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小田原欠ノ上田んぼ9月6日の様子

2024-09-09 04:22:13 | 稲作


 残念なことに欠ノ上田んぼは苗作りに失敗をした。主たる原因は苗土の熟成が十分でなかったためかと思われる。例年通りの苗作りで他に思い当たるところがなかった。そのこともあって、苗が不足したためもあり、30㎝×40㎝植えにした。もう一つの理由は病気が増えてきたということもある。

 イネ縞葉枯病 (病原ウイルス Rice stripe virus(RSV))だと思われる。バイラス病で、ヒメトビウンカ によって感染が広がる。ウンカは多く発生する年と、そうでもない年もある。ツマグロヨコバイによるイネ萎縮病やイネ黄萎病 とみられる病気も見られるようになった。

 ウンカの害は田んぼの中の空気がよどむような位置で多く出る。田んぼであればどこでも現れるのだが、病気が蔓延するようなことはめったにない。風が強いと飛ばされてしまう。風速7mを超えると留まれない。風通しの良い田んぼで健全に育っていると、ウンカの被害は減る。

 30㎝×40㎝植えは成功していると思われる。昨年より縞は枯れ病も萎縮病もかなり減少した。抜いてはいるのだろうが、現状ではほとんど見られない状態であった。もちろんウンカが出にくい気象条件だったということもあるだろうし、周辺の田んぼをもう少し見てみないとわからない。



 9月6日欠ノ上田んぼの生育状況を渡部さんと見て回った。立派なものであった。生き生きとしていて、全体に勢力を感じた。病気はない。この後もどんどん稲穂を良くしてやるぞと止葉が立ち上がっている。もち米の止葉が一段と立派だった。

 良い止葉は、「サトジマン」では50センチ以上、葉幅は20ミリ以上で、厚みがありしっかりしたもの。葉先より5センチほど下にくびれが生ずる。止葉は内側にたたまれて谷ができる傾向になる。また、稲穂の下の茎に、グキットしたよじれが茎にできる。

 そして、穂は雄穂になる。雄穂とは稲穂の茎からの枝分かれが、一番下のものが対生になる穂のこと。こうした、素晴らしい稲穂の状態に欠ノ上田んぼのイネは成り始めていた。初期生育が悪く分げつ不足になった株の中には、一部では分げつが15程度のところが見られた。

 そうした分げつ不足の原因は苗が弱く、初期生育が遅れたことが主原因で、その後の管理が良かったこと。水を1週間程度落として乾かしたことが良い結果になったように思われる。またその後の気候も悪くなかったために、よい健全なイネになってきたのだと思われる。

 粒張りもすでによく、大粒になってきている。現在の葉色も健康的なちょうど良い、緑色色見版で3ぐらいが残っている。全体で見ると下の方の田んぼが実りが早めで、分げつも充実している。水温と日照の影響かと思われる。15番田んぼは対岸の木が覆いかぶさってきていて、日影が影響して一部が分げつが取れていない。


 全体に川沿いに日照不足の影響を感じた。川からの取り入れ口が大雨でふさがってしまっているが、緊急に直さなくとも、上からくる小川の水を入れて何とかなると思われる。あと2週間ぐらいでイネは水を必要としなくなるだろう。

 5判、6番、7番の「何とか娘だったか」初めて作る早生品種はほぼサトジマンと同じようだ。ここは小さい苗だったが、実に固い苗だった。その結果かもしれないが、きれいな感じの元気な田んぼになっている。これで味が良ければ、作りやすい品種なのかもしれない。

 よくあの弱い苗でここまでよいイネが作れたと、この管理能力の高さに驚いた。暑い中すごい努力をされたのだと思った。田んぼ勉強会の時には、何しろ農の会の田んぼの中で、一番悪い状態だったと思えた。それが現状では実に健全で見事な穂をつけている。



 この後は倒れないように祈るばかりであるが、かなり背は高くなっている。この後さらに穂が重くなりそうである。重い穂を支えるだけの茎ができているので大丈夫だとは思うが、台風が来ないことを祈るばかりである。

  いくらか暑さによる不稔が生じている株がある。全体で見れば数が少ないので、問題はないと思うが、暑さに強い品種が必要だとイネが言っているような気がした。今年の夏が異常気象なのではなく、こういう暑い夏が普通になってくるような気がする。

 苗土の熟成は1か月以上どうしても必要になる。できればさらに長くてもいいのかもしれない。苗土の熟成期間の気温にもよる。全体の苗土の量や加える水の量や攪拌する回数も影響してくる。よく熟成した苗土のにおいを覚えておけば、間違いがない。熱がなくなり、心地よい発酵した香りになるのがいい。






 苗土づくりはかなり難しいと考えた方がいい。一昨年良い苗土で、苗箱のものが特別良い苗になったのは、苗土が成功したためだと思われる。あのやり方を思い出して、再現することが大切なのだと思う。苗半作である。

 30×40㎝植えで、収量は落ちるかもしれないが、作業の軽減を考えたならば、この植え方に一理あると思われる。何しろあの広い田んぼを、一日で手植えができたのだ。苗量を減らすことも、意味があると思う。一年でやめないで、もう少し続けてみることが必要かと思う。
 
 また、下の方の田んぼがよくできたのは、冬の間にソバカスを多く入れたということだった。緑肥の出来もあるが、冬の間にソバカスを入れることは、障害にはならない。腐食を増やす意味でも、もう少し入れた方が初期分げつが多くなり、もう少し収量が上がるかもしれない。
 
 

 9番田んぼに作った。種大豆である。種を更新するために小糸在来種保存会から種を分けて頂いた。今まで継続してきた種が、紫色になる病気が出てしまった。それで、種を更新することになった。従来の畑から話して作ることになった。

 大豆の出来は家のわきの畑が一番良かった。今花が咲き始めている。花が咲いて、また暑すぎる。35度になっている。この暑さで大豆も不稔になる可能性があり心配だ。早く涼しくなってくれないと困る。よく草取りができているところがすごい。大豆の会の努力が素晴らしい。
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