蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

夏期限定トロピカルパフェ事件

2024年06月16日 | 本の感想
夏期限定トロピカルパフェ事件(米澤穂信 創元推理文庫)

小市民シリーズ第2作。
小鳩は夏休みの間、小佐内がランキングした市内の甘味処を巡回しようと誘われる。ある店からテイクアウトしたシャルロットというケーキに、あまり甘いものが好きでないはずの小鳩は魅了される(シャルロットだけはぼくのもの)。健吾が店に残した「半」という文字だけのメモの意味を探る(シェイク・ハーフ)。小佐内の自宅で彼女の帰りをまっているうち、小佐内を誘拐したという電話が来る(おいで、キャンディーをあげる)。そして謎解きの「スイート・メモリー」からなる連作集。

連作集といっても、全体として一つのストーリーを構成している。そして第1作の「春期限定・・・」とは違って、日常の謎ミステリーとみせかけてちょっとダークでビターな結末(かつ、ちゃんとミステリでもある)を用意しているのが、作者の本領発揮といったところか。
それにしても小学生みたいな外見で甘いものを食べるのが至上の楽しみという小佐内さんの正体が怖すぎる・・・

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