地場・旬・自給

ホームページ https://sasamura.sakura.ne.jp/

株価の異常暴騰

2024-03-02 04:26:54 | Peace Cafe


 株価が過去最高値を34年ぶりに更新したと大騒ぎである。とんでもないことだとしか見えない。地獄を前にして狂喜しているように見える。実質経済を伴わない株価上昇だ。上がった株価は必ず下がる。お金に踊らされている人には、もうそう言う冷静な考えは飛んでしまっているだろう。

 暴騰した分暴落する。多分熟練の投資家はすでに慎重になっているはずだ。最近政府に乗せられて投資に飛びついた人は、まだ上がると株に没頭していて、周りが見えないのだろう。いち早くやめた方がいい。株で大損するだけならまだましだ。不労所得に良いことなどない。今ならまだ間に合う。

 株価が無理やり上げられている理由はある。まず、世界中に投資先が無くなっている。特に中国では不動産投資の資金の行き場が無い。そのお金が日本に流れ込んでいる。そのお金はいつか日本を離れてゆく。世界経済全体はひどいことになっていると言うことは誰にでも分かるだろう。

 2つも大きな戦争が継続されている。戦争をしている国の経済が好調なのだ。これでは終わる気配も無い。経済制裁が続いてている。経済制裁が世界経済をゆがめている。不健全な経済関係が定着始めている。石油価格の不安定がまた起こる可能性も高い。

 世界全体の格差は広がり、経済破綻から飢餓が広がり始める。異常気象が食料生産を困難にしている。食糧自給が出来ない国である日本の危うい状況は、かなり深刻なものだ。こんな危機的状況で、株価だけが高騰しているのはおかしいだろう。

 独裁国家の資本主義が、自由主義陣営の経済を追い詰め始めている。ロシアと中国が連携を強めた。そして、新興してきたアジア、アフリカの新しい国々は、この戦争に便乗して新しい経済の流れを作り出そうとしている。

 日本の実質経済はかなり危ないところにある。周りを見渡せば、まさか株価が上がるとは思えないはずだ。企業業績が良いというのは表面的なことだ。労働者不足。労働生産性の低さ。新規商品開発が停滞。そして大企業の倫理が崩れて、データー偽装。世界から後れを取った日本の異常な株価上昇なのだ。

 日本政府が株を盛んに買っているので、株価を政府が下支えしていると見られている。政府はニーサのような形で、老人が抱え込んでいる銀行預金を株式投資に変えさせようとしている。騙された国民が投資に走っている。銀行預金では流動性がないので、企業のために株式投資をさせたいのだ。

 預金を投資に充てさせることで、企業の活動を活発化させようという事なのだろう。日本政府は企業の手先のようなものだ。政府が投資立国を呼びかけるなど、常軌を逸した沙汰である。みんなで渡れば怖くない。集団心理である。暴落したとしても、それまでのことだ。

 投資は国が国民に推奨し、進めるようなものではない。岸田氏の主張であった、倫理ある資本主義はどこに行った。倫理というのは、不労所得など期待してはならないと言うことだ。まともに生産する仕事をする。これが資本主義の倫理だ。

 働かずして、お金を回して利益を上げるというようなことは、歴史的に見れば、倫理に劣るとされてきた。今日本ではそれを政府が奨励するというような、間違えが起きている。国民が働くことよりも不労所得を重んずるようでは、ゆがんだ国になるだけだろう。この先日本は、ホリエモンばかりになる。ああイヤだ、嫌だ。

 中国の不動産投資の行き詰まりは、政府と地方政府と、投資家が不労所得を得ようとしての失敗なのだ。マンション投資が儲かるから、ローンを組んで住まない家を投資に購入するのだ。社会主義国に不労所得を政府が推進する不健全な社会が生まれたのだ。人間が腐るのだ。長続きするわけがない。

 社会主義国家であるはずの中国政府は、そんなおかしなことが出来る法律を作った。そして、地方政府は土地を持っているから、投資用マンション業者に土地を使う権利を販売して利益を上げた。それを政府は推奨した。マンション購入者はローンを組んでマンション業者に投資をする。

 こんな社会主義があるはずがない。疲弊して誇りを失っている中国人が、立ち直るためには、生活を向上させる以外になかったのだ。頑張って働けば、良い暮らしが出来る。これを実現させたまでは良かったのだが、投資立国へと間違った道を進んでしまった。

 マンション業者はその資金でマンションを建てる。マンションが値上がりしている間はこの方式は一見上手く行くように見えたが、実際には誰も住まないマンションなのだから、行き詰まることは目に見えている。人口が減少を始めた。思うほどには都市に暮らす若年層は増えなかったのだ。

 地方の農民がマンションに住むようにはならなかったのだ。その結果投資用マンションは人が住まないのだから、地域ではインフラも整備されない。ますます利用価値がなくなり、値下がりを始めた。投資に買う人も激減してゆく。実需が伴いマンション建設がまともな訳がない。

 中国のマンション投資から逃げるお金も日本株の購入になっているのだろう。中国はここにきて、習近平が共同富裕を持ち出してきた。みんなで豊かになろうだが、実際には富裕層の頭を叩こうという事だ。富裕層に対して自分のことだけでなく、みんなを豊かにしろ。このように言っているのだ。

 日本が今更のごとく、中国の失敗と同じみちを歩もうとしている。マンション投資よりも株式投資の方がましと言うことは無い。不労所得に気持ちが行くことで、真っ当に働く気持ちが薄れてしまうのだ。賭博で儲けることと同じだ。あぶく銭で暮らすなど、不健全この上ない。

 しかしそんな考え方は、古くさいものなのだろう。残念ながら、日本人が変ってしまった。50年前の日本では株式投資は卑しい行為とどこかみっれていたのだ。子供達が株式投資を生き方の一つとして、選択してしまうような国では、未来は無い。

 地道に、身体を使って働くと言うことが出来なくなる。金持ちが偉い人と言うことになり、不労所得で、株式投資を健全な行為と次の世代が考えるようになれば、まともな社会では無くなる。と書きながらも、すでにまともな社会ではないと思わざる得ない。

 今更社会の方向は変らない以上、自分だけでも違う生き方を探るほか無い。それがのぼたん農園の自給農業だと思っている。身体を使って食料を得ることの喜びは、健全な労働から生まれる。自給農業の意味を身体で知ることから、すべてが始まる。自分たちでそこから始める。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 日本精神史 阿満 利麿 著 ... | トップ |  201 水彩画 日曜展示 »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

Peace Cafe」カテゴリの最新記事