遠くまで歩く(柴崎友香 中央公論新社)
森木ヤマネは小説家。少し前に7年間すごした夫と離婚していた。感染症の流行で外出や会合が難しかった時期、森木は、写真や映像から想起される情景を描写することを主な活動とする勉強会?のオンライン会合にコメンテーターとして参加することになる・・・という話。
森木が参加するオンライン会合で、出席者の情景描写が短い短編のようになっている。著者の作品で私が読んだのは「百年と一日」だけで、これもショートショート(死語かも)くらいの長さの小説を集めたもので、読んだ当時は小説集というよりネタ帳みたいな感じだなあ、と思えた。本作はよりそういう感触が強く、著者が小説を書き始めるまでのプロセスを辿っているかのような内容。
ただ、独りよがりで理解しがたいものではなく、読んでいる方も「オレも小説かけそう」なんて思わせる楽しさが感じられた。
「百年と一日」にも似たような店として登場した(と思う)、昔なつかしい平凡だけどいつまでも続いているラーメン屋の話が印象的だった。きっと著者にもそういう店があるのだろう。
作中に登場する、ロバート・ジョンソン、カレン・ダルトンの曲を聞き、写真家 小沢栄子の作品を見てみた。そうしたいと思えばインターネットで即時に見聞きできる現在のなんて便利なことよ・・・
作者がリアルにオンライン会合仲間と訪れた、旧日立航空機立川工場変電所にも行ってみようと思う。
森木ヤマネは小説家。少し前に7年間すごした夫と離婚していた。感染症の流行で外出や会合が難しかった時期、森木は、写真や映像から想起される情景を描写することを主な活動とする勉強会?のオンライン会合にコメンテーターとして参加することになる・・・という話。
森木が参加するオンライン会合で、出席者の情景描写が短い短編のようになっている。著者の作品で私が読んだのは「百年と一日」だけで、これもショートショート(死語かも)くらいの長さの小説を集めたもので、読んだ当時は小説集というよりネタ帳みたいな感じだなあ、と思えた。本作はよりそういう感触が強く、著者が小説を書き始めるまでのプロセスを辿っているかのような内容。
ただ、独りよがりで理解しがたいものではなく、読んでいる方も「オレも小説かけそう」なんて思わせる楽しさが感じられた。
「百年と一日」にも似たような店として登場した(と思う)、昔なつかしい平凡だけどいつまでも続いているラーメン屋の話が印象的だった。きっと著者にもそういう店があるのだろう。
作中に登場する、ロバート・ジョンソン、カレン・ダルトンの曲を聞き、写真家 小沢栄子の作品を見てみた。そうしたいと思えばインターネットで即時に見聞きできる現在のなんて便利なことよ・・・
作者がリアルにオンライン会合仲間と訪れた、旧日立航空機立川工場変電所にも行ってみようと思う。