蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

すばらしき世界

2021年11月16日 | 映画の感想
すばらしき世界

三上(役所広司)は、殺人罪で長年服役した旭川刑務所を満期で出所する。身元引受人の庄司(橋爪功)の紹介で東京のアパートで一人暮しを始める。極度の高血圧症で働くことが難しく生活保護を受けるが本人は不満でなんとか仕事を見つけようとするが、うまくいかない。
放送作家?の津乃田(仲野太賀)はディレクターの吉澤(長澤まさみ)にそそのかされて三上を取材し始めるが・・・という話。

佐木隆三さんの「身分帳」を底本としているが、細部にはかなり異なる点がある。

終盤で三上は介護施設に就職する。ここは原作にないシーン。これまで一本気な侠客気質で何度も失敗してきた三上は、なんとか周囲に合わせようと苦労する。
しかし、ついに耐えきれないようなシチュエーションが訪れる。
この場面における役所さんの演技、表情が特に素晴らしい。DVDで見たので何度か見返してしまった。

原作(ほぼノンフィクションと思われる)を読んだ時に感じたのは、佐木さんをふくめ主人公の周囲の人が、かなりの問題児?の主人公に対してとても親身になって接していたことだった。映画でも庄司夫妻やスーパーの店長(六角精児)の人情が身にしみた。
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