蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

物理学者、ゴミと戦う

2007年06月25日 | 本の感想
物理学者、ゴミと戦う(広瀬立成 講談社新書)

前半は、エネルギー保存の法則とエントロピーが環境問題とどう関わっているのかをやさしく説いて、わかったような気にさせる。特に地球上に存在する水分が、環境保持に大切な役割を果たしていることがよく理解できたように思う。
後半は、リサイクルにあまり意味はなく、ゴミの排出を減らしていくことが大切だと主張されるのだが、前半とうまく関連づいていないという印象だった。

私が住んでいる地域では、ゴミ焼却場でゴミが少なくて困っている(ゴミの量が少ないと焼却炉の性能がでなくて高熱で燃やすことができなくなる)らしい。それで燃やすと高熱が出るプラスチック類を燃やせるゴミとして出してくれ、というお知らせが回ったことがあった。「それ、何か変だろ~」と思ったのだが(そう思った人が多かったのか)数ヶ月でもとに戻った。
ゴミ処理はすでに一大産業で、ゴミがあまり減っても困る人が多くなりそうだ。そもそも環境問題に貢献するほどまで(この本で強調される)「もったいない精神」が一般社会に浸透したら、日本の経済レベルが低下することを覚悟しないといけないのかもしれない。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

捲り眩られ降り振られ

2007年06月24日 | 本の感想
捲り眩られ降り振られ(白川 道 幻冬舎文庫)

競輪は、平成にはいってから売上が減少傾向を続けていて、随分マイナーなギャンブルになってしまった。
競輪を愛した作家もたくさんいたが、今では、思いつくのは、伊集院静さん、佐藤正午さんくらいだろうか。皆さん、相当に金をつぎこんでいるようだが、白川さんはこの本で、競輪への決別を宣言し、伊集院さんも最近遠ざかりつつあるような感じだ。

私の実家が競輪場のすぐそばだったので、小さい頃から競輪はよく見に行った。確かに昔に比べるとお客さんの数は激減している。昔は記念の決勝なんていったら今の浦和レッズのホームの応援席並みの密度と熱狂ぶりだったけど、同じようなレースでも今ではスタンドには空席がめだつし、若いファンなんてほとんど見かけない。

この本でも指摘されていることだが、昔は堅いレースは本当に堅かった。最近はラインの結束が弱くなって予想が難しい。それが人気凋落の原因の一つかもしれない。(まあ、選手が人間関係にあまりしばられず脚力で勝負する今の姿が本来なのかもしれないが。そんな時代だからこそ、村上-松本の固い師弟ラインのエピソードはいっそう光輝くのだろう)
TOTO(サッカーくじ)は当てるのが難しくて人気がでなかった。予想する必要がないBIGは賞金さえ大きくなれば買う人が殺到する。世の中なべて単純なこと、考える必要がないことに人気が集まるようだ。ディープインパクトがあんなに人気になったのも、最後方から直線ゴボウ抜きというわかりやすさがあったからではないだろうか。

この本は雑誌に連載されていたのをまとめたもので、毎回ゲストを招いて白川さんが競輪の魅力を語っている。毎回、白川さんが、ほぼ素人のゲストへ「大講釈」をぶつ。その内容は細かに書かれていないが、とても面白そう。ぜひ一度名調子を生で聞いて見たいと思った。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

フューチャリスト宣言

2007年06月21日 | 本の感想
フューチャリスト宣言(梅田望夫 茂木健一郎 ちくま新書)

インターネットは、アメリカ軍のシステムを大学で利用し始めたのが成り立ちだったと思う。
そのせいか、ネット上には豊富な論文が掲載されているらしく、アカデミックな世界に生きている人には、(発表するにしても、閲覧するにしても)大変に便利なものであるようだ。しかし、学術論文と縁がない一般人にとっては(少なくとも私にとっては)ネット上に記載されている情報って今ひとつ信頼感がないな~というのが正直なところではないだろうか。

この本では、インターネットがあればどんな学問も修得できる、みたいなノリなのだが、私のような人には、ややなじみにくい感覚だと思う。
テーマについて大学でゼミをやったくらいの基礎はないと、いくらネットに色々な資料が掲載されていても、そもそも適切なものへ行き着くことができないのではないか。

「インターネットを使いこなせば、君たちの未来はこんなに素晴らしい」というのが、この本のテーマなのだが、「君たち」というのが「大学入試レベルの数学くらいは高一でさっさと済ませる」ことができる人のことみたいなので、高校入試の数学でも困惑した身としては遠い世界の話に聞こえてしまった。

「ネットの時価総額」という考え方は面白いと思った。ブログやHPにアクセスが多ければ、それが(アフィリエイトとかを利用して)広告収入に直結するので、「ブログ等の内容の充実=時価総額の増加」という考え方には一理ある。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

百万のマルコ

2007年06月09日 | 本の感想
百万のマルコ(柳 広司 東京創元社)

マルコというのは、マルコポーロを名乗る老人のこと。ヴェネツイアの牢に人質として繋がれた囚人たちの一人。
囚人たちはヒマを持て余し、マルコが東方諸国(元とその周辺国)で体験したという不思議な話を聞き、ありえなさそうな話のからくりを推理する、というパターンの短編を集めている。

謎解きが、ミステリというよりは、(一休さんの話のような)トンチに近い。だから謎が解けると「ああ、なるほど」というより、「なんか納得できない」「フェアじゃない」「しょーもない」という感想を持つことが多かった。

小説雑誌の中にあって箸休めみたいに読むのには適しているかもしれないけれど、一冊の本にまとめられると、同じようなパターンが続くので、退屈してしまう。

設定自体は魅力的なので、史実をからめながら、シリアス調の長編にしてみたら、おもしろそうだと思ったのだが。
もしかしたら、「東方見聞録」に書かれた話にひねりを加えたものなのかもしれないが、原典を読んだことがないので、何ともいえない。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

住之江 笹川賞

2007年06月03日 | Weblog
12Rは実力者、実績者が揃って1=2以外買いづらいレースかな、と思った。
それで今日の狙い目は11Rの田口。5日目終わってのコメントが「完走できてほっとしました」。まあ、なんとも正直というのか、いきなり準優進出では無理もないというのか、ただ、券を買ってた人にはちょっとせつないコメントだったかも。しかし、これで最終日はリラックスできるのでは?と思って頭、ヒモとも流したのだが・・・結果は一番安い1-3だった。

住之江は進入が折り合ってしまえば、相変わらず捲くれないレース場だなあ、といつも思うことを12Rを見て今日も感じた。
三島あたりが思い切ってイン取りにいってかき乱したりしてみたりしてくれないかねえ、と見ていたら、濱野谷がピット離れ悪く、もう1=2でどうしようもない、と思えた。

2マークで原田が先に回っていた松井に当ててしまったのだけど、住之江で先頭を走っている大阪の選手にそんなことしていいの?・・・時代は変わったなあ。相手が野○なら半殺しだよ。きっと。
そういえば、野○がピットでケリを入れて懲罰を食らった時の相手は三島だったよなあ・・・確か。客から見えるところでやったのがまずかったらしく、蹴られた三島の方が恐縮していたとも聞いたが・・・(ウワサです。真偽のほどはわかりません)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする