トン地域で消費が増えるそうだ。これで減反が少しだけれど、減らせる。農家への減反補償などを考えれば、相殺できる所もある。100トンのお米は15ヘクタールの田んぼのお米だ。15haの田んぼを維持できる。カエルで言うと、18万匹だ。メダカ、ドジョウ、タニシ、イモリ、殿様ガエル、赤ガエル、ゲンゴロウ、水カマキリ、豊年エビ・そして赤とんぼに蛍。

もし、日本中の学校給食が、週0.3回だけ米飯給が増えたら。山形の100倍になる。費用は57億円。1500ヘクタールの田んぼが維持できる。1万トンのお米が使われることになる。しかし、これはお米の生産量900万トンから見れば少ない。既に耕作放棄された田んぼだけで、日本全土で63431ヘクタール。日本全体の田んぼは150万ヘクタール。イモリも、メダカも緊急事態だ。
小田原で言えば、1000万円の費用で。3ヘクタール分のお米となる。481ヘクタールが田んぼ面積。例えば小田原めだか米学校給食という形で、これを実行する。1000万円の政策効果は充分あるはずだ。
ともかく、学校給食は、完全米飯にするのが、早急な政策だろう。そして、アメリカがやったように、日本人がお米を食べるように、戻してゆく。他に道はない。

昨日の自給作業:苗土、畝立て、植え穴掘り、種蒔き、など3時間。3月の累計:5時間
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